若者がモノを買えない理由


若者がモノを買わない理由--インターネット依存、低い上昇志向・・・:マーケティング - CNET Japan」を読んで。

若者がモノを買わない理由に関する調査レポート。

元資料(pdfファイル)へのリンクもあったけど、肝心なところが省略されてるファイル。欲しい人はメールで問い合わせると
無料でもらえるそうな。

# 将来に対する不安→将来に不安を抱いているM1、F1は、貯蓄志向が高い。したがって消費力は低い。 # 低い上昇志向→上昇志向を持たないM1、F1は、いいモノを欲しいという欲求が低い。したがって消費力は低い。 # 固定化された人間関係→交友関係の開拓意欲が低いM1、F1 は、他人に触発されてモノを買う経験が少ない。したがって消費力は低い。 # 漠然とした結婚意識→結婚想定時期が遠いM1、F1は、今やりたいことをやっておきたい意識が低い。したがって消費力は低い。 # インターネット利用時間 <M1層>→インターネット利用時間が長いM1は、情報が多すぎて調べるのが面倒になり、購入を中止した経験が多い。したがって消費力は低い。 <独身F1層>→インターネット利用時間が長い独身F1は、ネットで調べている間に、何を買ってよいかわからなくなった経験が多い。したがって消費力は総じて低い傾向。

不完全な資料によると、若い人全体ではなく、「消費力が低い層」の「消費力が低い理由」を仮説・検証したって内容のレポートなので、全体の傾向ではないことに注意。

若い人全体だと「えええ?」と思うけど、その中で「消費力が低い層」の傾向って考えるとまあ、こんな所なのでは?と思う。いままで見て来た知人、後輩達を思い起こしてみても、物を買うことに興味を示さない層ってこんな感じだったし。

レポートでは、若者に積極的に消費してもらうためのアプローチとして、購買へのためらいを払拭するための“背中の一押し”や“先送りはできないと”思わせることが効果的で、さらに機能訴求よりも“素晴らしい自分”イメージを想起させることが有効であると考察している。

なんかこのアプローチを見てて、「あれ?なんか宗教勧誘みたいだ・・・」と思ってしまった。



将来を不安に思って消費力が下がるって傾向な人がいるんなら、将来を不安に思わないような社会になれば自然と消費力は上がるんだろうけど、それは商品を買ってもらいたい側にできるアプローチじゃないか。


若者がモノを買えない理由


全体的に考えると、今の若者はそもそも収入が減って消費に使える量自体が少なくなってたり、不安しかない将来を見て貯蓄に走ってますます消費から遠ざかったり、無料でさまざまなコンテンツが楽しめるネットが急拡大してたり、と消費力が落ちて当たり前みたいな状況。


今まではなんとなくで購入していたような商品もネット上のレビューや口コミ情報で比較検討できるから、よりいい物を買おうという方向に進む人も多いだろうし、いままではテレビやリアル口コミから流行になったものが売れていたのが、それ以外にネットで流行になったものも売れるという新しい経路ができてきたり、さまざまなコンテンツ自体からして一般人がそれを普通に楽しめるようになってからもう数十年になり、過去の名作などが蓄積されて、過去の古い名作を見るだけでも十分楽しめる状況になってしまったこと、違法・合法ともども無料でコンテンツを楽しむ環境が存在していること、、、まだまだあるだろうけど、多くの要因が若者を消費から遠ざける方向に働いていて、結果、消費力が昔に比べると落ちたということになってるんだと。



こういう傾向は、急に将来に対する不安が払拭されたり、過去のコンテンツが消え去ったり、ネットという新しい場が消滅したりなんてことはどれもあり得ないから、今後も続いていく。過去の商売イメージに囚われていると、あっという間に客から見放されてしまう時代にどんどん突入していってるってことに、古い世代がどれだけ気づけているか。



任天堂が山内社長から今の岩田社長に変わったような大きな変化が求められている時代なんだと思う。