放送業界とAppleとの戦い

本日アップルは、来シーズンの NBC テレビ番組をオンライン iTunes Store では発売しないことに決定したと発表した。これは NBC が、契約延長に応じないことに対するものだ。NBC は番組1エピソード当たりの卸価格を倍以上にすることを要求、それにより消費者への小売価格は現行の 1.99 ドルから 4.99 へ跳ね上がることになるのでアップルとしては呑むことが出来なかった。

1.99ドルから4.99ドルに値上げされたときの売れ行きの減少具合って尋常じゃないと思うんですが。それでも売り上げが維持、もしくは上昇するような見通しをNBCは持ってたのでしょうか。

どんな企業でもインターネットで自分のところにひとを集められると考えている。しかし現実には、消費者が自分の探したいものに使える時間は限られている。とにかくコンテンツが多すぎるのだ。便利さがいろんなマーケティング要素に勝るから、そもそもコンビニなるものが存在するのだろう。それなのに、ネットワーク会社の経営者たちは、自分たちがデジタルコンテンツの唯一のポータルになれると信じている。

日本ではまだ放送業界はネット配信にすら着手してない企業が大多数ですが、上述のようなありえない夢?を描いてる企業もあるようです。

これに対してTBSは,既存の動画共有サイトの運営事業者に頼らずに,子会社を通じて動画共有サイトを運営することにした。動画投稿サイトで独自番組を公開すると,自社のチャンネルの視聴者が減少する恐れがある。それならば子会社を通じて動画共有サイトを開設し,放送と競合しない形で自社や地方局のコンテンツを配信し,放送とインターネットの連携を進めた方がよい。放送事業者の子会社が運営する動画共有サイトであれば,地方局からコンテンツの供給を受けやすいというメリットも期待できる――。

「動画投稿サイトで独自番組を公開すると、自社のチャンネルの視聴者が減少する恐れがある。」って、ユーザーは放送でもインターネットでの配信でもどっちでもかまわないのに、チャンネルの視聴者が減少するとか言ってる場合なんでしょうかね。自社で囲い込むことによる不便さで減少する数の方がよっぽど大きそうな気がするのですが。