なぜ若者が仕事を辞めたくなるのか?


[を] 若者はなぜ3年で辞めるのか?」を読んで。


紹介されている書籍(若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書))は読んでいませんが、同世代〜下の世代を見るに数年で職場を変えてしまう人が多いのは実感として感じます。では、なぜ数年でその仕事を辞めたくなるのか?


多く言われる「本人の希望と仕事内容のミスマッチ」ですが、これって別に最近になって増えた話ではなく昔からあった話。ただ、昔はひたすら耐えるしかなかったのが、最近ではネット上でいろいろと情報を知ることができたり、転職しやすい状況になってきていたり、もしかしたら若者のこらえ性が無くなったってのもあるのかもしれません。

最近の若者は刹那的に生きているなんて言われてたりしますが、今の日本の現状を見て、将来どうなるかって考えたときに、自分たちが年老いたときまでまともにこの日本社会が続いているとは思えないのに気づいてたら、そりゃ刹那的に生きたくもなるよなぁ、と。どう見ても破綻している年金、一向に減らず増え続けるばかりの日本の借金、やれゆとりだ、体罰は全ていけない、学校への過度の期待で崩壊し気味な教育の現状、どこを見ても明るい明日は見えません。でも、若者はそれを変えるだけの力もまだ持っていません。


仕事に関しては、バブル時期の不景気を乗り切るためにリストラや合理化に走り、それが故に人材不足だったり、社内で教育をするという文化を失ってしまった企業、どんどん定員を増やし学生を増やしまくったせいで、教育が行き届かなくなった大学、ここでも子供の教育と同じで、どっちが教育をするかで責任の擦り付け合いが起こっていて、当の若者たちはろくな教育も受けられずといった状況。そして、少なくなった人員で仕事をきりもりするために、過剰な労働量を強いられたりするわけです。サービス残業、サービス休日出勤、サービス出張・・・。


成果主義導入でどんどん年功序列が崩壊しつつある今、むしろ長期的に同じ職場で働き続けるメリットってなんなのだろう?って考えてしまいます。


かといって、日本の労働状況は、まだ転職する人々をしっかり受け入れられるだけの土壌ではなさそうです。スキルアップで、もっと自分を生かせる仕事に転職!なんてのは、転職情報誌のうたい文句であって、現実は現状の過酷さに耐え切れずにやむを得ず転職って方が多そう。