投げ銭システムによって広まるインターネット大道芸人社会


昨日、はてなブックマーク投げ銭システムが実装されました。
■ポイント送信機能の追加について
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これは仕様が公開されており、はてな外でも作者のはてなアカウントが認識できるようにしておけば、投げ銭を受け取ることが出来るようになっています。ごくごく小額でのやりとりを簡単に行うことができるこのシステム、今後非常に重要な役割を果たすようになるのではないかと思っています。

投げ銭によるコンテンツへの評価

いままでは、インターネット上で非常に参考になるサイト、感動する内容なサイト、考えさせられるサイトなどに出会い、そのコンテンツ作者に対価を払うに十分値する内容だなぁと思っても、それを行えるすべはありませんでした。

自分でホームページを持っていたり、ブログを作っていたりする人は分かると思いますが、ネット上で文章を書くと言うのは意外と時間や労力がかかったりするものです。ブログを更新していると、いろんな人に自分のサイトを見にきてもらえるというのがサイトを更新する活力になります。報酬を求めてネット上に情報を公開しているなんて人、現在ではそのような仕組みがほとんどないため少ないと思いますが、投げ銭のような形で報酬が得られるというのは見に来てもらえたということ以上の「あなたの公開した内容が非常に参考になった」「内容がすばらしかった」「感動した」という意思表示であり、ますます更新の意欲が増すことになると思います。

この仕組み、うまく回れば

  1. 素晴らしい記事がアップされる
  2. それに対し、投げ銭(評価)が集まる
  3. コンテンツ作者は次も素晴らしい記事を書こうという意欲がわく
  4. 1に戻る

という、正のスパイラルが回り、インターネット上に今以上に良い記事が公開される可能性を秘めています。

この正のスパイラルは

・楽しい嬉しいツイてる毎日

・楽しいからブログの更新もウキウキ

・楽しんで更新するからコンテンツの質が上がる

・コンテンツの質が上がるから、読者も楽しい

・読者も楽しいので、はてなポイント投げ銭

投げ銭してもらって、嬉しい楽しいツイてる!毎日

最初に戻る

でも同じような考察がありました。


また、現在ではGoogle AdSenseAmazonなどのようなさまざまなアフィリエイトを利用して、広告を通して間接的に報酬を得る手段しかなかったのが、投げ銭システムだと直接書いたものへの評価として報酬が得られるようになります。

例えば、皆さんが本を買うときのことを考えてみてください。その本に書いてある内容を読みたいからお金を払って購入して読むんですよね。場合によっては、読んだ後に払った金額分の価値はなかったな、と後悔することもあるかもしれません。

でも、投げ銭システムなら記事を読んだ後に投げ銭を行うという形から、自分で納得した評価を与えることができます。このしくみが将来的にインターネット上で広く広まった場合、内容に自信があるのなら本を出版するよりもインターネット上で公開する方を選ぶ、という人も出てくるかもしれません。本にはどこでも自由に持ち運べて読めるという利点があるので、すべてがインターネットに移行することはないでしょうが、今後そういう方向に進む可能性は十分に考えられます。


インターネット上の情報は無料であるべきだ、という風潮もありますが、すばらしい記事に対しては報酬を伴う評価を行える、という仕組みはこれからのネットの発展に必要ではないでしょうか。ネットで有用、素晴らしい内容が読めるのは、それを提供してくれるコンテンツ作者の人がいるからであり、それを今後も続けてもらうモチベーションをあげるために、投げ銭システムは有効な方法論だと思います。

売れ筋の商品を紹介するブログや、個人の余暇に支えられたブログだけでなく、書籍が出たら買ってしまうような内容や、生活を賭けて書かれた作品さえもブログで読めたらどんなに良いでしょう。

こうした世界を実現するためには、読者が何らかの方法でコンテンツに対する適切な報酬を支払う仕組みを実現しなければなりません。そうしなければ、誰が生活を賭けて文章を書くでしょうか。

にもあるように、素晴らしい内容のコンテンツを提供してくれる人に報酬を与えるしくみが、それもコンテンツに直接評価を与える形で行われるのが、インターネットならではっぽくていいんじゃないでしょうか。



ソーシャルブックマーク投げ銭が繋がる意味


インターネット上にアップしたコンテンツが人に読まれるためには何が必要か。


まずはそのコンテンツが存在していることに気づいてもらう必要があります。はてなダイアリーなどのようなブログサービスでは、そのサービス内で最新の更新を知らせる機能や関連記事を紹介してくれる機能がありますから、自分で自宅サーバなどでサイトを公開している場合にはpingサーバにpingを打ったり、検索サイトにクローリングしにきてもらったり、登録したりと涙ぐましい努力をしないと存在に気づいてもらうことさえできません。


ソーシャルブックマークでは、さまざまな人がクリッピングしたサイト情報を共有しあうことによって、関心がもたれている記事を吸い上げるという仕組みになっています。ブックマーカーがその記事につけたタグからサイトを探すこともできるし、また信用のおけるブックマーカーのブックマークを参考にするなんていう使い方もできます。これは、見方を変えればインターネットという世界における編集者(いい例えかどうかは微妙ですが)をブックマーカーが担っているとも考えられます。

ブックマーカーは自分が興味のある記事を探し出し、どんどん拾い上げていく。より多くのブックマーカークリッピングされた記事はより多くの評価を得ているということで、どんどん人の目に触れやすいランキング上位へと上がっていく。

現在はまだソーシャルブックマークがそれほど多くの人に普及している訳ではなく、ネットでの流行の先端にいる人たちが使用しているために、集まってくる記事もそういう人たちの好む内容のものが多いですが、今後もっとソーシャルブックマークが広まって、より多くの人がブックマークを提供してくれるようになれば、さまざまなジャンルにおいて、よい記事を集めるというこの仕組みが回りだすはずです。(そこに至るまでにはいくつか乗り越えなければならない壁はありそうですが)


先ほど、ブックマーカーを「編集者」と例えましたが、その場合に執筆者であるコンテンツ作者に支払われる「原稿料」に相当するのが「投げ銭」ではないでしょうか。

ソーシャルブックマークであるはてなブックマーク投げ銭システムがついた、というのは、各コンテンツへの誘導を行うソーシャルブックマーク投げ銭を入れるための空き缶を設置してくれた、ということであり、投げ銭がどこかで現実の金銭とリンクしていないといけないことを考えると、システム側で空き缶を用意してくれるという意味は非常に大きいと思います。



また、投げ銭というと、どっちかというと大道芸人が行うパフォーマンスに対して支払われる報酬ってのを想像してしまいますが、パフォーマンス的なコンテンツで評価を得ているサイトも多数あるのを考えればそういう捉え方もそう外れてはいないのかもしれません。



あぁ、素晴らしい大道芸人になりたいなぁ(笑)






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■投げ銭システムをもっと考えてみた