「ソーシャル・ネットワーク」を見てきました

映画「ソーシャル・ネットワーク」を見てきました。

ソーシャル・ネットワーク - オフィシャルサイト



以下、内容を含む感想なのでネタバレが嫌な人は映画を見て来てからどうぞ。







主人公マークとその恋人エリカとのひたすら噛み合わないやりとりから始まる冒頭のシーンで、マークの考え方が垣間見えるが、エリカには「最低の性格」と見事に振られてしまう。



寮に帰ったマークはそのやるせない怒りを自分のブログに書き綴っただけでは収まらず、勢いでハッキングした女子学生の顔を比較するサービス「フェイスマッシュ」を作りあげる。

コンピューターやインターネットを表現するのにデフォルメがすぎて、良くわからないイメージ映像を使ってしまいがちだった過去の多くの映画と違って、現実感があるサービス開発、そしてそのスピード感が印象的な開発シーン。



フェイスブック」開発後もひたすらサービスがクールであることにこだわるマーク。そんな彼のこだわりとアイデアを素早く実装していく能力があればこそ実現しえたサービス。

ネット業界ならではな他の業界ではあり得ない速度での急成長っぷりと、拡大に伴ってすれ違っていく創業メンバーのエドゥアルドとの関係、ネットサービスの開発で自分より先に成功を収めているショーンに共感し、彼と手を組むことで更に急成長していく「フェイスブック」。



「アイデアはあるけど自分達ではそれを実現できないウィンクルボス兄弟」「いっしょにフェイスブックを創業するが、従来のビジネスモデルに囚われて方向性を見失うCFOエドゥアルド」「ネットサービスで企業する事に長けているが成功と共に自らの快楽に引きずられていくショーン」、彼らからきっかけをもらったり、共にサービスを起こしたり、拡張したりするものの、最終的には訴訟を起こされたり、警察に捕まってしまったり。



最後で保証金を払って和解し、フェイスブックを続けて行く道を選んだマークだが、もともとのスタートのきっかけだったエリカとの友達関係を修復できないか黄昏れるラストシーン。自らが作ったネットサービスが世界中で使われるほどに成長した代償に失った周りとの人間関係だが、そのネットサービスが提供しているのは人間関係の構築というのがなんとも言えない。






二つの訴訟の尋問から、過去のフェイスブック成長の流れを振り返って行くスタイルで進むこの「ソーシャル・ネットワーク」のストーリーは、現実のフェイスブックの成長に基づいて、一部創作を加えて構成されている。



後半でユーザーが100万人を突破したことで盛り上がるシーンがあるが、現実のフェイスブックはすでに現時点でユーザー数5億人を超えている。映画のあのシーンから更に500倍以上の規模へと成長しているが、サービスがスタートした2004年からはまだ7年しか経っていない。

7年でユーザー数が5億人を突破しちゃうんだから、どんだけ急成長してるんだって話に。



世界一の検索エンジンであるGoogleも創業は1998年で、設立からまだ13年ほどしか経っていないがインターネットにおいて無くてはならない存在と化しており、インターネットの成長と共にすさまじい勢いで急成長するネットサービス会社の存在と、急成長故に起こるさまざまな内部でのいざこざ、ネット外企業との軋轢、急速に入れ替わってゆくネット以前の情報産業とネット以後のそれら。



この急激な移り変わりにまつわる話は今後もいろいろ映画化されそうだけど、インターネットが出来てからの時代はそれだけものすごい速度で変化しており、でもそれらはどこかの誰かの日常からスタートして始まっている話なんだと再確認させられた映画だった。




フェイスブックの成長に関しては、映画では描かれていない部分まで網羅されていそうなこの本を読んでみたい。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)