自分の研究ペースを掴むまでは大変だけどそこが踏ん張り所


研究室に配属された学部生の方へ つらい時、しんどい時、読んでください | 女性教授奮闘記 from Toyama」を読んで。

大学において、ただ授業を受けるのみだった学部時代から、研究室配属になって自分の席が与えられて研究に取り組む事になるのって非常に大きな変化で。



研究室に配属になるのって、大小の程度の差はあれ、数人〜数十人くらいの小さな会社に入社するようなものだったりします。それまでの学生時代とは全然別の生活が待ってる。だから、結構つまづいちゃう人も多い。親切な先輩とかが居て、研究室のルールとか過ごし方なんかを教えてくれたりする環境だとラッキーだけど、なかなかそうもいかない場合も多いので、自分なりに研究室での研究の仕方を学習する必要があります。



今は研究生活をブログで書いてる学生や教官も随分と増えましたから、そういうのを検索で探して参考に出来る部分を参考にしてみるのもいいかも。身の回りの人からしかそういう知識を得られなかった一昔前よりは随分といい環境になりました。



アット・ザ・ベンチ―バイオ研究完全指南 アップデート版

アット・ザ・ベンチ―バイオ研究完全指南 アップデート版

研究の分野によっては、研究室の仕方やルールなどが分かりやすく紹介されている本が存在してたりするので、そういうのを読んでみると参考になります。この「アット・ザ・ベンチ」はバイオ分野向けで、私も学生の頃に読んでました。


研究室ではいくつものプロジェクトが走っていることが普通です。中には、うまくいくかどうか分からない萌芽的なもの、今まで積み重ねてきたものが花開く時期のもの、色々です。たまたま後者にあたった人はデータが出るし、前者をテーマとして割り当てられたときは、つらい日々となります。

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実験系の分野だと、なかなか結果が出ないなんてのは当たり前にある話なのですが、それが分からないうちはつらいかも。


黙々と手を動かして実験するのも最初のうちは重要ですが、自分のやってる実験がどういう実験で何を目的としていて、狙っている結果を出すためには他の方法はないのだろうか?と試行錯誤するのもまた研究。

とある遺伝子を見つけるのに、学生時代足掛け5年くらいひたすら似たような実験を繰り返してた時期がありました。まさに修行としか言い様が無く。横で別の遺伝子を探してた後輩がいきなり一発目の実験で当りくじ引いた(目的遺伝子を含む配列を発見)のは忘れられない思い出。運とは言え、非常にやるせない気分になったのを覚えてます。


6.ゼミで先輩や先生の話していることが宇宙語で全く分からない。これなら出ないほうが時間の節約だわ・・・

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これは、研究に限った話ではないけれど、何を話しているか宇宙語で良くわからないから出ない方が時間の節約だなんてことは絶対にありません。自分が全然知らない分野、テーマの話を聞いて、最初みんなが何を話しているかさっぱり分からずにちんぷんかんぷんなんてのは当たり前。まして、研究室配属になったばかりだとしたら、当然です。


どうやってそこから、その話題を理解できて、研究の話に参加できるようになるのか?と言ったら、引用元でも説明されている通り、ひたすら分からない単語なりをメモるなりして、自分で調べるなり(今はインターネットという強い味方もいます)、先輩や先生に聞くなり。どこか一カ所理解できれば、次はそれをとっかかりとして、その周りの単語なりを調べて行きます。



さっぱり分からない事を学習するときの最初の苦労は簡単にパスする方法はありません。まず、自分の中にそのテーマの知識の土台ができてくるまではひたすら調べて調べて調べまくる。これしかありません。

7. ゼミで発表する論文を読むのに時間がかかり、毎晩徹夜でつらい

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もまさにこれといっしょで、最初が何も分からないので一番つらいんです。論文の英単語すらろくに分からず、ひたすら辞書をひきまくったり。でも、そういう苦労無しには次のステージへは進めず、一生懸命苦労した分は自分の身となって後で必ず報われます。


研究室では、分からないことは、先生に尋ねて、自分で判断しないこと、そしたら、何も、つらいことはなく、すごく面白いところだと思います。それとね、先生たちは、成果を出すことが死活問題になっているので、あなたたちが学生実習の延長気分でいると、それは、口もききたくなくなるわけです。

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研究室でうまくやっていくのは、いかに先生や先輩をうまく使うかにかかってると思います。逆に、全く使えないと相当辛い目に。

あと、研究室での先生と学生の関係は、授業を受けていた頃の先生と学生の関係よりずっと近いです。研究室に入って来た学生がお客様なのは最初の一日目くらいで、後は研究室のメンバーとして研究の一部を担う一員になります。



卒論・修論を迎えるこれからの時期、始めて卒論を書く学生も大変ですが、それを見守る先輩や先生達もまた別な意味で大変です。

なるべく早め早めに計画立てて、先読みで行動していくとちょっとだけ楽になれるかも。まあ、そういう私も学生のときはぎりぎりまで実験やら卒論書きやらでわたわたしてたタイプでしたが(苦笑)