音楽に続いて映像もネットでの利用が進む


J-CAST ニュース : 「見る時間減った」が4割 テレビがネットにやられる」を読んで。

ネットの利用が長いネットユーザーほどテレビ視聴からネット上の動画共有サイトでの動画閲覧へと移ってきている今、テレビからネットへと動き出したユーザーの流れはもう止まらないでしょう。

さかもとさんは、「いい感じ」の理由として、「数多くの番組がキーワード検索によって探せる」「視聴期限までの間であれば、好きなときに視聴できる」などを挙げる。これらの特徴は、映像をいつでも検索して見ることができるというネット動画の"オンデマンド"性だ。

同じ時間を費やすのなら、ただ流されているテレビ番組を漠然と見るよりは、自分が見たい番組・動画を検索で探して見る方がいいのは当然。しかも、放映時間など気にせず、好きなときに視聴できるってのも、時間に追い回されている現代の生活にマッチしています。

コンテンツも過去数十年分の大量なコンテンツが存在する今、テレビ局側がなかなかネット対応の道を進めようとせずに今までのテレビ放送のしくみに固執してるうちに、ネット側の技術的な問題はほぼ解決してしまい(ネットのインフラの問題や、再生するPCのマシンパワーなど)、テレビからネットへのコンテンツの流出は止まりそうにありません。


ネットでの音楽配信もそうでしたが、ちゃんとユーザー側が対価を払って視聴できるしくみを作れば払いたいと思うユーザーがいるにも関わらず、一向にそのしくみを提供せずにいるというのは、せっかくの販売機会をひたすら失い続けていることになります。

もっとも、ネット動画では、画質の低さなどがまだ普及のネックとなっている。錦戸さんは、「放送をブロードバンドで視聴するIPTVサービスの利用者は、まだ2%程度。今は、ユーチューブやギャオのような動画メディアが主流になっています。テレビがネットに飲み込まれるかどうかを言うのは、まだ難しい状況ですね」と話している。

そりゃ、地上デジタルみたいなハイビジョン放送と動画共有サイトを比べたら、テレビ放送の方が画質は高いのでしょうが、普及のネックはそこではなくて動画共有サイトに気づいてない、もしくは自宅に動画共有サイトを見ることのできる環境がない(高速回線+PC)ことじゃないでしょうか。

多くの動画共有サイトで見ることのできる動画の画質はだんだんと向上しており、アナログ放送を古いテレビで見るのに比べたら、動画共有サイトの方がずっと綺麗に映像を見ることができるなんてこともごく普通になってきています。



こういうネットでのコンテンツ視聴に関する環境において、日本は大きく海外に遅れを取っています。音楽配信のときもそうだったし、地上デジタルの録画方式も1回限り可から9回まで可などという何の解決にもなっていない変更でお茶を濁そうとしてたり。テレビ放送業界は、コンテンツはそれを見たいというユーザーがいて初めて意味を成すってことを忘れてるんじゃないだろうか?

今可能なことが出来なくなる不便さ(録画環境)、方式変更によるコスト支出、見たい動画を見たいときに見られる動画共有サイトの存在、これら全てに打ち勝つだけの力がテレビ放送にあるかどうか。今後数年でそれが問われるのでしょう。