新世代の携帯ゲーム機はマニアのものというアリ地獄から抜け出せるのか?

PSVita、買っていい人、買ってはいけない人・・平林久和「ゲームの未来を語る」第27回 / GameBusiness.jp」を読んで。

そう、昨年末に発売になったんでしたよね、PSVita。PSPVitaじゃなくてPSVita。ハードウェア的には非常にワクワクするゲーム機ですが、自分にとってのキラータイトルは見つけられなかったので、発売時点での購入は見送りました。

世の中はいつのまにやら携帯電話に変わってスマートフォンがカジュアルにゲームもできるモバイルデバイスとして地位を確立しつつあり、携帯ゲーム機 vs スマートフォンなんて構図でシェア争いが繰り広げられる模様。



スマートフォンの普及が地域によって大きく異なる、というのが、「日本のスマホ利用動向最新情報! - comScore, Inc」で分かりますが、この差は電車移動が多い地域と少ない地域の差なんじゃないかと思ってます。車移動だと運転中にスマートフォンいじったりできませんからね。

そしてスマートフォンと争っている携帯ゲーム機もまた、似た様な普及分布状況にあるのではないかと。まあ、ゲーム機の場合はスマートフォンよりは購買層の年齢が低そうで、自宅で使用ってのも多そうですから、スマートフォンほどの差はないのかもしれませんが。



PSVitaに満足するために必要な資質?として挙げられていた

□自宅にWi-Fi環境が整っている
□インターネット接続が独力でできる
□USB、WEPキー、MP4などの最低限のコンピュータ用語が理解できる
プレイステーション3を持っている
□トルネを持っている
□インターネット接続されたPCを持っている
PSNのアカウントを持っている
□自分で決済できるクレジットカードを持っている
PSNのクレジットカード以外の決済方法も知っている
スマートフォン、またはタブレット型PCの利用経験がある
□ポケットWi-Fiを持っている
□人口密集地帯に住んでいるか、通勤・通学をしていてNearの機能を楽しめる
□無料アプリ、Twitterのアカウントを持っている
□無料アプリ、ニコニコ動画のアカウントを持っている

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=5185&page=3

これの多くを満たせるのは、「ネットに詳しい」「ソニー好きな」「デジタルガジェットマニア」。あ、自分も当てはまってるかも!とか思ったけど、ここに該当するような人ってほんとごく一部のマニアしか居なさそう。自分で言うのもなんですが。



自分がPSVita見てて思うのは、タッチパネルとか各種センサーとか3G通信機能とか、もう機能テンコ盛りな状態で作られた豪華なハードウェア(だからこそデジタルガジェット好きとしてはワクワクするのだけれども)なんだけど、今までの携帯ゲーム機という枠組みから何か飛び出して新しいことが出来るのか?と言われるとちょっと微妙かな?という部分。

話題として大きく取り上げられていた3G通信機能も、移動中に通信が利用できるようになることは素晴らしいとは思うのだけれども、PSVitaスマートフォンじゃなくて携帯ゲーム機なんですよね。ゲーム機として3G通信が何に活かせるのか?って部分のアピールが弱いように感じます。

いままでも、ゲーム機の通信機能を使った対戦や協力プレイなどは、Wi-fiや有線LANで実現してたワケで、そこにどこでも繋がるけど反応はちょっと遅い、しかもそれほど大容量にはデータのやり取りはさせてくれない(ように見える通信契約)状態の3G通信が追加になって何ができるんだろう?という疑問。



先行して発売されていたもう片方の携帯ゲーム機、任天堂3DSも売りのはずの3D機能はみんな切ってプレイしてるように、新しい機能をうまく活かすというのは難しくて。

そして争う相手のスマートフォンのゲーム機としてみたときの売りって、タッチパネルでいつでも気軽にプレイできる、無料や格安な価格で新しいゲームをどんどんダウンロードできる、という所で、もうこれは一般人にはたまらない魅力に映ります。



持てる機能をうまく活用するゲームを出してくるとか、より気軽に親しみ易い環境の構築に尽力するとか、結構大きなテコ入れをしないと、据置型ゲーム機がどんどんとシェアを下げているのと同じ状況が携帯ゲーム機にもやってくるかもしれません。