ブックマークはさせられているのか、しているのか


ブコメ要約とコメント - mtx-hoge - 断片部」を読んで、

はてなブックマーク関連話を引き続き。

ブコメにも書かれている方がいるけど、favする側が「ノイズも面白い」と思っても、favられる側の意識として「尻画像クリップするけどごめんねー」というのは、あるわけだ。

そこを統計的に「ノイズも面白いよ」と乗り切ってしまうのがいまの?Bの使われようだとは思うのだけれど、それはほんとにただひとつの解答なのか。他の可能性を構想しといてもいいんじゃないかと、思う。

ブコメ要約とコメント - mtx-hoge - 断片部

まず、前段の「尻画像をクリップするけどごめんねー」ってのは、そう思ってブックマークしてる人とそう思わないで自分の好きにブックマークしてる人がいます。私は後者。


で、「ノイズも面白いよ」と乗り切るってのは、Favの利用法の一種。それは、現在のはてブの実装における使いこなし方。もちろん、それ以外の使い方もあるだろうし、他の可能性を構想するのもいいとは思うんだけど、そのときにいちいち「ノイズも面白いよ」的な使い方を否定するところから入るので、話がややこしくなってるような。

別の機能が実装されたらこういうこともできるよね、でいいのに、現在活用してる人を否定するから話が混乱して、しかも「それはおかしいっしょ?」ってツッコミが大量に釣れてしまう。


アルファブロガー」ほど見通しがよいわけではないけど、favの連鎖によって、全体的にだいたい中央の方を向いているfav関係図が描けると思うの…だ(誰か調査してください)。アルファブックマーカーからの伝播速度が半端ないことから推測するに。

ブコメ要約とコメント - mtx-hoge - 断片部

「あるブックマーカーが、別のあるブックマーカーの後にいつもブックマークする傾向がある」的な方向性は、お気に入りの連鎖によってある程度あるのだろうけれど(いくつかのはてなブックマーク解析サービスでもそういう傾向は示されてます)、だからといってブックマークを多く集めているエントリの全てがアルファブックマーカー由来な訳でもない。あくまでも影響力が大きい程度。


ともかく、くだらないエントリに群がるように見えるからユーザが本性として愚かだとか、傾向が偏っているということではない。そうさせられているに過ぎない。いやまぁ個人個人が愚かで偏っているのかも知れないけど、愚かさをうまく調整しながらよい方向に向かう方法が、他にあるかもしれない。それをやるのがデザインであり実装なわけだ。

ブコメ要約とコメント - mtx-hoge - 断片部

現状のはてブを語るとしたら、現在のはてブでできることを皆がどう利用しているのかという視点でしか語れない。愚かとか良い方向とかいうのを語るなら、何が愚かな行為で、何がよい方向なのかを語らないと始まらない。



ブックマークってさせられるものなんだろうか。自らでするものなのだろうか。させられているってのは、第三者的な立場から見た印象に過ぎないんじゃないだろうか。

個人個人は、自分の見た範囲の記事について、何かしら興味があったり、単にあとで読もうと思ったり、ブクマコメントつけようと思ったりしたときに、自らの意思でブックマークしている。何もブックマークを強要されて行っているわけではない。デザインや実装で変わるのは、それぞれのユーザーに見える範囲であり、それによって結果的に残されるブックマークの種類、傾向も変わる。


「関心」という観点からみたはてブ


mutronixさんが語る「関心」というブックマークのまとめ方は、私自身も似た様なことを考えることがある。単純に各ブックマークにどれくらいの強弱で興味を抱いているか?ってのもあるし、ある特定の話題についてブックマークをまとめるというのもある。



前者はiTunesで曲ごとに好みを評価できるレートのしくみと似ている。レートによって点数をつけてお気に入りに可視化されるブックマークが表示できるモードがあれば、ブックマークは全てがフラットな状態から各ブックマーカーの採点による浮き沈みがはっきりと分かる形になるし、レートがプラスマイナスの視点で付けられる様になれば、更にその傾向は高まるかもしれない(もしかしたら、よりカオスになるだけかもしれないし、単にメジャーな思想ばかり浮かんで来てつまらなくなるかもしれない)。



後者はやり方によっては現在のタグでもできるが(まとめたい話題に名前をつけてそれをタグとすれば良い)、単純な意味のジャンル分けとは違う概念。はてブでそれに近いことをやるマッシュアップサービスを作ってた人がいたような。ちょっと名前を失念してしまいましたが。


これができれば、例えば無断リンク禁止に関する話題を取り上げるとして、単純に無断リンク禁止の全ての事例をタグでひとくくりにするだけでなく、200X年のXX月頃に○○ブログサービスのとある記事を中心に巻き起こった無断リンク禁止論争の話題、という視点でも記事をブックマーク、分類できることとなり、関連記事を読みたい人には非常に参考となる記事集団が可視化されることになる。


今でも「敢えてタグをつける人は継続的な関心があるのだろう」という暗黙の前提はありはする。このユーザーさんのなんちゃらというタグが面白い、とか。でもなんでそこがタグ付け→絞り込みなんだっていう。折角、人というフィルタを通してるのになんでまたフラットに戻しちゃうわけ? 新刊書を人がチェックしているのに、次から次に書庫に放り込んでるような感じを受けるのだけれど。

ブコメ要約とコメント - mtx-hoge - 断片部

「関心」って概念が実装されたとしても、タグ付け→絞り込みが「関心」→絞り込みになるだけではないの??


最後の例えで言えば、新刊書を人がチェック(ブックマーク)下あとに、後から参照しやすいようにライブラリ化(タグ付加)したり、簡単なメモ(コメント)を残して、専用書庫(全体書庫ではない)に並べる行為がブックマークなのだと思うのだけど。要は誰々さんが○○というタグを付けたブックマークという絞り込みが参照できればいいってこと? 



「またフラットに戻しちゃう」ってのがどうも良くわからない。


本当に分散的なら(それを指向してUIの設計をしているかというのも含めて)、一つのエントリが数日で1000ブクマされるということはあんまり起きないと思うんですよねー。
(コメント欄から)

ブコメ要約とコメント - mtx-hoge - 断片部

はてなブックマークでどの記事が浮かび上がってくるか?という点において、そのブックマークを下支えしてる始めにブックマークした数人のブックマーカーが記事ごとに全然違う、というのは分散的。

注目のエントリー、人気のエントリーなど、はてブを情報源として利用する人達が閲覧対象とするページにある記事が入る度にブックマークに加速が付き、特に人気のエントリー入りするとグンとブックマークが伸びるというのは、大勢のユーザーが人気エントリー依存しているという意味で中央集権的。




この手の話題を語るときには、単なる自分の印象論だけじゃなくて、本当のブックマークデータを元に語れれば一番いいのだけど、その手のデータはなかなか出てこないだろうし、集めるのも大変だよなあ、といつも思う。