LDD'11 Fall in KUSHIROに参加してきました

今年の夏からの外出・遠征祭り、とりあえず一段落の最後として9月17日(土)に釧路で開催されていたLDD'11 / Fall in KUSHIROに参加してきました。

LDD'11/Fall in KUSHIRO | 【LOCAL DEVELOPER DAY】 2011/9/17 今年も釧路で開催します!!



札幌からバスツアーがあるってことで、釧路!バス旅行!美味しいもの!とつまのひとが参加表明して行こう!という話になりましたが、私の方はLDD、Local Developer Dayの内容が面白そうだなーと惹かれて参加を決めました。

釧路やバス旅行、美味しいものももちろん興味大でしたけど、北海道の札幌以外の場所でこの手のイベントが行われる、って所が同じ地方都市の道民として気になったところ。


澤田北海道ツーリストによるバスツアー 〜札幌から釧路へ〜

LDD'11 Fall in KUSHIROに札幌から参加する人達のためのバスツアー「LDD'11/Fall in 釧路 澤田北海道ツーリスト : ATND」につまのひとと二人で参加することにしましたが、ここは登別。ツアーのマイクロバスは千歳で借りるらしいので、そこから参加でもいいかな?と思いましたが、帰りに札幌に寄ってオータムフェストを見てくるか!って計画にして、札幌の大谷地駅集合から参加することにしました。



ツアーの集合時間が08:30ってことで、出発は06:00。1時間半ほどあれば集合場所へは行けるんですが、何かあってもいいようにちょっと早めに出発。まあ、高速道路がトラブって途中が閉鎖されてたりしたらアウトなんですが。(うちから札幌までは高速利用で1時間半、一般道利用で3時間半なので)


大谷地駅周辺の駐車場に車(今回はつまのひとのムーヴ)を入れ、集合場所へは余裕の一番乗り。参加者が移動してるのをtwitterのタイムラインで見つつ、バスの到着を待ちます。バスは若干予定時間より遅れての到着でしたが、参加者の到着遅れ具合もまあだいたいそれにリンクしてて、最後は集合場所に迷ったラスト一名を無事回収して出発とあいなりました。



こういうイベントに参加する面々だから、スマートフォン所有率も一般のそれとは違って100%近いだろうし、ノートPCを持って参加ってメンバーも多く、モバイルルーターなどのアクセス手段を持って来てる人も。移動のバスの中でのアクセスポイントが7つとか、普通はあり得ません。

とは行っても、北海道だと道によってはdocomoだろうと接続不能になる場所はそれなりにあるので、どこでも常時接続って訳には行かないですけど。



途中、占冠の道の駅でトイレ休憩を取りましたが、場所柄トイレ休憩する人が多くて大混雑。その後、占冠ICから高速に乗ったすぐ後に目に入ったのが新設の占冠PA(上の写真)。「あああ、まだみんなここが出来たことに気づいていなくてガラガラ!こっち入れば良かった!!」と後悔しましたが、帰り道に逆ルートの占冠PAに寄ってとある洗礼を受けることになるのは、まだみんな気づいていません。



途中、池田町の香味屋に寄って、昼飯として豚丼を調達。バス車内で美味しく豚丼を頂きました。ウマー。

しかし、この時点でほぼタイムスケジュール通りの運行になってたのが、豚丼完成待ちでまた若干のタイムロス。遅れを取り戻すために恐怖の味噌汁ドライブw(カーブにアップダウンと迂闊に味噌汁を飲むことができない)が続きます。



オロナミンC工場?を超え、海岸線に出て釧路に近づくと雨も強くなりましたが、会場には14:15着くらいだったかな? LDD'11開始時間は14:30からだったので、いいタイミングでの会場入りとなりました。


LDD'11 / Fall in KUSHIRO

さあて、ようやくLDD'11 /Fall in KUSHIRO編に突入。


会場に入り受付を済ませ、参加名札に名前や所属なんかを書いたのですが、受付横テーブルにみんなが興味ありそうなテーマに関するカラフルなシールが大量に。それを名札に貼ることで、自分が興味のあることを明示できるってしくみだそうで、これは非常に面白い。たいていの人はびっしりいろんなシール貼ってて、どこかしら接点があるのです。

