人はなぜ検索エンジンを利用するのか?


web2.0とブログの可能性 ビジネスキーワードの占領思想」を読んで。

この10枠が年間1千万円〜1億円の価値があるというビジネスキーワードの価値感は、ネットショップを展開し、その上で、検索上位表示を展開・維持し、利益を出しているサイトの運営者でないと理解出来ない。単なる個人の趣味サイトでは全く理解できない。

確かに実際にネットで何かしらの商売をし、そこから収益を上げている人・企業でなければ、検索エンジン上位に表示されることの優位さは実感できないでしょう。そういう現象がある、ということは理解はできますけど。

ビジネスに検索エンジンを利用する人々にとっては、検索エンジンの出力結果上位に表示されることの重要さが非常に高いことは分かりますし、それに向けてさまざまなSEOが行われているのも知っています。



ちょっと視点を変えて、検索エンジンを利用する大多数の一般ユーザー側で考えたらどうなるでしょう。

一般ユーザーはもちろんビジネスチャンスとかはどうでもよく、単に自分が検索エンジンの検索窓に入力したキーワードについて、より良い情報が載っているサイトが上位に表示されれば良い。むしろ、そこをビジネスチャンスのために是が非でも確保しておきたい!というようなサイトに占有されているのは、単なるスパムサイトと変わらないわけです。

自分が知りたいキーワードについての情報は少ないのに、なんでこんなサイトが検索結果上位に表示されているんだろう?と人が気づきだせば、そもそも検索エンジンへの信頼が薄れ、それは検索エンジン上位に表示されることの価値も減少していくことを意味するでしょう。

過度なSEOは無駄。スパムとなる。
確かにそうだ。
しかし、莫大な利益を得られる1枠が手に入る事が理解した時点で、熾烈なスパム競争に変化する。当事者は適切なSEO対策をしていても、高度で専門家された特殊技能のため、また、大規模に組織的に展開しているため、他社から見れば、スパムとしか認識されなくなる。
※ここでの「スパム」という表現は、プロ対プロの戦いを意味し、素人の戦い方との区別を意味します。信長王2.0の独自表現です。

その「スパム」の使い方はどうにもなじめないので、私は「SEO」と置き換えて読んでいます。

インターネットの目指している場所というがもしあるとすれば、プロとか素人とか関係なく、有益な情報がそれを探している人のところに正しく届くという状態なのではないでしょうか。ビジネスとかそういうのは関係なく。

もちろん、検索結果上位に表示されることからビジネスに結びつけるのはアリだと思いますが、ただ検索結果上位に表示されることだけを追い続ける行為は単なるスパム(迷惑検索結果)でしかない。SEOももちろん重要だけど、中身の充実なしにそれだけは有り得ない。サイトの中身の充実が主でSEOは従、おまけ。

良質なリンクと数
毎日更新
高度で専門家されたSEO技能

このような3点は、この3点を有していない企業から見れば、スパムと写る。

やっぱりスパムの使い方が特殊すぎる・・・。「良質なリンクと数」「毎日更新」「高度で専門家されたSEO技能」を有したサイトが検索結果に表示されるのは、もちろん当然です。それは検索エンジンが目指すところに沿っているから。

でも「このような3点は、この3点を有していない企業から見れば、スパムと写る。」って言うのは、あまりにその企業が自己中心的な考えすぎる。その3点は、検索結果上位に表示されたくば行わなければいけないことであって、一般の人が「スパム」と言ってイメージする「迷惑メール、迷惑サイト、関係のない宣伝、広告の押し付け」とはまったく違う。

一般人のイメージする「スパム」とnobunagaouさんが考える「スパム」の意味が違いすぎるにも関わらず、あるい意味では同じような扇動的なイメージで使っていたり、読む側としては非常に奇妙な感じを受けます。


私自身、ビジネスキーワードでは、10枠中、6枠を獲得するため、日々努力している。目標としている。理解できるのだろうか?この価値感はスパムなのか?
ある日、突然、検索結果から外されても良いように。

検索キーワードの内容についての情報が多く含まれている良質なサイトなのだったら、それは正当なSEO行為。ただ、検索結果上位に表示されることだけを目指してSEOしてるのなら(一般人の思う)スパムサイト。検索エンジンはビジネスのためだけの場ではない。


検索エンジンの出力結果は、SEO対策を施すことである程度意図的に操れるのはnobunagaouさんは自ら実践しているから、よくお分かりだと思う。でも、SEO対策に執心する余りに肝心の内容が検索結果上位に表示されるにふさわしいものとするための努力はどうだろうか?

検索エンジンがビジネスの場として有効になってきたのは、多くの人が検索エンジンを使うと自分の知りたいキーワードについての情報が得られると知ったから。でも、検索結果に表示されるサイトが自らのビジネスチャンスのためにその検索順位を確保するようなサイトばかりになったら、そしてそこに求めている情報がなかったとしたら、、、ユーザーは簡単に離れていくだろう。

むしろ中身がない状態で検索結果上位を維持し続けるのは、その人・企業にといってもマイナスイメージになると思う。


だからこそ、SEO対策ももちろん大事かもしれないが、それ以上にサイトの中身だったり、情報、製品だったりを充実させることを怠ってはいけないと思う。