日本のコンテンツ流通は追いつけるのか?


Life is beautiful: MacWorld: AppleはApple TVでキャズムを超えることができるか?」を読んで。

先日のMacWorldの基調講演での発表、ハード的にはMacBook Airが話題をさらいましたが、iTunesStoreでの映画レンタルやAppleTVのアップグレードも結構重要なトピックだったと思います。

まぁ、iTunesMusicStoreでの音楽配信が始まった時と同様に、日本ではそんなのはどこの遠い外国の話ですか?的な状況は今も相変わらずなのが、なんとも悲しいところですが。



昔、レコードやカセットテープで音楽を聴いていた時代、レコードを交換する間、カセットテープを入れ替える時、それぞれに趣があって、レコード一枚、カセットテープ一本単位に入る音楽を聴いて音楽を楽しんでいました。

それが、音楽を入手する手段がCD、ネット配信へと移り変わり、個人がPCを日常的に使うようになって、そこで音楽も管理できるような時代へと移り変わり、音楽を聴くスタイルも大きく変わりました。人がライブではなく、録音された音楽を楽しむ際に考慮するのは音質と利便性の二点。


CD以降もより高い音質を誇るメディアが何種類も開発され、製品化されましたが、一般的になるほど普及したものはほとんどありませんでした。これは、一般人が音楽に求める音質はCDクオリティくらいで十分だということを示していそうです。

一方、利便性の方は、音質を犠牲にしてもPCで手軽に音楽を取り扱えるようにしてくれたmp3のような圧縮技術、PCで音楽を管理
し、それと連携する形で手軽に大量に音楽を持ち運べるようになった携帯音楽プレーヤーの流行、携帯電話で手軽に聴きたい部分だけの音楽を購入できる着うたの流行、と大きな進化をみせました。



おそらく、この流れは音楽だけに留まらず、他のコンテンツ分野にも大きく広がっていくことでしょう。書籍は電子ブックへ、動画も音楽と同様な配信、またはネットレンタルという形へと。短期間的に考えたら、すぐに実現する話ではありませんが、5年、10年後は?と聞かれたら、おそらく多くの人が同意してくれると思います。



ネットという新しい情報流通手段が登場し、PCという情報処理端末が個人にも簡単に利用できるようになり、更にはそれを自由に持ち運べるモバイル端末もそろそろ実現しつつある今、情報という形で存在しうるコンテンツを取り巻く環境はすさまじい勢いで変化していくでしょう。

日本はネットのインフラは外国より普及しており、PCやモバイル環境、大型液晶テレビのようなハイビジョン視聴環境の普及も他の諸国よりも高いにも関わらず、コンテンツの流通だけが大きく遅れを取っている現状。



過去や現在収益が上がっている部分だけじゃなくて、これから将来コンテンツを流通する上でメジャーになると期待される分野にもうちょっと目を向けてもらえたらな、とMacWorldの基調講演を遠い外国の話としてうらやましく見ながら思いました。