ああ、この名札がよれよれなのは鞄の中に突っ込んでたのを出して来たらよれていただけです。



開催中は90名入るメイン会場に最初から最後まで居たのですが、せっかく遠い所から来たし発表良く見たいよな、ってので、素直に前の方に座ったもんでどんな参加者層だったのかはあまりよく分からず。人数的にはかなり席が埋まってた印象があったので、50〜60名ほどはいたんでしょうか。



以下、各公演を聞いての感想。


OSSサービスサプライヤーの目から観たOSSの活用の現状」

講師:稲葉香理氏(SRA OSS, Inc. 日本支社マーケティング部部長)


OSSOpen Source Software)は多くの人に用いられているが、企業や行政などにおいてそれを活用しようとする場合にはまずOSSとはなんたるか、という理解の部分から入っていく必要があります。要はどこかの一企業が作り独占提供されているSoftwareとOSSとでは何が違うのか?という。

講演では、コスト、出来る事など、どう違うのかというのを実際にサービスサプライヤーとしてOSS導入をサポートしてきた立場から語られていて、「OSSを使うことで安価なコストで自分達に合うように改良もできる形で導入できる」のと「Softwareを作った企業におまかせになってしまう場合」との比較が様々なサービスの例をとりあげながら説明されていました。



個人でネットをよく活用しているユーザーとして考えてみると、OSSはあらゆる場所で当たり前のように活用してて、OSSだから不安だ、という印象はほとんど無いのですが、これはもう既にOSSをさまざまな形で利用していて、十分にその有用性を体験してるから。

逆にそういう体験が無く、企業や行政などの業務としてSoftwareを使っていて、それは当然どこかの企業が提供するOSSではないSoftwareでサポート・メンテナンスまで含めて一括して委託しているという形しか知らない人達にとっては、ソースがオープンであるという時点でもう「危ないんじゃないの?」という印象をもたれるのは仕方ないことなのかもしれません。

クローズドであること、独占することが信頼の証とされた時代、そしてOSSにみられるようなオープンであり、コミュニティ的にソフトウェアを成長させていく時代というのは、非常にざっくりと分けてみると20世紀型、21世紀型なソフトウェアのあり方とも考えられて、ちょうど21世紀に入って10年ほどの今は20世紀型の従来然のソフトウェア(一企業が独占的に開発したもの)と21世紀型のOSSが混ざり合いつつも次第に後者が拡大していくという時期なのかもしれません。


「いま、ここから見える釧路」

講師:大和田純氏 / @june29


道産子、釧路高専出身の大和田純氏の講演。写真を多用して畳み掛けるように語ってゆく発表スタイルってのは、ネット配信なんかでいろんな講演聞いてる時に見たくらいで実際に見る事はほとんど無かったので新鮮で楽しかった。


自身の高専カンファレンスとの関わりを中心に「釧路をディベロップする」というテーマについて語る内容で、高専カンファレンスの運営に関わる中で感じてたと言う「オープンにする」「自由にさせる」「止めるより促す」というのが、OSSの概念と似ているなあ、と感じました。「オープンにする」ことで参加者がどういうことを考え、議論しながら運営してるのかが分かり、「自由にさせる」ことで面白い行動や発想が出てくるし、「止めるより促す」ことで動きを停滞させることなく発展させて行くという。

後半のjig.jp、福野さんへのインタビューの話の中で出て来た「産官学の学は学生だよ」って話、前段の高専カンファレンスも学生が中心となった活動だったな、と学生について考えてみると、学生はとにかくフットワークが軽い、若いパワーで動ける、溢れる好奇心で予想もつかないことを始めたりする、そして何よりも学生ってのは次の世代を作っていく人材の卵なんですよね。学生をうまく生かすべきだってのは非常に納得するところがありました。

また、最後の組み合わせの話で「ldd12f x kosenconf」という新しい組み合わせをやってみたい、というのは正に「釧路をディベロップする」という流れになっていて、ああ、うまくまとめるなーと。



この講演でもうひとつ気になったキーワードがあって、それは高専カンファレンスで学生達が盛り上がるのを見て、自分が学生だったときにはそういう活動はできてなかったよな、と「嫉妬」したという話。こういう「嫉妬」ってのは、自分も感じることがあって、今回の釧路でのLDD'11を見て「ああ、同じ北海道だってのに、うちの地元の登別室蘭〜胆振地域ではこういう活動ないよなあ」と感じたのもまさにそれ。

こういう「嫉妬」ってのは、男女の仲の話だったりすると奪い奪われ振り振られみたいにドロドロした話になっちゃいますが、地域を盛り上げる活動みたいな話なんだったら、自らの地域でもやってみればいいし、交流したりしてもいい。そんな行動を始めてみるかな!というエネルギー源にもなるよな、と。

