頭打ちなPCネット環境と底上げされる携帯ネット環境


PCも携帯も関係なくなる未来 - 北の大地から送る物欲日記」の反応から。

情報量と操作性

確かに携帯でウエブを閲覧する事は格段に楽になった。だけれども操作性からくる活動範囲の狭さが引き起こすコンフリクトは解決しにくいのではないだろうか

ネット閲覧におけるPCと携帯の差って、画面表示サイズの違いによる情報量の差だけじゃなくて操作性って点もありますね。携帯のボタン操作ではPCのキーボードとマウスを使っての操作性には遠く及びません。情報量や操作性の差からくる活動範囲の広さの違いがPCと携帯においての大きな違いで、この差が存在してるうちはどう頑張っても文化的な衝突が起こるのは避けようはありません。

ただ、携帯の方のネット環境の進化はPCのそれと比べても著しく、情報量については今後数年で格段にアップしそう。


また、操作性の方はボタン操作にはあまり期待できませんが、iPhoneや他の一部の携帯で採用されつつあるマルチタッチインタフェースはPCのキーボード+マウスに追いつき追い越すような可能性を感じる。GoogleMapsのようなインタフェースはマウスよりマルチタッチの方が直感的だし、iPhone/iPod touch上のブラウザSafariでの画面のスクロール、拡大縮小などは画面解像度が480x320と低いにも関わらず、それよりも解像度が高い携帯よりずっと快適なブラウジングを実現している。



携帯のネット閲覧環境が進化すれば、それに伴って携帯を使うユーザー側の意識も次第に変化していくんじゃないかと思っていて、それは昔のPCでのネット環境の進化と同じ道を歩むことになるんじゃないかと。


ケータイ文化圏とネット(PC)文化圏の違い


id:hatayasanが紹介されている「ケータイ文化圏とネット文化圏の深い溝 [絵文録ことのは]2006/10/25」は、同じネットを利用していてもケータイ文化圏とネット(PC)文化圏で全く違う世界が展開されているというのを紹介した記事。この状況は記事から1年半経った今でもほとんど変わっていない。

携帯電話に特化されているネットと一般のPCで見るネットは全然違っていて、携帯は携帯なりにボタンで操作しやすいようになっていたり、小さな画面で閲覧しやすいように極力情報量が絞られていたりする。確かに、携帯を使う人の多くはそれで十分で、PCのようなネット環境は求めていないのだろう。



しかし、携帯の性能が向上し次第にPCのそれへと近づいて行く状況で、いつまでも昔の携帯サイトのまま進化しない、とは思えない。フルブラウザを搭載したからそれでPC並みだ、とは到底思えないが、携帯サイトも携帯の進化に合わせて進化していくはずで、ケータイ文化圏の人がそれを必要としているかどうかは別として、ネット環境は進化していく。たぶん携帯ユーザーは自然とそれになじんで利用していくのだろう。

ハード的な性能だけではなく、ソフト的に今よりもっと洗練されたWebサービスが開発されて、小さな画面でもより便利な情報をやりとりできるようになるというのも期待される。



そしてもう一つ、ケータイ文化圏と言っても、ただ与えられた携帯電話のネット環境を受動的に使ってるユーザーとそれを能動的に使いこなしてフル活用してるユーザーがいるんじゃないだろうか。割合的には前者の方が多いのだろうけど、若い層を中心に後者にあたるユーザーもそれなりに居て、そういう人達は携帯サイトの進化の先頭を走り続け、そのうちネット(PC)文化に乗り込んでくるんじゃないかと思ってる。


ゆるやかに、それでいて着実に進化する携帯環境

5年前の記事かと思ったが違うようだ…

同感だけど、10年後どころの話じゃなさげ。GoogleAndroidの搭載された携帯が出回り始めれば、もはやPCのほうがすたれゆく機器になるのではないか?

携帯とPCの進化の先が融合するなんて話はずいぶんと昔から交わされていて、そういう意味では数年前から両方を使うネットユーザー、特にモバイルユーザーの間では当然のごとく語られて来ている話題だけど、最先端の端末などを好むユーザーにとってはそれらの進化は思ったよりゆるやかに進んで来た。

でも、海外でスマートフォンが数多く使われる様になり、携帯電話も小型PC並みな性能に到達して搭載OSも次第に淘汰される方向へと進み、AppleからiPhoneが発売されたようにいままでの携帯の概念を崩すような端末も登場し始めていて、今後数年の間は通信方式、搭載OS、端末のハードウェアと大きな勢力争いが起こりそうな時期に入って、ものすごい速度で携帯電話が進化していく時期に突入してる予感がする。



かつては電話機能が主だった携帯電話は、PCよりもずっと普及率が高くどこでも使えるネット環境としてすでに無くてはならない位置を占めている。一方のPCのネット環境は、PCの性能がこれ以上上がってもそれほど大きな変化が起こるとは思えない状況になっている(テキスト、画像、音声、映像、と一通り対応し終わったため)。

PCのネット環境の進化が頭打ちになってきている今、携帯のネット環境がPCと同じ道を目指すのか、それとも違う方向に進んで行くのかは分からないが、どこかに向かって突き進んでいくことは間違いない。両者が融合するのか、微妙にずれた存在になるのかはまだ分からないが、現状の両者の間にある差が縮まって行くことは間違いない様に思える。



ネットが自宅で常時接続でいつでも使える様になって、ダイヤルアップでいちいち接続しないとネットを使うことができなかった時期とは明らかにネットの活用法が変わったのと同様に、かつての携帯サイト程度の少ない情報ではなく、現在のPC並みの情報量をどこでも常時扱える様な環境になると、またネットの活用法のステージが一段階変わる、早くそういうステージを味わいたくて今からうずうずしている。