アクセスは後からついてくるもの


ブログを始めてからアクセスが伸びるまで - 北の大地から送る物欲日記」に関連する記事を読んでいて感じたことなのですが、Web上にブログを書くことというのが「すべてのブログが等しく評価され、良いものほどアクセスを得ることができる」という状況だと夢見てブログを始める人、というのは案外多かったりするのでしょうか?


ブログを書くことで与えられるチャンスというのは、「Webを見ることのできる不特定多数の人々に読んでもらえるかもしれない可能性」が得られること、つまり低コストで情報発信することができる、という点のみであって、「書いた記事の内容が正しく評価される」「記事の質とアクセスが一致する」ということではありません。


記事を評価するのは、それを読んだ読者


ある記事がどう評価されるというのはそれを読んだ読者が決めることであって、書いた本人がいかにこれは優れた文章なのだ、と考えていても、世の中一般的にそうとは受け取られないことなんてザラにあります。自分の評価なんてのは、自分も読者の一人として考えるとあくまで一人の読者の評価でしかなく、いくら自分が100点つけても、他の読者が10点や20点という点数をつけた記事というのは、全体的に見てそれなりな評価にしかなりません。

自分ですごい!と思ってることが、世の中にはもっとすごい人が存在していてそうでもなかったり、自分にとってはごく当たり前のことだと思ってたことが、世の中にはそれを知らない人が大勢いて高い評価を受ける、なんてことは、ブログを書いているとよくあることで、自分の考え、感じ方ってのが、如何に自分一人だけの物なのかを実感させられます。


自分はすごい、自分の考えが絶対正しい、と思い込んでいる人にとっては、ネットというのは窮屈な世界かもしれません。世の中にはいろんな考え方をしている人が居て、そのいろんな考え方が見られるのがネットという場ですから。



アクセス=評価という幻想


アクセス数ってのは、そのブログを見に来た人の数なのですが、それがいつ記録されるのかというと記事を見にきた時点です。そう、まだ記事を読んでないにも関わらずアクセスは記録されます。

読んだ人がその記事をどう評価するのかは、もちろんその人が記事を読み終わってからでないと判断できません。アクセス数ってのは、タイトル、もしくは記事へのリンクを見て興味を持った人の数であって、記事を良いと評価した人の数ではありません。だから、電車の中吊り広告や新聞の一面記事のタイトルになりそうな扇動的なタイトルがついている記事は非常にアクセスを稼ぎやすいです。


じゃ、はてなブックマークのようなソーシャルブックマークでブックマークされた数が評価なのか?というと、アクセス数よりは近いもののこれもまた違います。記事の内容には賛成、評価できなくても、取り上げている話題が気になってブックマークするなんてこともよくありますし、コメントでコミュニケーション取りたいからブックマークするなんて人もいます。


はてなの場合だと、はてなスターはかなり実際の評価に近いかもしれません。ただし、誰しもがはてなスターを利用している訳じゃありませんし、スターを連打してつける人もいたりしますから、はてなスターの数=評価と安易に考えてしまうのも危険です。



実際のところ、記事の評価を正しく反映しているデータというのは存在せず、アクセス数、ブックマークやスターの数や反応、コメントやトラックバックの数や反応を見て、なんとなく分かる程度のものでしかありません。


評価してもらいたいのか、何かを伝えたいのか


アクセス数が得られないと悩んでいる人たちを見てて思うのが、「評価されたい」って気持ちが強すぎるんじゃないのか?ってこと。評価されるには、評価するにたる記事なりコンテンツなりを提供しなければなりませんし、その評価を決めるのは自分じゃなくて読者です。

逆に、人気ブログを見ていると、そういうブログの多くは「評価されたい」という気持ちを押し出していることはほとんどありません。むしろ、多くの人に伝えたいことがあって、それを書くのが楽しくてしょうがない、というスタイルな人が多い。自分の内だけに留めておけず、他人に語らずにはいられないっていう。



アクセスを得ることがブログの目的になってしまうと、検索エンジンの目をごまかすような偽SEOだったり、釣りタイトルや紛らわしいリンク、読んで読んでという自己アピール全開な方向へと向かい、中身のないただのゴミ情報をウェブ上に巻き散らかすのに夢中になってしまうかもしれません。



誰かの役に立つような、気になるような情報を発信し続けて、それにアクセスがついてくる。ベタで何のひねりもありませんが、無駄にアクセスを追い求めるよりかはずっと楽にアクセスが稼げる方法としておすすめしておきます。