アクセス数から何かを予想するのは難しい
「インターネットってみんな優しいなぁ - tanabeebanatの日記」を読んで。
昨日書いた「はてなブックマークに寄せられた大きな期待」に関しての続き。
はてなで書いていて思うのですが、はてブされやすいサイトとされにくいサイトがあるように思えるのですよ。感覚的になんですけれどね。
ここはされづらいと勝手に思っていますが、されやすいサイトを持っていないので気のせいかも知れません。
イメージすると、集団によるニュースサイトみたいな感じなのかな?そのニュースサイトの管理人軍団(複数いる)が巡回しているサイトは捕捉されやすいみたいな…。
はてブされやすいサイトとされにくいサイトがあるように思えるってのはその通りだと思いますよ。それぞれのサイトにはそれぞれよく読みにくる読者が居て、その読者の中にブックマーカーがたくさんいるサイトは、当然はてブされやすくなります。
ただ、あるサイトの読者ってのはある日いきなり沸いて出てくるようなもんではなくて、そのサイトが何度も更新されて記事を提供し、その記事を面白いとか興味深いと思って読みにくるようになった人達の集まりな訳です。はてブされやすいサイトってのは、はてブされやすい記事をたくさん書いてるからブックマーカーがたくさんやってきてそこの記事を読みにくる読者となり、結果としてよりはてブされやすくなっていく。言い方を変えれば、たくさんブックマークされるような記事を量産していれば、どんどんとブックマークされやすくなっていくってことです。
よくニュースサイトに紹介されるサイトってのは、そのニュースサイトの管理人が面白いと思う記事をよく書くから紹介されるのであって、何度も紹介してるうちに巡回先に入ってより紹介されやすくなります。
ネットに限った話ではありませんが、「人気が出る→多くの人に見てもらえる→ますます人気が出る→ますます多くの人に見てもらえる(以下ループ)」というようなポジティブなスパイラルは一旦回りだすと予想以上の速度でループが回ります。はてブでブックマークされやすいサイトとそうでないサイトがあるってのも、前者はうまくそのポジティブスパイラルに入ったということでしょう(はてブに関して、です)。
本当のことを書くとまずいような気がするので書きませんが、なるほど〜と思いました
”本当のこと”、ってのが気になるw
ちょっとわかんなかったのがここ
「3は誰にとっての本当に役に立つ記事なのか、という視点が抜けてるような。はてなブックマークのようなソーシャルブックマークは誰かがあなたのためにあなたの役に立つ記事をブックマークしてくれるものではなく、自分の役に立つ記事を自分でブックマークするツール。」
本来はそうなのでしょうけれど、はてブに限って言えばそういう使われ方だけではないように思えます。中にはそういう記事もあるけれど、そうじゃない方が多いように思える。コメントを付けるためにブクマしているみたいな…。おれもそれたまにやってるな。
最初の部分は、「本当に役に立つ記事ははてなブックマークされない」という話に対して、「本当に役立つ記事」というのは、誰に取っての「本当に役立つ記事」ということが書かれていないのであいまいすぎるんじゃないだろうか。id:tanabeebanatさんにとっての「本当に役立つ記事」なのだったら、それはid:tanabeebanatさんにしか知り得ないのだから本人がブックマークすることなしに誰かがブックマークして提供してくれるってことはまずないだろう、って意味な説明です。
「はてブが自分の役に立つ記事を自分でブックマークするツール」ってのは基本的な使い方の話で、コメントするためにブックマークする、という使い方をする人もいるとは思いますが、私はそういう使い方をしている人は基本的な使い方をしている人よりも少ないと思っています。
コメントは元記事に対するものと、他のブクマコメントに対するものがありますが、後者のコミュニケーション目的であっても、元記事を読んでそれに関する話題でコメントしあってる時点で元記事になんらかの興味があるってことだから、広義な意味で捉えれば元記事の話題に興味があるってことなんじゃないのかな?と思ったり。
「自分の役に立つ記事を自分でブックマークするツール」と書きましたが、もうちょっと広い意味でとらえると「自分が興味のある記事を自分でブックマークするツール」って言い方の方がソーシャルブックマークの説明としてはいいのかも。記事の内容には「それはおかしい」と思っていても、話題的に興味があるのでブックマークする、というような使い方もよくします。
アクセス数*1がある敷居値より下だと、どんなに役に立つことを書いてもネット上に存在しないのと同じとして扱われるのではないかという仮説を持っています。その中で比較的平等に扱われるのがGoogle、Yahoo!などの検索エンジンじゃないかと思います。
そこで2つ目の記事の話になる。
はてなブックマークのホッテントリに入るようなサイト、さらにはいわゆる大手個人ニュースサイトに紹介されるための敷居値があるとしたらどのあたりだろうか?と。
私は、アクセス数がいくつであろうとも、どこかの検索エンジンに拾われたり、更新情報が他の場所に掲載されたりして他の場所からのアクセスの可能性を持っているサイトであれば、それは確かにネット上に存在しており、それが広まる(読まれる)かどうかってのは「その記事に書かれている情報に対する需要」と「そのサイト自体が持っている影響力」を掛け合わせて得られる確率のようなもので表されるんじゃないか?という仮説を持っています。
アクセス数がある閾値より下だとネット上に存在していないのと同じものに見えてしまうってのは、「その記事に書かれている情報に対する需要」「そのサイト自体が持っている影響力」のどちらか、もしくは両方が低いために、その記事が読まれる確率が限りなく低くなってしまうって現象ではないかと。
「そのサイトが持っている影響力」ってのは、情報のジャンルによって異なります。たとえば、いろんなことを雑多に書きつづっているこのブログ、「ブログに関する話題」「ネットに関する話題」「デジモノに関する話題」なんかではそれなりな影響力はありますが、「山登りに関する話題」「園芸に関する話題」などではほとんど影響力はありません。
はてなブックマークのホッテントリに入るようなサイト、さらにはいわゆる大手個人ニュースサイトに紹介されるための敷居値があるとしたらどのあたりだろうか?と。
なので、はてブのホッテントリ入りするようなサイト、大手個人ニュースサイトに紹介されるサイトとしてのアクセス数の閾値ってのは存在するように思えて、その実存在しない数字な気がします。
「はてブでホッテントリ入りする」「大手個人ニュースサイトで記事を紹介される」ことを満たすためには、アクセス数ではなく、そこで求められている需要を如何につかんで、ブックマーカーやニュースサイト管理人の目に留まるような公開を行うか、という点が重要。
たまに一発ホームランのような話題になる記事を書いて一気に有名になる人がでてきますが、それはみんなが読みたい話題という需要をうまく満たしたってことだし、大手個人ニュースサイト管理人が好きなジャンルが分かればそれに関する記事を一生懸命書くことで気づいてもらえる可能性が上がります。
あるジャンルについての話題を情報発信しているサイト群の中で相対的にどれくらいの位置にいるか、というのを示すのにアクセス数を用いることができなくもないですが、全てのサイトがあるジャンルに関してだけ情報発信している訳でもなく、やっぱりアクセス数で何かを予想するってのは無理な話に思えます。
アクセス数という数字はあくまでアクセスがあった数という結果の数字でしかなく、それに結びつく要因はさまざまな他の要素からなってる、そんな風に感じています。
さまざまなアクセス解析結果から、人はどういう記事を求めていて、どうすると多くの人に読んでもらえるのかってのを想像するのは興味深い分野で、個人でもいろいろと考えて、実験、検証してみることができるブログや個人サイトは、私にとって楽しい実験場であったりもします。