今回、釧路まで行ってそういう気持ちをより強くさせてもらったのは、一番の収穫でした。


Free Talk Time


みんなが持ち寄ったスイーツを食べながら懇親タイム。


途中釧路OSSコミュニティのさいとうさんが釧路OSSコミュニティの活動を紹介してたので、遠征初参加組な我々ふたりで前に陣取ってふむふむと聞いてました。小さな勉強会から始めて、いろいろコミュニティの輪を広げつつ、LDD'11みたいな規模まで成長させてるという、北海道の一地方でもそういう活動ができるんだ、というのは同じ道民として非常に励みになるし、参考にもなります。


みんなが持ち寄ったスイーツをパクついてたら、ミニシュークリームからクリームが爆発しました・・・美味しかったけどw


パネルセッション「ITで釧路をディベロップする!」

小松正明氏(釧路市副市長)、稲葉香理氏(SRA OSS, Inc.)、大和田純氏、斉藤和芳氏(釧路OSS, LOCAL)


釧路市の副市長も交えてのパネルセッション。こういう活動に行政側の副市長も参加してるという点で、行政側へのOSSの理解の下地がじわじわと浸透しつつあるのかな。


OSSの導入というのは、OSSを理解してもらうことであるため、旧体制な組織ではボトムアップメイン(小さなサービスから成功体験を重ねてコツコツと)になりがち、というのは自分が見て来たいくつかの組織を見てても良くわかる。逆に完全にトップダウンで導入するという形もあるんだろうけど、それはトップ判断でそういう動き(OSS導入への流れ)が必要で、そういう舵取りをする人物(政治家とか企業トップ層とか?)に左右されるので地域の活動とは別の次元で動く話かもしれません。


質問タイムにあった「OSSがいろいろ語られているが、それが何をするためのものかが分からない。基幹システムだとしたら、OSSが企業で導入されることは無いだろう」という質問、良くも悪くも20世紀型なクローズドなシステムと21世紀型なオープンなシステムの分断を意識させてくれる内容でした。


OSSが何をするためのものか分からないってのは、ネットが普及してから爆発的に増えた様々な情報処理系サービス(メール、webなどなど)の多くがOSSに支えられているし、ネットを中心に拡大してきたGoogleAmazonFacebookTwitterなどはOSSを活用して成長してきたネット系企業でそこで提供されているサービスの多くはOSSありきで実現されています。

ただ、自分が利用しているサービスでも後ろのシステムが何で動いてるか?なんてのは普通はあまり意識しないもの。だから、OSSってのは自分がそれが関わっているサービスを利用していたとしても全く存在を知らないってことはよくあることなんだと。


OSSが企業で導入されることは無いだろうってのは、要はOSSなんて海の物とも山の物ともつかない代物は企業の基幹システムとしては導入できるはずもない、という認識なんでしょうが、実際にはOSSを導入し始めている企業もあるし、そもそも新しい産業であるネット産業はOSSありきで存在してるようなものだしで、ある企業がOSSを信頼できるかできないかという時に質問者の企業(もしくは質問者)は信頼できない、というだけにすぎないんだと思います。


「Rubykaigi2011 ネットワークの秘密」

講師:小岩秀和氏(KaigiFreaks、株式会社エストコスモ、一般社団法人LOCAL理事、88nite、奥野一門)


Rubykaigi2011での会場ネットワーク構築に関する講演。


短期開催のイベント時のネットワーク構築、どうやってるのかなあ?と思ったら、普通にBフレッツ(法人)契約・回線工事して、イベント終わったら解約ってのは知りませんでした。ネットワークのインフラ構築は、せいぜい大学の研究室内で関わったくらいだったので、大規模イベント時のネットワークインフラ構築話はなかなか面白く聞けました。アクセスの大半がtwitterに関するものってのも、今時だとうなづけます。


Lightning Talk

Lightning Talkってことで、5分ずつの発表。ざっと見ても、5発表中4つが学生絡みな内容で、学生のパワーを感じました。他にも旭川方面での活動であったり、昔ながらの問題が今も続いてる文字化けの話だったりと5分でサクサク発表がすすむLightning Talkの形式は話題が盛りだくさんになって面白いですね。


懇親会(一次会:虎や 二次会:ベルジュエーワン)



