iPhone3GSまでと別次元の表現力になったiPhone4


iPhone4が届いてから一週間余り。いろいろと使ってみて、それまで使ってたiPhone3GSとの違いも見えて来たので、気づいた違いなんかをレビューしていきたいと思います。あ、今はiPhone3GS、iPhone4、iPadを1:6:3くらいの割合で使ってます。


まずは、一番変わったと思われる液晶画面について。


一番の差はやはり高精細ディスプレイ


基本的に「iPhoneを使ってできること」という部分はiPhone3GSとそれほど大きな差がないiPhone4だけど、液晶が高精細になった(3GSの480x320から4のRetina液晶yは960x640)ってのが、使ってても一番感じる違い。

ただ、この液晶の変化、iPhone4の高精細液晶表示に対応していないアプリだと堪能できないし、UIとか画面構成的にあまり高精細が生きないアプリってのもあります。


パッと見で分かる写真や動画のハイクオリティさ

例えば、写真や動画の表示は分かりやすい。写真はこれまた高機能になったカメラで撮影したものでもいいし、webに掲載されている画像を見ても随分と受ける印象が違う。はっきりくっきり細かい所まで見えてる!という。


動画はもちろんiPhone4のカメラで撮影したのでもいいし、youtubeがHD対応してるのでHD動画を検索なんかで探して見てもいい。アナログテレビ放送が地上デジタルやBSデジタルになったのをHD液晶テレビで見てる感じに似てる感覚。

自宅のNASに手持ちのDVDをリッピングした動画を保存してて、それをAir Videoで飛ばしたり、直接iPhone4に入れたりして見てるけど、640x480相当サイズで取り込んでる動画でも十分綺麗に見えます。



また、見るだけではなく、カメラで撮影する方も、カメラの撮影素子が裏面照射型CMOSになったことで暗い部分にかなり強くなっていて、より見た目に近い状態で撮影することができます。室内などのちょっと暗めなシーンではiPhone3GSとiPhone4の撮影画像はかなり違います。




iPhone3GSで撮影した画像




iPhone4で撮影した画像


Safariで見るwebがより分かりやすく


見たい部分をダブルタップすることで画面に最適なサイズに拡大縮小してくれるというUIのおかげで、iPhone上のsafariは携帯電話のPCサイトビューワーなんかでwebブラウズするのと比べると、格段に快適なwebブラウジング環境を提供してくれていました。

ただ、それなりに横幅があるページや見出し一覧のようなエリアを見るときは、文字をもうちょっと細かいところまで表示してくれたら見やすいのに・・・と思うことがiPhone3GSではよくありました。



iPhone4では、こういう場合でもばっちり細かい部分まで読めるので、快適だったwebブラウジング環境は更に快適になりました。ただ、あまりに表示が細か過ぎるので、じっと細かい部分を読んでるとちょっとしかめっつらになってしまうのですが(苦笑)



asahi.comを見てみたときの違いはこんな感じです。



iPhone3GS (320x480)



iPhone4 (640x960)

ここでは、両機種のスクリーンキャプチャを同サイズにしてますが、クリックして拡大表示してみると違いが分かりやすいです。


高精細液晶は電子書籍に向いている、というか必須


iPadが発表なってから、日本でもにわかに活気づいている電子書籍ですが、iPhoneでいくつかの電子書籍を試してみた時に感じてた不満は、やっぱり解像度の低さからくる情報量の低さでした。



コミックだと一ページ全体を表示すると吹き出しの文字が読めなかったり、一コマ一コマが小さすぎて見づらく、かといって拡大して読むと、携帯電話のコミックビューワーのように自動でコマ送りをしてくれるような形式じゃないと不便で読めたものじゃない。

また、テキスト主体な電子書籍だと、iPhone3GSまでの480x360の解像度の画面の中で一度に表示できる文字数は少なく、ひたすらページ送りをする羽目になって、これまた読みにくい。



これが、iPhone4で高精細液晶になりそれに対応した電子書籍を読むと、コミック・テキスト主体な電子書籍で感じていた不満点はほぼ解消されてるのに気づきました。ものすごい読みやすいんです。これは、電子書籍を実現するのに、一ページの表示解像度は今のiPhone4(960x640)くらいないと不便だってことなんだと思います。



ただ、見やすいことは見やすいのですが、この高精細な液晶は年配な方々、特に老眼な人には読むのがつらかったり、高精細な部分まで見えなかったりしそうです。あと、解像度に対して画面が小さいので、見えてる人でも長時間見てると目や肩が疲れそう。

この点では、iPadの1024x768という解像度と9.7インチというサイズは、電子書籍などを読むことに対して考え抜かれたサイズと言えるのかもしれません。


画面の綺麗さは感じる個人差が大きい部分かも


とまあ、高精細になった液晶がiPhone4を使ってて一番印象的な部分なのですが、ここは受ける印象の個人差が大きい部分でもあります。



ゲーム機の話してても、PS2PS3で何が変わったか分からないと言う人とかいませんか? HD液晶で見比べれば、PS2PS3ではもちろん違いはあるのですが、PS2でもう既に十分綺麗すぎると感じている人にとっては、それ以上に画面が綺麗になったPS3でもほとんど違いを感じないようです。

画面の綺麗さ、高精細さにこだわりが無い人やすでに十分iPhone3GSで綺麗だと感じていた人だと、iPhone4になってもあまり違いを感じないのかもしれません。


iPhone3GSまでとiPhone4以降で別れる表現力


iPhoneの液晶画面はいつかは高解像度にアップするんだろうな、と思っていましたが、480x320から一気に縦横2倍ずつの960x640にしてくるとはちょっと予想外でした。

でも、1024x768の解像度なiPadを出した今こそが、高解像度へと液晶画面を進化させるいいチャンスだったのかもしれません。



画面解像度が480x320から960x640/1024x768へと大きくなることで、一画面で見せられる表現力は格段に上がっており、これから来るべき電子書籍時代へ備える意味でも十分な進化だったと思います。iPhoneとしては、これ以上高精細液晶にする必要はないでしょうし、iPadが仮にもっと高精細液晶を搭載するとしても、まだまだ先の話だと思います。



iPadは年齢を問わずちょうど使いやすい大きさの画面、iPhoneはこれ以上は必要ないと思われる高精細さでiPadと同じくらいの解像度ながらも、画面表示に高級感を感じます。こう、細かくびっしり表示されている!というのが。