ずれた認識のまま言い争っても何にもならない
「痛いニュース(ノ∀`):アニメ製作者が、アニメの違法アップロード&ニワンゴに問題提起」を読んで。
この話題に関して、元となっているネットラジオの内容、そしてそれに対するニコニコ動画や2ch、それに関するニュースサイトやブログでの反応を見てると、実に多くの問題点が存在していることが見えてくる。
話がややこしくなるので、どんな問題点が見えてくるかだけを羅列してみる。
- 動画共有サイトへの違法動画アップはいけないといいつつ、それが訴えられない現状
- 権利者側の対応コスト、メリットとデメリットの存在
- ニコニコ動画を認めないアンチニコニコ動画派の燃料撒き
- DVDを買ってもらわないと成り立たない今のアニメ業界の構造問題
- ビジネスモデル的に破綻しつつあるのではないだろうか
- 好きなことを仕事にする人から労働力を吸い上げることで成り立ってきた業界
- これはアニメには限らない。他の多くの業界でもそう。そして、そういう業界はどこも今構造問題に直面している
- 好きなことをする人がいなくなってしまったらその業界は滅びる
- 動画共有サイトでの公開は宣伝になっている
- 一部の人気作品ではそう、人気のない作品は当然埋もれる。視聴の格差拡大。
- 見ることが全てのアニメと、他の楽しみがあるゲームやツールの違い
- CMの存在、広告収益から作られるアニメ
- CM入りの動画やストリーミング放送を実施しても、CMなし動画がアップされてしまう
- CMを見せたいTV業界と本編だけ見られればいい視聴者の意識のずれ
- 放映地域格差の問題
- DVD特典のアップ
- ネットがある以上、特典映像みたいな囲い込みは機能しないのでは
- P2Pと動画共有サイト、前者のほうがヤバイのに叩かれやすいのは叩き易い動画共有サイトという構図
- 不特定多数に見える形で他者に権利がある動画をアップするのは違法といいつつなかなか罰されない
- 罰したいけど、そうしたときの影響の大きさ、デメリットが抑止力になっている現状
- DVDは高いから売れない⇔売れないから高くなる
- どっちもどっち。どっちかが変わらない限り永遠にこのまま。
- ユーザーから制作者に直接対価を流せるしくみはできないのか?
- 流通?放映?という中間での搾取が多すぎるという認識
- ネットはそういう手段も可能とするが、やり方はそう簡単ではない
- DVDが売れないのは違法動画がアップされているせいという主張
- アップされなかった=売れるって訳ではない
- 無料でアップされていたから本当は買うはずだったのに落としたという人はいるだろう
- アップされていたから見たという人もいるだろう(アップされていなければそもそも見ない)
- 明らかにあるのは分かっている宣伝効果
- 権利者には意図的に無視されがち、視聴者(利用者?)には必要以上に持ち上げられ気味
- 宣伝効果はあるが、全てが売れるわけではない。あくまでも評判しだい。
- 内容が分からないものにあんなに高価な金額を払えるか!
- 先払いか、後払いか
- 一度見れば満足する消費タイプ視聴者と、繰り返しみるマニアタイプ視聴者
- 視聴機会の問題
- 放映された時間一回しか見るチャンスがない
- 知り合いから録画テープを借りるのはよくて、ネットで見るのはダメなのか?
- ネットやリアルでコピーを配布し作品を広めるファン
- 多くの人にみてもらって感謝してるんじゃ?という思い込み
- 誰がそれを作ったのか、どうしてその作品が存在できているかという意識の欠如
- 権利者側が自分の著作権物を管理するという問題
- コンテンツの料金とクオリティ問題
- DVDが売れないのはクオリティなのか値段なのか違法動画アップのせいなのか
- 全部ある。どれかひとつってことはない。
- 視聴者が使えるお金、時間は有限
- 日本と海外のDVD価格の格差
- コンテンツはアニメだけじゃない、他のコンテンツとユーザーの奪い合い
- 価格だけではなく利便性の問題
ざっと並べてみただけで、こんなに多くの問題が存在していて、それぞれひとつひとつを語るだけでも個別に記事にできる。
そんな風にたくさんの問題が存在している中で、自分の主張のためにいるかどうかも分からない仮想敵を作って語ることにどれだけ意味があるのだろう?必要なのは現状のただしい認識と、どうすれば権利者側も視聴者側も両者がなるべく納得できるような状態になれるかを探ることではないのか?
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ずれてるやりとりの指摘、既得権益に関する指摘が興味深い記事。