暖かい地域の人は知らない冬道の運転事情

北国の人、冬には車のタイヤをスタッドレスタイヤに交換するのが当たり前の地域に住んでる人にしか分からない冬の運転話。



朝、通勤のために車を出そうとすると、前日の夜に雪が降ってれば雪が積もってて、雪が降ってなかったとしても窓ガラスに霜が降りて凍ってて、出発前にそれを落とす作業が必要になります。まあ、青空駐車の人の場合だけど。

写真で、フロントガラスのとこからワイパーがぴょこっと見えてるのは北国特有の風景。帰宅して駐車後、ワイパーを上げておかないと次の日にフロントガラスにがっちり凍り付いてしまって、溶かすまでワイパー使えなくなってしまうのを防ぐための儀式なのです。

こうやってどっかり大雪が降るなんてのはここだと年に数回あるかないかくらいだけど、それでも北国の人だと雪払いや凍り取りのための道具が必要で、よくあるのは、片側が雪払いのブラシになってて、もう片方は凍り落とし用のプラスチック部品になってる名称不明の道具。これを使って、朝はまずエンジンをかけて暖気運転しつつ、ぐるっと一回り窓ガラスや車体の雪や氷を落としてから出発となります。短くて2〜3分、長いと5〜10分くらい。(雪や凍ってる状態にもよる)



冬道の運転で怖い点はいくつかあって、「積雪でできる轍(わだち)」「歩道や路肩の雪で車道自体が狭くなること、また視界が悪くなる事」「凍結路面、特にブラックアイスバーン」などが特に危険な部分。



「積雪でできる轍(わだち)」ってのは言葉通り、道路に雪が積もった後、車が走行してる部分だけが雪が解けたり圧縮されたりして轍ができることで、一番走行量が多い一般車ならそれほど気になりませんが、特に軽乗用車だと轍の幅と実際の車のタイヤ幅が合わないために、まともにまっすぐ走れなかったり、ちょっとしたことでスピンしそうになったりととにかく怖い思いをします。

「歩道や路肩の雪で車道自体が狭くなること、また視界が悪くなる事」、これもよくある話で、北海道のあの幅広い道でも、片側2車線な道路が積雪で片側1車線になってたりします。かろうじて2車線を維持してても、歩道や路肩にできた雪の山からいつ車がひょっこり顔を出すか分からない(逆に出てくる方は顔を出さないと車が来ているかどうか全く分からない)ので、歩道側の車線は常に危険です。下手に裏道とかコンビニとか入ろうものなら、出る時にエラい苦労するという。


「凍結路面、特にブラックアイスバーン」は、ホントで喰わすと怖い。自分の運転してる車が滑るのももちろん怖いけど、自分が滑るってことは当然の様に周りで走ってる車も滑るわけで、危険運転してる車が突っ込んでくる確率も普段の何倍にもなるのがまた怖い。深夜の寒い時間帯に交通量が多い都心部とか、夕方、早朝の冷え込んで路面が凍結しだす頃とか、路面が凍るポイントはある程度決まってるので、しっかり減速して走るしか無く、周りの車の流れがいつもより遅いときは、どこで凍結路面に出くわすか分からないので集中して走らないといけない。


他にも、冬場はどうしても車内が湿気りやすい(外の雪を持ち込むから)ので曇りやすいことや、マンホールの上だけ雪が解けて落とし穴状態になってて、うかつにその上を通過すると下手すりゃ車壊す(酷い箇所だと10cm以上凹んでたりする)こと、車高低い車がどっかでパーツを落としたのが道に落ちてたりとか、轍などで車が意図せず横滑りして対向車とぶつかりそうになったりとか、大雪降ったら駐車場から脱出出来なくなるとか、屋根の雪をおおちゃくして落とさずに運転してたら、坂道とか信号で止まったときとかに屋根の雪がドドドーとフロントに滑り落ちて前が全く見えなくなったりとか(冬用ワイパーも10cm以上の雪にはさすがに勝てない)、とか、とか。



まあ、そんな苦労がある北国の運転事情ですが、外は猛吹雪な中でも車内は暖房が効いてて天国だったりすることを考えるとやっぱり車は必要不可欠で、うまく付き合って行くしかありません。気をつけて、安全運転で行こう!