ソーシャルブックマークを続けることで得られるモノ


ソーシャルブックマークを日々続けるということは、いままでのブラウザでのブックマークがただ自分の気に入ったサイトのURL集を作るという行為だったのに対し、自分が興味を持ったこと、記事の履歴をネット上に残す、ということに相当します。

これは今まではなんとはなしに眺めていた情報を、後から紐付けて再利用できるように記録しておく、という行為であり、いろんな可能性を秘めています。

タギングすることでブックマークされた情報が意味を持つ


ブックマークした記事にタグをつけること(タギング)で、自分が興味を持つ分野、事柄が浮かび上がってきます。ソーシャルブックマークの利点のひとつである他人のブックマークを見ることができるという面でも、その人がつけているタグ一覧でどのタグをよく使っているのかを見れば、その人がどんな事により強い興味を持っているかが一目瞭然。

自分と同じ事柄に興味を持っている人々のブックマークは、自分にとっても有用な情報を含んでいることが多く、そういう人を「お気に入り」に登録しておくことで自分だけでは知りえなかったような自分の興味がある分野の情報を入手することが期待できます。

これは「はてな市民」(一般的にはギークやいい意味の”おたく”が多いといわれる)という一つのクラスタに属する人々にとっては、自分と属性の近い他の多くのユーザーが支持した記事を容易に発見できると言う意味でたいへん便利で、自分でネットサーフィンする時間の短縮にもなる。


このような、より少ない時間でより多くの欲する情報を得られるという効果は実際にはてなブックマークを使っている人なら実感できるのではないでしょうか。


いくら進歩しているとはいえ、ロボットと呼ばれるプログラムがネット上を網羅的に探索して集めてくる情報(googleなど検索エンジンの出力結果)と、記事の内容を理解できるブックマーカー(人)がブックマークという形でまとめた情報(はてなブックマークでのタグによる分類結果)では、その精度において後者の方が圧倒的に有用な情報を得られる確率が高くなります。

ブックマークされてよりはっきりと分かる読者の存在


自分でサイトを運営したりブログを公開したりして情報を発信する側になって気になるのが、自分が公開した情報を受け取って読む側の読者の存在です。

アクセスカウンターやアクセス解析で読者が存在しているということは分かりますが、それはあくまで自分のサイトを表示したということを示しているだけで、ただ素通りしてしまったのか、興味をもって読まれたのか、それについては一切分かりません。

情報の送り手の立場からいくと、発信内容が読者からどれだけブックマークされ、どんなコメントが付されたかを一覧できるようになり、書いたものの受け取られ方をリアルタイムで把握できるようになった。そのプロセスを観察していて、私が書くのをネットの向こうで待ち構えている数百人の常連の存在が、実感を伴って確認できるようになった。

ソーシャルブックマークでブックマークされる、と言うことは「自分が発信した内容に興味をもたれた」ということの証です。いままでは、自分の発信した情報に興味を持つ読者の存在が、実際にブログにコメントを残したり、トラックバックしたりというかなりアクティブな反応でしか分からなかったのが、ブックマークという読者側にとってはより敷居の低い方法で情報の送り手側が確認することができるようになったわけです。

コメントも、ブログの記事そのものにつけるよりは抵抗なく、本音に近い形でのコメントを情報発信者側が知ることができます。



このように、ソーシャルブックマークは情報をより効率的、かつ精度よく収集するためのツールにもなりうるし、情報の送り手と受け手の距離を縮めるコミュニケーション手段とも考えられます。


インターネットを使って、より多くの知識、情報を得ようと考えるなら、ぜひともソーシャルブックマークをうまく活用するのが近道になるのではないでしょうか。