はてブはウェブの増感装置


私日記 - はてブを恐いと思った私がいた」を読んで。


はてなブックマークでブックマークされることに関して。

というのも、顔も声も身分も知らない人がいきなり玄関に押しかけてきて「面白かったよ」とか「興味深かったよ」などと、おっしゃるようなものだと思うのです。それは多分、私が田舎者で、メトロポリタンな感覚とずれているからでしょう。善良な方ばかりなのだと思います。悪気は全然ないと思うのです。というか、きっと心外だろうな、

でも、取り上げられる側からすると、やっぱり恐かったのです。いや、マヂで。

んー、他人の反応が怖い、ってことなのでしょうか?

はてなブックマークみたいなソーシャルブックマークは、良くも悪くもウェブサイト情報の増感装置みたいなところがあって、普段ではなかなか見つからないようなエントリがあれよあれよと注目の的に上る場合があります。特に被お気に入り率の高いアルファブックマーカーアルファクリッパー)みたいな人たちがブックマークした記事は、必然的に多くのブックマーカーの目に止まることとなります。目に止まる機会が増えれば注目を浴びる可能性もまた高くなるわけです。

まぁ、そういうものなのです。


あと、ブックマーカーが善良な方ばかり、悪気は全然ない方ばかり、と思うとたぶん危ないです。辛辣なコメントやタグをつける人はごまんといます。

はてなブックマークすると、ブックマークしたユーザのIDが表示されますよね。そして、場合によっては一言コメントを付けますよね。で、一応終了。

この時点で、はてなブックマークユーザは、身分を証明したと思いがちなのではないでしょうか。あれ、違う?

うーん、ブックマークという行為は身分を証明するために行う訳ではないので、そうは考えません。

ただ、たんたんとブックマークしただけ。

一方、はてなブックマークされた側はといえば、はてなIDを見ても、その人がどういう人だか分かりません。もちろん、以前から付き合いのある方であれば分かります。そして、IDが表記されているのですから、その方の日記を読めばある程度の情報は得られます。一言コメントがされていれば、記事に対してどういう感想を持たれているのかも分かります。

立場の違いにより情報に不平等が発生しています。

少し噛み砕くと、はてなブックマークされるということは、一方的な立場(はてブされる側が相手の素性を知らない状態)に立たされるという性質も持ち合わせているのではないか、ということです。

ウェブ上において何かを書くという時点で、不特定多数の誰にでも見られうる可能性があります。それと比べたら、はてブすることではてなIDが分かるようになるだけでもかなり平等側に移ってると思うのですが。一般のコメント欄などではいくらでも名前を詐称できますし、それに比べたらはてブはかなり個人を特定できる状況だと思います。


そもそも、書き手側と読み手側が同じ情報を持たないといけない平等である必要があるのか?というところに疑問を感じます。


もし、平等でないといけないとしたら、そもそもウェブ上で何かを書くことさえできません。だって、文章を書く私はハンドルやプロフィールを公開し、文章を公開してるのに、それを見に来る大勢の不特定多数な人々は私になんの情報も与えてくれないんですから。

例えです。

10人のユーザがある記事にはてなブックマークしました。
この10人はある記事に対して互いに意見を交換したりできますね。この場合、10人は同じ立場です。
しかし、この10人のユーザと、ある記事を書いたユーザとは対等な立場になりません。
というのも、10人のうちの1人対記事を書いたユーザ1人のやりとりであれば、対等で問題ありませんが、最大の場合、はてなブックマークしたユーザ10人に対して記事を書いたユーザが1人で全員を相手にしなければならなくなってしまいます。
これは労力の問題かな。

ウェブに限らず、なんでも情報を発信するということはそういう側面があると思います。

「記事を書いた自分:読んだ人全員」という構図は、はてなブックマークが関わろうがそうでなかろうが変わることはありません。たまたまはてなブックマークの場合は分かりやすい形で興味を持ってくれた人が見えるだけにそういう印象を受けたのかもしれませんが、ブックマークしてくれた人の10倍〜100倍以上の読者がその裏にはいます。


ブログを書くということは、別にゲームで対戦したりするということではないのだから、「記事を書いた自分:読んだ人全員」という構図はそんなに気にしなくてもよいと思います。

仮に、何かについて議論しあうことになったとしても、読んだ人全員の中には、あなたと同じ意見の人(味方)もいるでしょうし、また読んでくれた人全員(もしくははてなブックマークしてくれた人全員)に誠心誠意をこめて対応するというのも無理な話だと思います。できうる限りで誠意をこめて対応するので十分かと。

ただ、それ一点に目を奪われ、相手をおもんぱかる行動を忘れてしまうのは避けたいところですね、とやんわり締めてみる。

そこはその通りですね。

マイナスイメージなコメント、タグは誤解を招きやすくよくトラブルになっています。



ただ、賛同、興味を示してくれたはてブには、それほど構える必要はないと思います。



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