ニコニコ動画における、ユーザーが商品をプロモーションする形


デジモノに埋もれる日々: ニコニコと「アイマス」と「初音ミク」 - 企業とユーザと鑑賞者の関係変化」を読んで。


ニコニコ動画内で大ブームになっている「初音ミク」、自分の好きなように歌を歌わせられるソフトなのですが、そのあまりの人気っぷりになかなか届かない人もいたのだけど、まだ届いてない人と先に届いた人が動画でかけあい漫才してるのがすごい笑えました。

自由に歌わせられるのがこんなに面白いとは、このかけあいを見るまでは気づかなかった。

このまとめ動画の中で話題になってる「初音ミク」に「酒の本」、「MEIKO」なんかの関連商品が動画下にでてるニコニコ市場ですぐにチェックできるのもいい。


二次利用が生み出す新たな関係


アイドルマスターというゲーム内の映像を使って作られたMADがニコニコ動画内で非常に盛り上がっていますが、この状況がいままでの「ゲーム販売元→プレイヤー」という単純な関係だけでなく、「ゲーム販売元→MAD制作者(アイマスP)→MAD鑑賞者」という新たな関係を生み出していて、ゲーム本体だけじゃなくてDLCダウンロードコンテンツ)もかつてない勢いで売れているという考察は、この盛り上がりをずっと見てきてる身としても非常に実感できます。

本体だけなら、こんなに長い間ブームは続かないところを、DLCダウンロードコンテンツ)で新しいネタを順次投入していくことで、「ゲーム販売元→MAD制作者(アイマスP)→MAD鑑賞者」という構図が崩れることなくずっと維持されています。この間には、→が逆の流れな、MAD鑑賞者からMAD制作者やプレイヤーになるという流れももちろん存在しています。



また、映像だけじゃなくて、いろんな音楽がアイマスMAD作成の素材として使われていますが、そこから元の音楽が注目されてニコニコ市場でその元の音楽が売れるという様子も見受けられます。

その音楽の利用法も、ただ元の音楽をそのまま使うのではなくてショートバージョンにしたり、適当に他の音声と組み合わせて編集したりして、どこまでの利用が権利元の黙認できる範囲なのかを探り合っているのが、これからの著作権のあり方を権利元とユーザーとでバランスを取り合っているように見えて興味深い。

(関連記事:デジモノに埋もれる日々: MADが「適度な黙認」を目指せる状態というのをふわふわと考えたり



このMADなどが分かりやすいですが、フルバージョンでアップされると権利元に消されるという前段階を経て、非常に手の込んだ方法でフルバージョンそのままではない形でMADを作り上げています。

ここまで来ると、もうユーザーの手で作られたいい宣伝素材として見てしまえるほど高いクオリティになっています。



単に著作権違法だからと全てを削除していたら生まれなかったであろう多くのアイマスMADが、多くの人とネタ元素材を引き合わせる効果を生み出して、いままでの単なる販売元の宣伝だけに留まらないユーザーを巻き込んだ形での広がりを生み出しています。

これを著作権側の権利だからとばっさり切って捨てるか、うまい落としどころをユーザーと探していくか。さまざまなコンテンツのこれからのあり方として、興味深い事例だと思います。


VOCALOID2 HATSUNE MIKU

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アイドルマスター(通常版) - Xbox360

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