パソ通時代を思い出しながら今を考える。


なんかid:yas-toroさんとのやりとりが、昔のパソ通時代のやりとりを彷彿させてなつかしいので、そのまま続行(笑)

パソ通時代の状況

草の根を除いて考えると、PC-VANniftyが大手だったんだろうか(niftyの方が会員数が多かったように思う)。私はPC-VANに入り、そのままどっぷりはまった口。

私はniftyでした。ちょうど、当時はパソコン関連の雑誌でよく「これからはパソコン通信」とかいう煽り記事が書かれていて、それに影響を受けてパソ通を始めました。自宅にパソコン(マック)を導入してすぐにパソ通を始めました。

実は、パソコン通信を始めた更に10年ほど前、8ビットパソコン御三家、NECのPC-88、富士通FM-7、シャープのX1の頃にもパソコンに触れていた時期があって、その当時のパソコン雑誌で音響カプラを使った通信の話題を見てやってみたい!と思ったものの、さすがに当時はあまりにやっている人が少なくて結局実行に移せなかったというのが自分の背景にあって、大学で卒論書くために購入したマシンを家に持ち帰ってパソ通用にした、という流れでした。


ただ、通信費が爆発するのだけは避けたかったので、導入当時から懸命に安く上がる手段を考えて実行に移していて、それほど通信費で困った記憶はありません。通信タイムはテレホーダイの効く23:00〜08:00に限定してましたし、チャットもはまった後はお金のかからないインターネットでのチャット(IRC)へと移住しました。


パソ通時代の良かったところって、やっぱIDなりアカウントなりが現実の名前なり住所なりとリンクされてて個人が特定されていたところで、そのおかげで会話の質がある程度保たれていた(意味のない発言や荒らしなどは排除)ところですね。

まぁ、全てがうまく行っていたのか?といわれるとそうではなくて、niftyだとシスオペと呼ばれるフォーラムの管理を運営側から任された人によって、いろいろと揉め事が起こっていたなんてこともありました。


ついついパソ通時代をなつかしく思い出しちゃいますが、思い出に浸ってばかりだと後ろ向きすぎるので、当時のパソ通時代のような形のコミュニティというのは今の時代に存在しえないのか?と自分なりにお題を出して考えてみようかと。

個人が特定できるコミュニティ


個人がしっかりidなりアカウントなりで特定できるコミュニティとして最近流行ってきているのが、mixiが代表するようなSNSだと思います。

この個人が特定できる、というのは別に本名や住所が分からなければならないと言うのではなくて、ハンドル名でもいいからきちんとした個人をネット上に特定できるのが重要な点。


自分のホームページなりブログなりがあれば、そこにある記事がその人を表しているわけです。SNSでも自分のページやプロフィール、日記とかがあるので、その人のことが分かるようになっています。

また、idなりハンドルなりを名乗らないと発言できないという環境では、発言した内容は全て自分に帰ってきます。素晴らしい発言を続ければ多くの人に認められることになるでしょうし、荒らしや誹謗中傷を繰り返していればそういうことしかできない人なんだと言う事で誰にも相手にされなくなるでしょう。


匿名で語れる場というのも、もちろんそれはそれで有益であるし、必要だと思いますが、そればっかりになってしまうとみんなそれぞれが何を考えているんだか分からず、現実では対話できないような人ともコミュニケーションがとれるというせっかくのネットの良さがスポイルされ、何かするとすぐに叩かれたりと逆にいつでもどこかで見張られているような世界になってしまう。

もっと発言している人が見えるコミュニケーションを取れる場所が今後のネットには必要なんじゃないかと思います。そういう意味でSNSはもっと広まって欲しい。

個人がもつ要素


ある人を見たときに、その人を構成する要素というのはたくさんあると思うんです。あるAさんという人を考えたとき、Aさんが学生だった頃の同級生の中でのAさん(学生)、職場でのAさん(社会人)、趣味の料理について語るAさん(料理)、昔からやっていたスポーツの野球をやるAさん(野球)、と一人の人物を考えただけでも()内で書かれたようなさまざまなカテゴリに属する自分を持っているわけです。


今、一番ユーザーが多いSNSmixiに全ての人が集まってしまって他のSNSは無くなってしまうのかというと、そうでもない。mixiの中でも、自分の興味のある事柄で集えるコミュニティという機能がありますが、あれはある事柄についてのコミュニティを作るということ以外に、自分にはこういう属性があるんですよということ(所属しているコミュニティでその人がどういうことに興味を持っているのか分かりますよね)を示すことで、よりその人というものをしっかりと分かってもらえるという点が重要なんだと思っています。

それぞれの属性に特化したようなSNSはもっといろいろな面白い事ができそうな可能性があるし、SNSを簡単に作れるようなツールがでてきたりするとブログがブログツールが出てきたことで形になって広がったように、SNSももっと広まりを見せるかもしれません。


SNSで重要な点は

  • 自分を紹介するプロフィール、ホームページがある。
    • 個人の特定
  • その上でコミュニケーションをとることができる。
    • 責任がある立場でのコミュニケーション

で、mixiみたいに巨大な規模になると

  • 自分が出す情報についてアクセスコントロールができる。
    • 全ての情報を全ての人に公開する必要はない、TPOの使い分け

なども考えていかないとダメなテーマだと思います。


パソコン通信はより広い繋がりを持てるインターネットが出てきて、次第に廃れてしまったけど、人というものがしっかりと特定できる形でのコミュニケーションは必要とされていて、それが形になったのが今のSNSなんじゃないかと。

果たして、今後SNSがどのような変化を見せていくのかには、注目していきたいと思います。