失われた20年の原因にパソコン全時代が与えた影響

山陰中央新報 - 失われた20年/パソコン全時代も素因」を読んで。

日本における失われた20年はパソコンが全員に配布されるようになったことに素因が潜んでいるのではないか?という話。



この記事を書いている人は自分でパソコンを使ったことがあるのだろうか?



そもそも、パソコンが全員に配布されるようになったせいで日本の労働形態のさまざまな部分が衰退していき、国際的にも競争力を失うような事態になっているのだとしたら、日本以外の国々はどうなのだろう?パソコンが無かったから競争力を維持できた?



はっきり言ってしまえば、パソコンなんていうのは道具でしかない。ノートや鉛筆、定規みたいな文房具が進化してパソコンになったことで、文書作成や資料作成の効率が上がり、いままでは大勢の人員を使わなければできなかった計算や集計、整理などの作業が少ない人数でこなせるようになった。

文書を手書きで書いていた時代を知っている人はワープロ、パソコンと道具が進化することで、どれだけ文書作成の効率が上がったかは身を以て体験しているはず。



また、パソコンは単に事務作業をこなすだけの道具ではなく、ネットワークと繋がることによって情報伝達手段の効率も向上させるのに大きく寄与している。メールや掲示板から始まり、電子会議システムや情報共有システムなど、それらをうまく使いこなすことによって以前の口頭伝達や紙伝票システムなどで起こりがちだった様々な問題点を克服する助けとなっている。



日本が失われた20年と言われる時期に国際的な競争力を失うようになった原因として、パソコン全員配布が絡んでいるとしたら、それは上述の記事に書かれている様な「パソコンが全員に配布された事による過去の古き良き時代の慣習の衰退」ではなく、パソコン(+ネット)という道具をうまく使いこなすことが出来なかった性でそれを使いこなしていた海外勢と比べて競争力が劣ることになった、という話でだと思う。