ウェブとリアルとの経済概念の違い


しあわせのくつ - インターネットビジネスが儲からない理由」を読んで。

一方、ウェブでは、お金がなくても困らない。事足りてしまうのである。だから、お金も『ここでは僕らはあんまり必要ないね』ということで来てくれないんじゃないだろうか。

じゃあ、ウェブがつまらない世界か、というともちろんそんなことはない。価値が生まれにくい世界かというと、むしろ反対だ。

お金がなくても、経済が回転する、発展する世界。それがウェブなんだと思う。

ウェブでは、リアルのお金に相当するものはなくても困らないという視点。

確かにウェブで情報が回るのにお金はいらない。お金がなくても発展する。いや、むしろお金が絡まない場所の方が発展の速度が速いんじゃないかと感じるほど。

お金がないのに、経済や価値が回転するなんてすごいじゃないか。全く新しい世界だ。これこそ資本主義や社会主義と並ぶ程の、新しく、すばらしい経済世界じゃないか。

お金を介さなくてもサービスを受けられる。情報のやり取りができる。なんてすばらしいんだ。

人や物やサービス内容や時間や場所に縛られない。なんて素敵な世界なんだ。

だからこそ、お金が全てと思っている人には、なかなかウェブの真の価値に気づいてもらえないのではないだろうか?

「ふぅん。で、それは儲かるの?」

この質問は、お金に変換してしか価値を測れないと自分で言っていることを示している。



リアルの世界では、物、情報、お金を持っている人がよりお金を得やすい経済状況になっている。

これがウェブの世界では情報を持っている人が、更に情報を集めやすい経済状況になっており、さらにその情報の多くはオープンで手に入れることができることから、出発時点での情報の有無にかかわらず大きく情報を集められる可能性が存在していると考えられる。


こうしたリアルの世界とウェブの世界は、お互いが完全に独立している訳ではなく、お互いに交わっている部分が存在している。そこでは、情報とお金の交換も頻繁に起こっているし、ウェブでもリアルでも存在する情報というモノから、「ウェブの情報→リアルの情報→リアルの物、お金」という変換を経て、ウェブの情報からリアルの経済をまわすこともできる。

もちろんこの逆の「リアルの物、お金→リアルの情報→ウェブの情報」という流れもあるだろうが、リアルの世界の情報は広がれば広がるほどその価値が失われていきがちなのに対し、ウェブの世界の情報は広がれば広がるほどまた新しい価値を生み出す可能性が高い。このような特性の違いから、ウェブ→リアルの方向には情報は流れやすくても、リアル→ウェブの方向には情報は流れにくいんじゃないだろうか?



はたしてウェブの世界はリアルの世界とくらべて、どこまで進化、拡大することができるのだろう? これからもウェブの世界に参加し、発展のために行動しながら、それを見守っていこうと思う。