進化の方向は使ってすぐ体感できるのが正解

モルフォの「人類日本人化計画」--スマホカメラの焦点は「色数」 - CNET Japan」を読んで。

スマホカメラ・・・スマホって略し方はどうよ!とか思いつつも、デジカメの次の進化の方向を考えた記事として。


「色数」という言葉が懐かしい世代

カメラや表示デバイスの画質を向上させる重要なファクターとして、解像度や画面サイズがありますが、その中で、まだあまり手が付けられていない領域の一つとして「色数」があります。現在のデジタル画像は1677万色での表現がほとんどですが、人間は1兆色程度まで知覚できると言われています。

モルフォの「人類日本人化計画」--スマホカメラの焦点は「色数」 - CNET Japan

デジタル機器の進化と共に歩んで来た今の30歳〜45歳くらいの人だと、「色数」というとなんとも懐かしい思い出が蘇ってきます。


白黒や緑黒など2色表示から始まって、8色、16色が表示できるゲーム機やPC、いや当時の言い方ならマイコン?が登場して、コンピューターの世界に色がつきました。そこから先、じわじわと長い年月をかけて色数は進化していきます。いちいち、どの機種が何色表示だったかはそんなに細かく覚えていませんが、まだ疑似色(いくつかの色を組み合わせて色を表現する手法)全盛だった頃に登場した富士通のFM-77AVが4096色、総天然ショック!とかCMしてたのが印象に残ってます。


やがて表示可能色数が32000色とか65536色とかになった頃から、あまり色数についてとやかく言われることが無くなり、今だとさまざまなデジタル機器の表示可能色数は1677万色でフルカラーと称しています。


進化が受け入れられるかどうか


ぶっちゃけて言うと「色数」という性能は進化の方向としては無いかなぁ、というのが個人的な認識。何故かというと、かつての色数の表示性能の進化の時、数万色を超えた辺りから色数が性能向上の指標として挙げられなくなったというのがあって、これはそこから先の進化による違いが分からない人の割合が過半数を超えてしまって、わざわざ宣言しても気にする人がほとんど居なくなってしまったという歴史があったから。



それでも、デジタル機器の製作側は何らかの性能向上をうたうために分かり易い数字で示せる指標を出してきたのもまた歴史の流れ。デジカメの撮影素子、CCDやCMOSの画素数の数字アップの歴史、特に携帯電話に搭載されたデジカメの画素数争いは本当に意味の無い戦いでした。

今時な40インチ以上の液晶テレビフルHDなハイビジョン画像を楽しめるんですが、じゃあフルHDの画素数はどれくらいかというと、1920 x 1080 = 2,073,600、つまり200万画素ちょっとなんです。携帯電話の画面解像度480 x 320 (=153,600)とかの画面表示で200万画素とかのデジカメが付いていてもオーバースペックすぎます。今時はスマートフォンになり、画面サイズや解像度が一気に上がりましたが、フルHDになるのはまだまだ先の話。スマートフォンで楽しむだけ、いやもうちょっと頑張って家のフルHDテレビに出力して楽しむのでも200万画素程度あれば十分だってことになります。


素数がアップすると一画素辺りの光量が下がる、つまりは暗い所に弱くなるってのがあるので、むしろ100万画素程度に抑えて暗い所に強いデジカメとかにした方がユーザー受けは良かったんじゃないかと、今でも思っています。


最近の性能アップで感動したのはiPhoneRetinaディスプレイ


これは本当に感動しました。


要は画面の表示解像度、どれだけ細かく表示しているかという数字がぐっと上がったディスプレイで、iPhone3GSだと3.5型 480 x 320 (163ppi)なのが、iPhone 4だと3.5型 960 x 640 (326ppi)と縦横が倍の高密度な表示となりました。webで全体表示をしている時にも文字が読めたり、写真表示も細かい所まではっきりと見える様になったりと、3GSと4とでは全く違う使い心地。

http://www.apple.com/jp/iphone/features/retina-display.html


次のiPadにはこのRetinaディスプレイが搭載されると以前から噂されていますが、iPadのサイズでこのRetinaディスプレイを搭載したら、iPhoneが3GSから4になったときより大きな衝撃を受けそうな気がしています。なまじ画面サイズが大きなだけに。


個人的にデジカメに進化してもらいたい方向


私的には今のデジカメってかなりもう満足感があるんですが、まだ進化し続けるとしたら、進んで欲しい方向は感度かな。裏面照射CMOSなどでかなり暗い所にも強くなりましたが、画素数落としてでもいいから感度アップしてもらいたい。デジカメ、デジタル一眼なんかでも、画素数ががんがん増えると撮影した写真の取り扱いが大変なんですよね。


もちろんフラッグシップ機なんかはどんどん性能向上して画素数もアップ!アップ!しても構わないと思いますが、そこまでの解像度が必要とされないミドルシップ以下は、むしろ感度とかスピードとかのパラメーターの向上に性能を割り振ってもらった方が使い勝手の良いデジカメが実現されて感動できそうです。



スマホカメラ、携帯電話カメラは小型なのでなかなか性能向上は難しいんでしょうが、日常的に持ち運びさまざまなシチュエーションで撮影する代物だからこそ、変な部分での性能アップに拘らないで、感度や速度といった日常使用に直接効いてくる部分をこう、ぐぐっと性能アップさせて、使用体験を変えてもらえるとわくわく出来そう。