大雨の中、LDD'11会場横の宿にチェックインし、タクシー移動で「虎や」へと。

会場がぎゅうぎゅうであまり移動できなかったのがちょっと残念でしたが、その分釧路の味を堪能することに専念しました。秋刀魚もホッケも焼き牡蠣もね。


そのままの流れで二次会へと移動しましたが、こちらもまた大盛況で人いっぱいw 近場にいた人達ぐるっと一周くらいに持ち合わせていたオフ会用名刺を配って挨拶しました。

今回、怒濤の「あきらめないで」コールで東京から急遽参加した@kanamasさんと初めてお会いしたり、LighningTalkで文字化けの発表してた尾形さんと語ってたり、@onodesさんと地元で勉強会やりましょう!と話したりしてるうちに二次会もおしまい。


まだまだ話してないけど話したかった人とかいっぱいいたんだけど、次の日以降に響きそうだったので名残惜しみながら二次会で撤退しました。帰りは雨がほとんど止んでたので、同じ宿の数名と歩いて帰りました。


澤田北海道ツーリストによるバスツアー 〜釧路から札幌へ〜


前日、LDD'11が行われた釧路市生涯学習センターと宿の坂の上会館と。


ええと。


ロータス」ではなくて「ローカル」ですw


他のホテルに泊まってるメンバーを回収してから、朝飯を食べに和商市場へ。

勝手丼買って、どんと食べました。自分で好きなネタをいろいろ合わせて海鮮丼にできるってのは面白いアイデアですね。




続いて、腹ごなしに釧路観光で釧路市立博物館へ。

バスツアー組に加えて釧路OSC組も参加してたので、余裕で団体割引な上に、この博物館は写真撮影自由という太っ腹っぷり。展示の内容も盛りだくさんであちこちの見た事ある博物館の中でも、かなりよく出来てる博物館でした。釧路観光時にはオススメ!なスポットです。



続いて、昼飯にちくろうえんに行ったのですが、余りの混みっぷりとこちらも団体ってことで、レストラン泉屋本店へスパカツを倒しに行きました。

二、三年前に道の駅スタンプラリーで北海道中を廻ってたときに来た以来かな? ひさびさのスパカツでしたが、まあ楽勝で倒せました。美味しく頂いてごちそうさま。前日は二次会で撤退してましたしね。バスツアー参加者は倒したり倒されたりってな感じ。



食後は釧路炭坑展示館へと行って工場好き萌え?燃え?な展示を楽しんできたみたいですが、私は激しくアップダウンで歩きそうな展示場所だったので残念ですがパス。みんなの話だと、ここも相当に面白い展示館だったようです。なんか謎の赤いロボットがいたようだしw



そして、看板で有名な釧路イオンで帰りの道中の飲み物補給をして、ここで釧路組のさいとう夫妻といけだ家族とはお別れ。LDD'11と懇親会だけでなく、次の日の釧路観光までお世話してもらってありがとうございました。また行きますよ!釧路!!



帰りのバスの道中は、みんな疲れて眠りこけて・・・と思いきや、途中からハイテンションな謎の危険タイムに突入して、補給したドリンクを飲みながら、だじゃれやら尊厳に関わる話やら中に人が入って乱数操ってんじゃね?という急造プログラムやらで盛り上がりながら、無事札幌へと帰ってきました。

二日間に渡り、バスツアー運転手を勤め上げてくれた@bokusamaにはホント、感謝感謝です。楽しいバスツアーを企画運営してくれてありがとう。楽しく、美味しく、非常に有意義な二日間を送る事ができました。



最後に


まとめて全行程を書いたら結構な量になってしまった、今回のLDD'11 /Fall in KUSHIROの感想エントリ。


今回の釧路行で、いろんな人に出会って、自分も何かやらなきゃな、というエネルギーをもらいました。最近は札幌圏のイベントやら勉強会にはちらほらと参加してるのですが、それだけじゃなくて地元の登別・室蘭、もうちょっと範囲広げて伊達白老苫小牧くらいまで含めて、勉強会でもイベントでも初めて、地域を盛り上げる活動をしていこうかな、と。

今回の旅行中に@raa0121くん、@onodesさんなどと勉強会しましょう、と話も出てたので、近いうちに何かネタを考えてみましょう。



最後になりますが、LDD'11 / Fall in KUSHIROのスタッフの皆さん、楽しくてやる気を分けてもらえるようなイベントを開催・運営していただいてありがとうございました。