ネット上で語り合うこと。


昨日の話(北の大地から送る物欲日記 - 自分のサイトでしたかったこと。)の続き。

パソコン通信から始めたネット人生

パソコン通信から始めた私のネット人生(笑)は、ホントにシンプルな文章でレスを付け合うだけの形のやりとりからスタートしました。

当時(1995年くらいだっけか)はただ発言番号順で並んでいる発言ログをレス関係で並び替えてツリー型にしてくれるツールなんかがあって(マックだと茄子とか)、まぁ、感覚で言えばツリー型掲示板のような感じ。フォーラムと呼ばれるあるテーマに関心があって集まった人たちと、そのテーマに関する発言で語り合うってのを楽しんでいました。

チャットにはまる

それから、パソコン通信上で行うチャットにはまりました。いままではいちいちログをダウンロードして処理しないと会話がやりとりできなかったのが、リアルタイムに相手の文章が見えるんですから、もう感動物です。でも、ひとつ問題があって通信費がかなりかかるということ。当時は電話回線にアナログモデムを繋いでの通信で、電話通話代はもちろん、パソコン通信会社の通信費も結構バカになりませんでした。


そこでいろいろ調べて、どうやらインターネットと呼ばれる世界中が繋がっているネットに繋ぐと通信費を取られないチャットシステムがあるらしいぞ、というのを知りました。それがIRCと呼ばれるInternet Relay Chatと呼ばれるもの。

電話回線の方はテレホーダイを使えば23〜8時は定額。通信費の方はIRCを使えばタダ。ってので、インターネットプロバイダを探して契約し、そこから数年の間、IRCでチャットを楽しみました。一番はまってた頃は、同時に5つの部屋とか掛け持ちしてたりもしました。なんだろう、頭の中の処理がマルチタスクになったみたいな感覚でした(笑)

ネット上の自分の場所

インターネットを始めて興味を持ったのが、やはりホームページの作成。それまでパソコン通信ではいろいろな人と語りあうことができたり、知り合いが集まって部屋のようなものを開設することは出来ましたが、自分個人の場所というのは作れませんでした。それが実現できるってんだから、そりゃ興味沸くってもんです。

最初にホームページを作ったのは、確か1998/5/14。8年くらい前ですか。今見たら、自分の本家のホームページに書いてありました(笑)(→ココ

何か興味が沸いたことがあったとき、お?と思うサイト・ニュースを見つけたとき、いちいちhtml手書きでちまちまとホームページを更新していました。今にして思えば、当時から今では個人のホームページの主流となった感があるブログのようなスタイルでした。


ホームページは、いろいろと移り行く興味に対してちまちまと小さなサイトをいくつか作っては放置ってのを繰り返して、10くらいのサイトを作ったような気がします。今も残っていて更新続けているのは、現在では4箇所かな。

何でも新しいものには飛びつくんですが、興味がどんどん新しい物へ移ってしまうのや、時間的な制約から一つのことを長くじっくりというのをなかなか出来ないのが自分の欠点で、今残ってるサイトに関してはできるだけ更新しようと心がけています。まぁ、自分の出来る範囲内で、ですけど。

多くの人と語り合う場所、掲示

ネットで語り合うという場所を考えるときに外せないのが掲示板。大きく分けると、個人サイトなどについていたり、個人の管理人がいて運営するスタイルの小さな掲示板と、非特定多数が集まるような2chのような大きな掲示板があります。

前者は、ほとんど知り合い同士が語り合う場所なので、形的には今のSNSのような知り合い同士で作るコミュニティという感じでしょうか。個人で自由にSNSのような場所を構築できるといろいろできそうだなぁと思うんですが、まだ「コレだ!」と思うサービスには出会ってません。

後者の2chのような非特定多数が集まり匿名で会話するような掲示板は(って、主に2chしか見てないけど)集まる人数の多さ、人数が多いことからくる話題の広さで読む分には非常に面白いのですが、こと語り合うということになると匿名ってのが足をひっぱってあまりはまれませんでした。

もちろん匿名だから実名ではなかなか言えない様なことを話せるなどもメリットもあるのは確かなんですが、「匿名=何をしてもいい」的な解釈の人が多くて、荒らし・誹謗中傷などのノイズが非常に多かったり、人の多さから発言数が多すぎてついていけなかったり、と語り合う場所としては満足できなかったのが理由。

それでもそれなりに発言をしてたりはするのですが、匿名ゆえにどうしてもその場限りの会話で終わってしまいがちで、今でも匿名系の掲示板ではほとんどROM、読むだけに徹していることが多いです。

結局、原点が一番語り合える場所

ネット上でのいろんなコミュニケーション手段を体験してきて、語り合うことに一番集中できたのは、やっぱりパソコン通信時代だったなぁと思います。

  • シンプルにお互いレスを返しあうだけの形。
    • 余計な情報に影響されずに語り合うことに集中できる。
  • 個人と特定できる(ID)ため、語り合うことでその人が見えてくること。
    • 発言に責任が伴うので、現実に言えないような事は書きにくい。
  • 人が見えることで、自然とある程度空気を読むべきという状況になること。
    • 誹謗中傷だったり、荒らしだったりと場を乱す人は排除される。

そして、こういうシステム的な部分以外に、もうひとつ大事な要素があるようにも思います。それは人の熱気ということ。

なるほど……確かにそうかもしれない。特に「言葉に表せない熱気があった」という部分で頷いた。そうだよなぁ、熱かったよなぁと。シンプルに文字で語り合っていたし、変にデザインを変えるとかフォントを変えるとかが出来る訳でもなく、その文章そのもので語り合うしかなかったからかな……なんて思い出しながら考えてみた。

当時、パソコン通信には数百万人の人が参加していました。数百万人といえばものすごい数ですが、逆に見れば日本全体ではたかだか数%の人しか参加していないということ。もの好きな人が参加する場であったんです。

こういう場所にはどうしたって熱い人が集まりやすい。他の人が手を出さないうちから自分の意思でチャレンジしてくる人々ですからね。

ネットゲームとかでも、β版とかだとプレイヤーのゲームへの熱気がすごくて非常に盛り上がったのに、製品版になったらどっと温度の低い人たちが参入してきて冷めたことが何度かあります。

どうせ参加するなら、一番熱いところを楽しみたいってのがあるので、なんでも手を出したものにのめり込みガチなのかもしれません。

いろんな手段を経て

ネットを初めて10年ほどになりますが、こと語り合うということに関しては最初のパソコン通信が一番だったものの、いろんなコミュニケーション手段を体験してきて、それぞれにメリット・デメリットがあるのを見てきました。


自分のホームページやブログを持つことで現実ではなかなか触れ合うことの出来ない人に自分を見せることができること。チャットやメッセンジャーIP電話などによって、遠く離れた人とリアルタイムに会話できること。SNSwikiに参加することで、知り合い同志のコミュニケーションの場をネット上に作ることができること。

これからもどんどんいろんなコミュニケーション手段がでてきて、いろんな人と語り合えるようになることが楽しみです。人と語り合うことで、自分だけでは知ることの出来ない広い世界を見たい。