Webはじわじわと広がり続ける


Geekなぺーじ : Webは何故こんなに広くて狭いんだろう」(via まなめはうす)を読んで。

各項目は参照記事からの引用で、それについての感想を。

  • Webに存在するコンテンツは、無限に広がっているはずなのに、定番で巡回するサイトはいつも同じ
  • Webに存在するブログは無数にあるはずなのに、いつのまにかRSSフィードに登録したものしか見なくなっている
    • Webに存在するコンテンツの無限とも言える量に比べて、人が巡回して見て回れるサイトの量なんてごく一部。観測範囲を広げるのって難しい。見た記事からリンクを辿ったり、多人数による評価で話題の記事が上がる系(ソーシャルブックマークなど)のWebサービスから普段見ないサイトを発掘していくのは大事。
  • 検索できる単語には星の数ほどの組み合わせがあるのに、検索してる単語はいつも同じ
  • 数え切れないぐらいのWebサイトがあるはずなのに、検索結果で見た事があるサイトをよく発見する
    • 多くの検索エンジンが被リンクを検索結果算出の大きな指標としてるので、有名なサイトほど検索結果上位に出やすくなる。つまり、長く続けて知名度が高くなってるサイトほど有利に。
  • Webの世界で生きている人は凄くいっぱいいるはずなのに、イベント等で会う人は偏ってる
    • オフ会なんて言葉が結構日常的に使われる様になった今でも、実際にネットを通じた人との付き合いを行う人はまだ少数派。イベント等にまで参加する強者は限られてるので、毎回同じメンツになりがち。
  • 恐ろしい数のユーザがいるはずなのに(例えばはてブとか)、目立っているのはいつも同じ人達
    • 同じWebサービスを大量に長く続けて行ける人は本当に少ない。目立つってのは、そのサービスをがんがん使ってて人の注意を引く様な行動や発言を行ってるユーザーで、その極みに達することが出来る人ってのは、ある意味で特異な存在なのかも。そして、目立てば目立つほどより周りに注目されるという効果はここでも有効。
  • 莫大な閲覧者(ユーザ)がいるはずなのに、皆同じ口調
    • なんとなく楽しそうな雰囲気は伝染する。長年付き合ってるカップルの行動が似てるのと同じく、同じ場所(Webサービス)に集まる人の行動、口調は同じになりがち。
  • 人の数だけ話題があるはずなのに、ほとんどの人が同じ方向を向いている時がある
    • 大勢が同じ方向を向いてると、横を見てる人や後ろを振り向いてる人が群衆に隠れて見えなくなる。別に話題がなくなってる訳じゃなくて、見えにくくなってるだけ。
  • 無限に広がるWebの世界への入り口として私が使っているのは、既知のサイト(記憶)/検索エンジン/ソーシャルブックマーク/ブログ/いくつかのポータル、ぐらいしかない
    • Webの世界の入り口は数多くあれど、それらを複数使いこなす人は少ないし、新しい物に興味を示す人もそんなに多くない。世の中の大半の人達はYahooのトップページひとつを入り口にしてる。
  • 無限に広がるインターネットの入り口で、半径1クリックの呪縛から逃れられず、ブログのネタに困窮する自分がいる
    • 情報収集に関するさまざまなWebサービスが広まった今、何か面白いネタがあってもそれはあっという間にネットに浸透する。手作業更新によるニュースサイトだと1日〜1週間程度だが、ソーシャルブックマークミニブログの発言分析などでは、数分〜数時間くらいの短い時間で話題が拡散するのが観察される。ブログのネタを見つけようと思ったら、ネットの外の世界(日常生活、テレビ、新聞、雑誌)から引っ張ってくる方がいいのかもしれない。もしくは0から自分で考えて作るか。
  • インターネットを狭く感じさせているのは自分自身という事実にあらためて愕然とする
    • インターネットが狭く感じるってのは、情報の伝達速度が上がったせいで、どこまで行っても同じ話題や同じ人を目にするのが、まるで釈迦の掌の上の孫悟空みたいに感じられるってことなのかと。情報収集の手段は増えても、時間は有限だし、人が処理できる情報量も限られているので、それを超えて世界を知る事はできない。

いろんな情報がかつては考えられなかった速度で知る事ができるようになったって点を見れば、インターネットは狭く感じるのかもしれない。世界中の情報がどこに居ても瞬時に分かってしまうという距離の短縮。

一方で、自分が知りたい事を調べていて、ネット上でその答えを見つけられなかったとき。そんなときには、まだまだネット上にない情報がたくさんあるんだな、ってので、やはりインターネットの狭さを感じる。これは、世の中に存在しているはずの情報を網羅できていないという情報不足による狭さ。



ネットを長く使い続けていて、自分の考えや行動、知識などをさまざまな方法でいろんなWebサービスを通して公開してるってのは、ネットをそれほど使っていない人からすると意味不明な行動なのかもしれないけど、ネット上にいろんな情報をアップすることで、自分が感じるネット上の狭さを解消しようという行動なのかもしれない。



自分にとっては当たり前の情報でも、それを知らない人はたくさんいるかもしれないからアップする。

どこかで見た情報は、単にそれをコピーするだけではつまらないので、感想でも付加情報でもいいから自分なりのオリジナル部分を付加してアップする。

誰がどんな情報を欲しているかなんて知りようがないので、自分が興味ある情報を片っ端からアップしていく。



そういう狂った様に情報を発信し続ける人達以外も、少しずつではあるけどネット上に参加するようになってネットを広げて行く様になっていく。掲示板に何かを書く、SNSに参加する、レビューやコメントを書く、ひとつひとつの情報は小さくても、それらは確実にネットを広げていく。



そうやって、多くの人達が無意識的に日常、ネット上で感じる狭さを解消し続けている。ネットはそうやってここまで広くなってきたし、これからも広がっていくんだろう。