ウェブ上で情報収集する


ITmedia アンカーデスク:検索エンジンが「ユーザーのその日の気分」を知る方法(中) (1/2)」を読んで。


Web2.0のキーワードの1つ「集合知」を情報の選別に利用しようとするソーシャルサービスの問題点を検証する。」ということで、情報収集について書かれています。

結局のところ、はてなブックマークが持っていた価値というのは、「ネット業界の狭い世界の中の人たちがブックマークしていた」ということだったように思える。つまりは一般のネットユーザーとは異なる狭いコミュニティーの中から集合知を生み出していたわけで、だからこそ一般のニュースサイトは異なる貴重なブックマークを抽出できたのだ。だから、はてなブックマークのユーザーが増えて母集団が増えて大衆化していくと、一般ニュースサイトと同じようなブックマークが抽出されるようになるのは、当然の帰結である。言い換えれば、はてなブックマークロングテールからショートヘッドへと転換してしまったということなのだ。

この辺のくだりはかなり同感。

そりゃあ、ネット上の新サービスにいち早く飛びつくような所謂濃いユーザーが多かった初期の頃に比べ、より一般な人も参加してくるようになれば、抽出されるニュースもより人数の多い一般の人が好みそうなものになるのは至極当然な原理で。全体から、多数決で抽出するという方法論そのままじゃそうなります。


記事中でも触れられていますが、

集合知=ソーシャル>から自分の必要な情報を得るという仕組みに限って考えてみると、その集合知の母集団がどのようなものかがかなり重要なテーマなのである。

ここが正にキーポイント。いかにして自分の欲しい、必要な情報を教えてくれる母集団にたどりつくかが重要なのだと思います。


必要な母集団さえ押さえられれば、別にわざわざソーシャルブックマーク全体からの集合知にこだわることもないんじゃないでしょうか。集合知はそれはそれで有効な場合もありますが、むしろ情報収集という観点から考えると、人々が欲しているのはもっと個々人の趣味、思考などに応じた特化された情報なはずで、それは全体の集合知とは相反する要素な気がします。

ミクシィは、ミクシィという単体の巨大なコミュニティーを形成しているのではなく、リアルの人間関係をそのままミクシィのサービス上に転写した小さなコミュニティーが数多く点在し、それら膨大な数の小コミュニティーの集積として成り立っている。だからソーシャルサービスをその中に持ち込んでも、母集団の巨大化によって希薄化しないのである。

ミクシィ上で自分にとって見たい情報が集まるというのは、ミクシィ上の情報というのが自分の知り合いであるマイミクシィを中心にして成り立っているから。前述の自分にとって必要な母集団が正にそこにあるわけです。この場合は「自分の知人」という枠組みでの母集団で、それに関する情報(日記やコメントなど)が非常に効率よく収集されています。


情報収集の術


多くの情報を集めたい人が使うツールとしては、最近だとやはりRSSリーダーでしょうか。さまざまなサイトがRSSを吐く様になったおかげで、それらをぽんぽんと登録しておけば、更新があったものだけをうまく抽出して自分なりにカテゴライズした上でうまく流し読みすることができるようになります。RSSリーダーはブラウザに搭載されていたり、ウェブ上のサービスだったり、自分のサーバ上で動かせるものだったりと、さまざまな形態な物が出ていますが、手始めに使ってみるのなら、ウェブ上で利用できるサービスが手軽でいいかも。

はてななら、はてなRSSがありますし、LivedoorのLivedoorReaderなんかはかなり出来が良くて利用者が多いです。



また、人々が情報収集しているものをうまく再活用する手段だったら、やはりソーシャルブックマークでしょうか。この場合には、うまいこと自分が必要としているジャンルの記事をマメにブックマークしているブックマーカーを見つけるのが吉。これは、今年に入って雨後の筍のように大量に新サービスが登場しましたが、使い勝手、ユーザー数、どれを見ても、はてなブックマークが一番こなれてるかな?


はてなブックマークの場合だと、「お気に入り」という自分のお気に入りブックマーカーを登録して、そのブックマーカーが集めたブックマーク一覧を見ることができる機能があります。これ、なんだかよく分からないから使っていないって人も結構いるかもしれませんが、要は自分が知りたい情報をブックマークしてくれそうなブックマーカーを登録しておけばいいんです。例えば、ある記事が気になってブックマークしたとして、自分よりも先にその記事をブックマークしている人とか、ブックマークしたときにいつもこのIDの人を見かけるなぁって人がそれに該当します。

他にも、毎日大量にある特定のジャンルの記事をブックマークをするアルファクリッパーなどと呼ばれるような人々も存在していて、それらの人をお気に入りに入れれば、特定のジャンルの話題を毎日あなたのはてブのお気に入りページまで配達してくれます(笑)


その辺はたまに話題になっていて、自分のお気に入りのブックマーカーを紹介してくれる人がいたり
suVeneのあれ: [はてブ]お気に入りの紹介
忘却防止。 - お気に入りのブックマーカーの印象を書き出してみよう


自分好みなブックマーカーを見つけ出してくれるツールがあったりします。
好みの近いはてなブックマーカーを探そう
はてブお気に入りサジェスタ



あと、はてなブックマークだと、ある人のブックマークのページを見たときに表示されているタグクラウド(その人が使っているタグ一覧、使われているタグほど大きな文字で表示されている)を見ると、その人がどういうジャンルの記事をブックマークしがちなのかが参考になることがあります。

例えば、私のはてなブックマークのページ「はてなブックマーク - hejihoguのブックマーク」の場合だと、全部で800弱使っているタグのうち、比較的大きめに表示されているのをざっと眺めてみると

あたりが大きめに表示されています。これらは、正に私が興味を持っていることとほぼ一致しています。

自分が気になるページを1万近くもブックマークして、更にタグ付けまでしてると、ここまで自分の思考が明らかになっちゃうかーってな感じはしますが、それはそれで自分を振り返れて面白くもあったりします。


ちなみに、このタグクラウドをクリックすると、その人のブックマークの中からそのタグを使っているブックマークのみを絞り込みしていくことができます。誰かのブックマークページに飛んだ際に、「この人が注目しているブログの話題のトラックバックに関するものを知りたい」とか思ったら、その人のブックマークページで、「ブログ」「トラックバック」ってタグクラウドをクリックすると、うまいことそれだけを知ることができます。

・・・そのブックマーカーがマメにタグをつけていたら、ですけど(笑)

上記の例だと、私のブックマークの場合は
はてなブックマーク - hejihoguのブックマーク/ ブログ/ トラックバック
ってな感じになります。



こういう情報収集するときの、「○○な情報は△△から得ている」って情報自体を共有するようなしくみって、ありそうでないものですね。人なり、サイトなりをうまくタグ付けすれば、そういう情報となりうる気がして、現存のソーシャルブックマーク上でもやろうと思えばできそうな気もしますけど。