「無断リンク禁止」が教えてくれること


Good_Hopeの日記 - 相手が「無断リンク禁止」って言ってるんだから、それに従えばいいんです」を読んで。

無断リンク禁止論争は何年か前にネット上で盛り上がっていたのを見た覚えがあるので、何故今更再燃してるのか? という気がします。話題がループしてるんですかね。

再燃というか、ずーっと消えない山火事がたまに局所的に燃え上がってるって状態だと思います。

ネットに新しく参加した人は無断リンク禁止論争なんてのが昔から延々と続いているなんて知らないので、常にどこかしらで無断リンク禁止を訴える人とそれを諌める人とのやりとりが続いています。

だって相手が「無断リンク禁止」って言ってるんだから、素直にそれに従えばいいんです。リンクしたいサイトなら連絡してでもリンクするし、どうでもいいサイトなら放置する。それを相手の意見が間違ってると言って、無理矢理考えを変えさせようとするから面倒なことになるんですよ。

1:1のやりとりだけで、揉め事を避けたいのだったらそれでいいんだと思います。


ただ、

これは僕の思い込みだったのかもしれませんが、僕がネットを始めた2000年頃は、「相手のリンクポリシーに従うのがネチケット」みたいな空気があったような気がするんですよね。

こういう空気というか流れは多くの人の発言や行動で作られます。「無断リンク禁止」派の人がそれを主張するのと同様に「リンクは自由」派の人たちも主張する。

Web上はアクセス制限などをかけない限り「無断リンク」が可能な場所で、「無断リンク禁止」派の人が「リンクするなよ!」ってのと、「リンクは自由」派の人が「リンクするよ!」ってのは、個人の主張としては同じ重さ。ならば、より声をあげたほうが、多く主張した方が、なぜそうする必要があるのか納得できる説明をした方が、主流な意見=空気となるので、互いが主張を、論争を繰り返し続けているんでしょう。



無断リンク禁止」派の人がいやがるからリンクはしない方がいい、ってのは、裏を返せば「リンクは自由」派の人が「リンクするよ!」って気持ちは引っ込めなきゃいけないってことになるわけで、「リンクは自由」派の人のいやがることをした方がいいってことになってしまいます。

相反するふたつの主張があるとき、感情論でものごとを決めてしまうのは、必ずどちらかを虐げることになってしまうので危険。


また「相手のリンクポリシーに従うのがネチケット」ってのは「「無断リンク禁止」を主張する人のサイトに無断リンクしない」ととることもできれば、「「リンクは自由」を主張する人がリンクするのを邪魔しない」ともとれます。だから、これは「相手の嫌がることはしない」的なことを言ってるにすぎず、結局「無断リンク」していいのか悪いのかよく分からなかったりします。



無断リンク禁止」を主張するのは自由だけど、それは法律でもルールでもネチケットでもなくて、あくまで周りへの「お願い」でしかありません。ウェブでは誰でも相手に断りを入れることなくリンクすることが可能な場所で、自由にリンクしたいと思ってる人もたくさんいます。

だから、自分の意思に反して無断リンクされるかも知れないし、どうしても無断リンクされたくなかったらアクセスコントロールなどそれを避ける技術的方法があることは知っておいた方がいい。



リンクの話に限ったことではありませんが、「自分がやりたいから自分のやりたいようにやる、周りはそれに従わなければならない」ってのでは、多くの人が存在する場所ではうまくいきっこない。そこがどういう場所で、何が可能で、みんながなるべくうまくやっていくにはどういうルールなりマナーなりが適当なんだろう?って、それぞれが意識するのが大事なんだと思います。