スマートフォンという魔法の杖はどこまで成長するのか

今、起こりつつある破壊的イノベーションに、カーナビ業界は生き残れるか? - ヒット研究所 - 日経トレンディネット」を読んで。


今のカーナビ業界が置かれた状況が、1995年当時のカメラ業界の銀塩カメラの立ち位置と同じだという主張。


銀塩カメラからデジタルカメラへの移り変わりを最初からずっと見て来た身としては、カーナビがこれから同じ道のりを辿るようになるだろうというのは非常に頷ける主張。


カーナビでできること、そしてそれを置き換えるスマートフォン


カーナビで出来る事は何か?と考えると、メインの目的たるカーナビゲーション、目的地への道案内以外にもテレビ機能や音楽機能などがあります。

カーナビアプリでカーナビの市場を脅かしに来ているスマートフォンタブレットもそうなるかも)もまた、テレビ機能や音楽機能を搭載してるものもあり、もちろんそれ以外のさまざまな機能もアプリで実現しています。



カーナビが車と一体化していて取り外して使えない(ごく一部の機種は例外的に使えますが)のに対して、スマートフォンはそもそも持ち歩き用のモバイルデバイスであり、車を運転するときだけカーナビ機能を使うという方式。しかも普段から持ち歩くものだから、いつも持ち歩いてるお気に入りの音楽を聞けたり、あらかじめ移動ルートを登録しておけたりもします。



ナビゲーション自体の性能は、今はまだカーナビ>スマートフォンナビですが、年々すさまじい勢いで進化しているスマートフォンがカーナビの性能に追いつき追い越すのは、たぶん時間の問題でしょう。そして、カーナビは車と一体型が主流で価格も機能からすると相当高価なものが中心なのに対し、スマートフォンはフルスペックなものが数万円で提供されています。


スマートフォンがアプリで実現できる装置の未来は厳しい


フューチャーフォンと呼ばれる日本の従来型の携帯電話から、小型PCとも言える性能をもつスマートフォンへの移行は思ってたより早い速度で進んでおり、気づけばどこのキャリアも新機種として紹介される端末のほとんどがスマートフォンという状態になってしまいました。普通に携帯を数年スパンで乗り換える人たちは、たぶんここ数年のうちにスマートフォンへと移行することでしょう。


そうなると、カーナビだけじゃなく、他にもスマートフォン上のアプリで機能を実現できるような装置はスマートフォンへと置き換えられてしまう、吸収されてしまう可能性が高いでしょう。

例えば、電子辞書、ICレコーダー、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、コンパクトデジカメ、などなど、市場の全てではなくてもかなりの部分が吸収されてしまいそうなものもあります。



そうなると、スマートフォンはたった一台でありとあらゆる機能を併せ持った装置、ということになります。実際、すでに数十万本あるとされるアプリによってそうなっています。中には、ライトとかカイロなんて、ちょっと笑ってしまうものまで。

ホント、スマートフォンってのは、昔の人から見たら、魔法の杖みたいな装置なんでしょうね。