はてブとニコニコ動画によるタグの違いを考える


はてブのタグとニコニコ動画のタグの違い - ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦 [ITmedia オルタナティブ・ブログ]」を読んで。


はてブニコニコ動画のタグの違いについての記事。



はてなブックーマークとニコニコ動画のタグについての違いを考えると、はてなブックマークはWebサイトに対するタグ、ニコニコ動画は動画に対するタグ、ということででつける対象の違いがある、という点と、はてなブックマークは個人ごとのタグとそれを統合したタグクラウド表示、ニコニコ動画は動画にみんなでタグをつける、という点の二点が大きな違いなのだと思う。


いや実は私も最近ニコニコ動画のタグを使っていろいろな動画を渡り歩く便利さをかなり実感している。一つの面白い作品を見つけた後に類似・関連する他の作品を使うのにタグはとても便利だ。特にニコニコ動画にはタグの整理を精力的にやっているユーザがいるようで、同じ作者の他の作品や似たシリーズの作品が同じタグでまとめてあることが多くとても便利だ。

これはニコニコ動画を視聴していると確かに感じる点。


全員で同じタグを共有するというシステムなので、みんなが視聴するのに便利なタグ、上述の引用の例でいえば同じ作者という作者情報だったり、似たシリーズの作品をまとめたタグだったりは生き残りやすいという淘汰が働いているのだと思われる。

もちろん、ニコニコ動画のネタ好きなユーザーがタグ芸に走ってがんがんタグをネタとして使ってしまうというのも良くあることなのだけれども、しばらくすると、誰かがみんなが視聴するのに便利なタグへと修正していったりする。



一方のはてなブックマークでは、個人のブックマークでつけるタグが基本となっていて、各ブックマークでのブクマエントリページでは、そのエントリをブックマークした全ユーザーの使用したタグが集まったタグクラウドとして表示されている。

多く使われているタグは大きく表示されるし、さまざまなユーザーが多様性に富んだタグを使っているのも見られるので、これはこれで非常に有用なのだが、ニコニコ動画のタグにおけるような類似動画ならぬ類似記事を見つけるという効果で見てみると、ちょっと弱い。


その理由は、はてなブックマークにおけるタグが、大きなジャンルという分けられ方によって付けられることが多いせいなのではないかと思っている。



ニコニコ動画による動画ごとのタグだと、要はその動画を見つけるのに便利なタグだけをつければいいので、たった10個しかタグがつけられなくても非常に意味合いの濃いタグがつけられる。


それに対して、はてなブックマークのように個人のブックマークでつけるタグが基本になっている場合だと、その人の見るWebサイトの種類の多様さに応じてタグの種類がどんどん増えていってしまう。人によって違うのだろうが、私のはてなブックマークのタグの種類は1000種類近い。Webサイトの記事の種類は、タグで簡単に分類しきれるほど少なくないのだ。

そのせいで、全員のタグを集合させたタグクラウドの表示では、その記事のおおまかなジャンルは分かるものの、より細かい分類は分からない。ぼんやりとした、こういうジャンルだというタグがいくつか大きく表示されるだけになってしまう。



ブログを書くために情報収集してるときに思うのが、もうちょっと小さなくくりでタグをつけられないか?ということ。


例えば、同じタグでくくられるような記事でも、ジャンルより小さな分類があると思う。例えば、ここ数日話題になっている、TBSで初音ミクが酷い取り上げられ方をした、という話題の場合だと、例えば「「アッコにおまかせ」の初音ミク特集があまりにもひどくて大騒ぎに - GIGAZINE」の記事のブクマエントリ画面はこんな感じになっている。

これを見ると、大きく表示されているタグは[gigazine][media][tbs][tv][vocaloid][これはひどい][まとめ][マスコミ][メディア][初音ミク]などなのだが、ここから分かるこの記事のジャンルとは別に、「この初音ミクがTBSの「アッコにおまかせ」で酷い取り上げられ方をした」という話題、に属しているという情報が欲しい。

ジャンルではない、ある話題という分類でのタギング


なぜそういうタギングがないのかというと、個人ごとにタグをつけるしくみなので、ニコニコ動画のタグのように話題による分類的なタグをまとめられない、という点と、話題ごとにタグをつけているとタグの種類が膨大になりすぎてしまうというのが理由だろうか。


はてなブックマークを情報収集に使う方法

これに対してはてブのタグは、確かにそれを使って自分の過去のブックマークを探すときには便利だが、タグを使って別のニュースやブログエントリーを探すという行為には向かない(少なくとも私はこういう使い方をあまりしたことがない)

はてなブックマークの場合は、下部に表示される「このエントリーを含むほかのエントリー」「このエントリーを含む日記」によって、ある程度、同じ記事に関する情報をつかむことができます。


また、あまり大きすぎるジャンルでなければ、ある程度はタグを使ってニュースやブログエントリーを探すことも可能。


例えば、私はiPodに非常に興味があるので、はてなブックマークで[iPod]タグを付けられた記事を追いかけていたりします。はてなブックマークのトップページ右上にある検索枠に興味のあるタグを入れて、タグにチェックをつけて検索。


そうして出てくるページがこんな感じで、上部にある新着、注目、人気を切り替えれば、新着なら[iPod]タグがついた全ブックマークエントリ、注目なら3usersもしくは5usersブクマがついたブックマークエントリ、人気ならそのタグでの人気エントリー入りしたブックマークエントリの人気順表示をみることができます。


さらに、これらのページはそれぞれフィードが提供されていてRSSリーダーなどに登録可能なので、RSSリーダーに興味のあるタグの新着や注目エントリーページのフィードを登録しておくと、簡単にそのタグが付けられたブックマークエントリを閲覧することが可能になります。


私はRSSリーダーにはLivedoorReaderを使っていて、こんな感じ。


たった30秒ほどの設定で、簡単にある話題について追いかけてくれる情報収集botを作り出せる感じ。数十万人?いるはてなブックマーカーというエージェント達が集めてきてくれる[iPod]タグがついた情報をいつでも簡単に見られます。



はてなブックマークニコニコ動画についてのタギングの話でしたが、ますますいろんな情報がPCやネット上に溢れることになるであろうこれからの時代、どうやってうまくタギングを行い、得たい情報に簡単にたどりつけるようにするか、というのは非常に面白い分野だったりします。