カタログ数値を鵜呑みにしちゃあがっかりさせられる自動車の燃費数値


【ロサンゼルス共同】米ロサンゼルス郡地裁は1日、購入したホンダのハイブリッド車の燃費が広告よりも悪いため、予想外のガソリン代の出費を強いられたと主張する女性の訴えを認め、同社に9867ドル(約75万円)の賠償を命じた。

http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012020201000868.html


訴訟大国たるアメリカでまた見てるだけげんなりしそうな判決が。これ、販売員が「絶対広告と同じ燃費になりますよ!」とかよほど強調してたりしたんでしょうか。そうでも無かったら理不尽すぎる判決です。



エコ志向が広がり、自動車の燃費性能というのは最近の自動車選びの中でも非常に重要な要素になっていますが、ユーザーが自動車を購入しようと検討するときに一番分かり易く目に付くのは、カタログ性能に出ている燃費の数値になります。



このカタログ燃費というのは、ある特定の決められた条件で走行した場合の燃費であって、実際の走行時の燃費と一致する訳ではありません。日本では「10・15モード燃費」という基準が長い間使われていましたが、実際の走行燃費との差が大きいため、最近では「JC08モード燃費」という新たな基準が登場し、2013年3月以降にすべての車でこの「JC08モード燃費」を採用することとなっています。

両方併記されている最近の自動車の場合だと、「10・15モード燃費」>「JC08モード燃費」という数値になっているはずです。他車同士の比較の場合には、同じ基準の燃費を比較しないと意味が無いので気をつけて。


燃費は走行条件によってがらっと変わるもの


そして、燃費を語る上でもう一つ大事なのは、どういう走行条件かによって燃費なんてがらっと変わってしまうんだってこと。これ、普通に考えれば当たり前の話で、「街中で渋滞しまくり、信号で何度もひっかかってノロノロ運転」と「郊外の空いてる道を一度も止まらずにすいすいドライブ」とでは、燃費も違って当然という話です。



あの鉄のかたまりで重い自動車を停止している状態からスピードが乗った状態まで加速するというのが一番エネルギーを使います。だから、何度も発進・停止を繰り返す渋滞時にはみるみる燃費が下がります。車にとって一番楽なのは一定速度で加減速なく流してるとき。こういうときは必要最低限のエネルギーでいいので燃費はどんどん上がります。



つまりは自分が購入したい自動車がどれくらいの燃費かを知りたかったら、実際にその車を持ってる人が出している情報くらいしか当てにならないということ。


ネット上のユーザー情報を参考に


車種ごとの情報だと、ユーザーの給油量・走行距離を記録して燃費を出している「燃費ランキング・ガソリン価格・車種情報の共有コミュニティ - e燃費」みたいなサイトを参考にするとカタログ燃費よりかは実際に近い燃費数値を調べられます。まあ、これも必ずしも自分の場合と合うという訳ではありませんが。