他人といっしょに食事するってこと



(写真はコーンバターではなく軟骨唐揚げ)


食事をマズくする人たち - タケルンバ卿日記
(上の記事への反論増田記事)」を読んで。


他人といっしょに食事をする際の相性の話題。下の増田記事が反応してるのは、「大勢で食事するときに頼んだメニューをシェアするのはどうなのか?」という部分。



多人数で食事や飲み会をしたとき、みんなで頼んだメニューをシェアするかどうかは、「支払いが割り勘なのか、個別会計なのか」「どういう形態の食事の店なのか」って辺りでケースバイケースだよね。

大勢で割り勘な場合なら、みんなで頼んだ料理をつつきあうことが多いだろうし、個別会計なら各自が自分で選んだメニューを食べるってパターンが多い。また、居酒屋みたいな場所ならだいたいみんなでつつきあうことが前提だろうし、コース料理を楽しむレストランみたいな場所ではあまり料理をつつき合うなんてのはやらない気もする。



この記事を読んで、ふと思い出した食事話をふたつほど。


メニュー縛りな飲み会


大学の研究室で行った飲み会の場での話。場所は普通の居酒屋で、教授などの研究室スタッフと学生がいっしょに参加してる飲み会。



その研究室での新人歓迎会に近いシチュエーションでの飲み会で、まだみんな面識が薄くて(スタッフ、学生共に)、互いにまだコミュニケーションの距離があまりはかれず、互いにちょっと緊張してる、みたいな場だったんだけど、コースじゃなく適当にメニューを頼む形式にしてたので、最初に飲み物をオーダーした後に、各自適当に食べたいものをメニューを見つつ挙げて注文してったんですよ。まあ、少人数(そのときは7人くらいだったかな)ではよくある飲み会のパターン。

で、しばらくして頼んだメニューがやってきたところで教授が「この山かけマグロを頼んだのは、○○くんだな、このいももちは△△くん、こっちの・・・」と、そのメニューを頼んだ人の所に頼んだメニューを指示しておかせるという光景が。何が起こったのか、ちょっとポカーンとする学生たち(私を含む)。



教授が自分の頼んだメニューを自分だけで食べだしたところで「ハッ!!」と気づく我々。ああ、この人のルールは「頼んだ人が頼んだ物を食べる」なんだ、と。新歓みたいな場で、教授のそのルールを崩せる学生がいましょうか。そう、その飲み会は「頼んだ人が頼んだ物を食べる」ルール限定が宣言されたようなものだったんです。


・・・って、ここ居酒屋ですよ! 普通に考えれば、頼んだものはシェアして食べるのがルール以前の前提的な場所。



山かけマグロを頼んだ奴は「俺、山かけマグロだけかよ・・・」とつぶやいてましたが、それはまだマシな方。


いももち(北海道の居酒屋で多いメニュー。芋をすり潰して餅状にして焼いて食べる。)を頼んだ奴は目の前の山盛りいももち(その居酒屋は各メニューの量が多いのが特徴でいももちはコロッケ大のが8つも山盛りになっていた)を見ながら目がうつろになってたし、私は私でほっけの焼き魚をまるごと一匹一人で食べる羽目になりました(北海道のほっけはでかい・・・)。いや、魚は好きだけど、それだけ丸ごと一匹ってのは・・・ねぇ。他にも、漬け物盛り合わせを頼んだ奴が無言になってたりも。



その後も、「自分で頼んだ物は自分で食べる」縛りなルールは続行され、学生達にとっては拷問のような飲み会の夜は更けていきました。



コーンバター


居酒屋とかで飲むときって、いろいろ食べたいものを食べる以外にも、注文の間があいたときとか、もうお腹いっぱいだよなーってときにちょこちょこっとつまみながら食べられるメニューが欲しくなったりするんですよ。枝豆とか漬け物とかね。

そんなメニューの中で、地味にコーンバターが好きだったんです。いきなりあれをがっついて喰う奴もまあいないし、ちょこちょことつまむのが好きで。



居酒屋でコーンバターを頼むと、来た皿からそのままみんなでつまみながら食べるか、まあ場合によってはそれぞれの小皿に取り分けて食べたりとかもするんですが、コーンバターが好きなので、結構ぱくぱくつまんでることが多いってのが、何度も似た様なメンバー同士で飲み会に行ってるうちに覚えられて。



そのうち、飲みに行くと私がコーンバターを頼まなくても、勝手に周りのメンバーがコーンバターを注文してくれるように。「○○、コーンバター好きだよね?」って。



そして、頼まなくても勝手にコーンバターがオーダーされるだけで留まらず、「コーンバターふたつお願いします」「○○、コーンバター好きだからいっぱい食べるよね?」って。勝手に量が増えて。別に皿からつまむからいいのに、私の取り皿にコーンバターをわざわざ取り分けてくれたり。



そして、最後には「コーンバター、よっつお願いします」(え!五人の飲み会でコーンバター4つもいらねえだろ!) 出て来たコーンバター(4つ)を各自一皿ずつキープして、こっちをニヤニヤ見るみんな。

「ちょ! 俺のコーンバターなしかよ!!」




コーンバターでどんだけ遊ばれてるんだ・・・・・・。


他人と食事をするってこと


なんかコーンバターの話は単なる笑い話になっちゃってますがw、他人と食事するってのは、食べ物を食べるって意味以外に、会話を楽しむみたいな意味もありますよね。


「同じ釜の飯を食べた仲間」なんて言い回しがあるように、いっしょに分け合いながら食事した仲間ってのはいろんな絆が生まれたりするもの。自分が食べたいものだけを個別に食べる、なんて場もありますが、逆に分け合って食べるのが前提な場もあります(上のメニュー縛りの話)。



どうしてもそれが好きでたくさん食べたいなら、そう言って多めに注文すればいいだけのこと。「取るなよ!これ俺のだから絶対取るなよ!!」ってのは、他人といっしょに食事をするときに「食べ物を食べる」って意味だけにこだわり過ぎてるような。

ブックマーク見て思ったんだけど、「カルパッチョ代だけ後で払えば」とか「一人で食べれば」とか、なんでそんな皆当たり前のように「みんなでつつきあうのがありき」で話すんだ?自分にとっちゃ、「みんなでつまむ」なんてのは誰かにとってのマイルールってくらいの感覚なんだが(だから、そんなマイルールをハナっから押し付けてきて、従わない方が変!とか言ってる様にドン引きするんだが)、お前らにとってはもしかしてうんこをした後手を洗うくらいに当たり前!な常識なのか?だとしたら物凄いカルチャーショックを感じる。

もちろん、店の雰囲気とかジャンル、支払い方法などで「みんなでつまむ」か「各自個別に食べる」かは変わりますが、大勢で食事する場合は「みんなでつまむ」ってのが多い様に思いますよ。

特に飲み会とかならそう。なんだかんだで数百人以上のいろんな年齢層の人達と飲んだことはありますが、「自分で頼んだものは自分で食べる」ルールな人は、上の一つ目の話題「メニュー縛りな飲み会」に出てくる教授以外、出会ったことありません。




はー、コーンバター食べたいなあ。