ブログを面白く感じているわけ


RTCカンファレンス - イベント案内」を読んで。


RTCカンファレンスという勉強会議のお知らせなのだけど、そこにあった「最近ブログつまらなくないですか?」から始まる内容を見て思ったこと。

しかしながら、魅力的な文章でアクセス数を集めたブログの書き手たちはいつしかその熱量を失い、牙を抜かれた獣のように「丸い」文章しか書かなくなって更新自体も止まってしまうような姿が散見されます。

なんかここだけを読むと、本当に今のブログ全体がつまらなくなっちゃってる感じがしますが、日々あちこちのブログを見たり、自分でブログを書いたりしてる身からするとブログ全体がつまらなくなっている感じはしていません。



多くのアクセスを集めたブログの更新が止まってしまうのは、何も大手のブログだけに限った話ではなく、どのブログでも十分ありうる話。ブログを専業にしている人がブログ更新をやめてしまうようならよほどですが、多くの人がブログを自分の余暇時間を使って更新していることから、むしろ長い間コツコツとブログを更新し続けられる人の方がめずらしい。

限られたブログだけに注目していたら、ブログが盛り下がっているように見えるかもしれませんが、日々、あちこちのブログを巡回していて、ソーシャルブックマークなどでまだ自分が知らないブログを発掘していると、興味深いブログがどんどん見つかります。大きなアクセスを集めている人気ブログだけがブログじゃない。


また、時期を同じくしてトラックバックスパム悪質商法を促すようなブログ、SEO対策だけのために自動生成されるブログなどが増加し、ブログ本来のリンク関係や個人発言の信頼性、おもしろさがどんどんと失われて行きました。こうして、いつのまにか日本のブログは「なんだかつまらない」ものに成り下がっているように見受けられます。

これは本当に頭が痛い問題だけど、個人発言の信頼性やおもしろさが失われたわけじゃないと思う。スパムブログが増えたせいで、ブログ全体の価値や面白さは下がっているように見えるけれど、こういう状況の中でしっかり更新されているブログの個人発言の信頼性や面白さはかつてと変わっていない。


ブログを面白く感じているわけ


一番大きいのは、自分でブログを書いていることだと思う。15年前だと、自分が考えていることがあっても家族や仲間内、知り合いと語るくらいしか発言する場がなかったのが、今では自分でブログを持てばいくらでも好きなだけ自分が考えたことを語ることができる。

そして、それを読んだ人の反応がある。賛成、同意、疑問、反対、否定、いろんな感想や意見があるが、それが自分が何かを語ったことから生じたと思うとワクワクする。投げたボールが帰ってきた感。

反対や否定は読んでいて「むむ?」と思うこともあるが、何故そう思うのかしっかり書かれているものは自分に無かった視点や至らない部分に気づかせてくれる。



数年前と比べると、RSSリーダーが普及してきたおかげで、多くの気になるブログを効率的に読むことが可能になった。なんとなくテレビをつけっぱなしにしてぼーっと見ていた時間が、ブログを購読する時間に置き換わった。

ソーシャルブックマークが普及したおかげで、多くの気になる話題を発見することが可能になった。ソーシャルブックマークを人気のある話題を知るために使うってのは、電車の中吊り広告を見ているようでげんなりすることも多いけど、まだ多くの人に知られていないような良記事を見つけるために使うのは素晴らしい。

Twitterのようなミニブログと呼ばれるブログとはちょっと違った形態のWebサービスを使うようになって、よりくだけた形での、ブログにアップするほどではない話題、などを見ることができるようになり、そこを流れる情報から新しいブログを知ることも増えた。知っているブロガーが普段どんなことを考えているのか見るのも楽しいが、Twitterで知った面白そうな人がどんなブログを書いているかを見るという逆パターンもできた。



ただ読むだけじゃなくて、自分から積極的に何かを探しに行ったり、自分で何かを書いたりする人にとって、ブログは面白くあり続けるのだろう。