ネットは無条件に自分を目立たせてくれる環境ではない


自分のブログは誰に読んで欲しい? - 北の大地から送る物欲日記 - 明日は明日の風が吹く
自分を知らない人にこそ読んで欲しいよね - 最終防衛ライン2」を読んで。


こうやって書いているブログを誰に読んでもらいたいかって話。



自分のブログは誰に読んで欲しい? - 北の大地から送る物欲日記」で紹介した発言小町の場合は、ブログを書いたからみんなに見てもらいたい、さしあたって身の回りの知人から!的な印象を受けたけど、ネットで何かを発信するってことの大きなメリットのひとつは、「同じ言語を使ってる人であれば、場所、時間、身分なんかを問わずに書いた物を読んでもらえる可能性がある」ってところ。

ネットを使い始めの頃は、書いたことがいろんな人に読まれる可能性があるってところに想像が及ばないので、どうしても知人に広めたくなる人も多いんだろうけど、本当に面白いのはネットに書かなければその人と通じることも無かったような、普段何の接点も無いような人に自分の書いた物を読んでもらえるところなんです。

何処の誰とも分からない人に。本名なんて知る事が無いだろう、何処かの誰かに。  勿論、付き合いのあるネット知人にも見て欲しい。でも、私と関わる気が全く無い人にも読んで欲しい。そして何れ、「こんな事書いてる奴ってどんな奴なんだろう?」と興味を持って欲しい。
自分のブログは誰に呼んで欲しいかと問われると、id:yas-toro さんと同じく、何処の誰とも分からない人に。さらに言うなれば、僕のことなんか全然知らない人に。普通に生活していたら絶対に出会わないような人にこそ読んで欲しいですね。

現実での人付き合いって、まず立場ありきなんですよ。親子、兄弟、親戚、近所の人、同じ学校の同級生、職場の同僚などなど。そこからスタートして、互いにコミュニケーションしていく。互いの立場ってのは最初に決まってるもので、ここはどうあっても変えられません。

もちろん、そういう知り合いの中で、自分と気の合う人、親しみ易い人、いっしょに居たい人を探していく訳ですが、母集団の数ってのはだいたい決まってて、さっき挙げたいくつかの例を合わせてもせいぜい数十人〜数百人程度でしょう。母集団が小さいが故に、気の合う人がなかなか周りに居ない、とか、同じ趣味、主張の人が身近に居ないってことが多くなりがちです。

ブログ継続して読む場合、人で読むか、内容で読むかといったら断然内容なのですよ。読み始めたきっかけは色々でしょうが、継続して読む場合は自分の趣味や考えと近いとか、逆に自分の意見とは丸っきり反対だけど自分にはない視点が面白いとか。

一方のネットの場合は、とにかく何かしらその人が発信したものがネット上にアップされていて、それを読む、見るところからスタートします。この時点では互いになんの関係もありません。いろんな物を見聞きして、自分がいいなあと思えるものや、共感できる主張をしてる人、この人はすごいと思う人など、自分が気になる人を自由に選んで見る対象とすることができます。

そうやって、ある人の書いた物が気になって、その人のブログなりサイトなりを購読するようになったり、コメントやトラックバックなどで意見交換するようになったり、Twittermixiなどでより深くその人とコミュニケーション取るようになったり。更に親しくなってオフ会で実際に会ったり、なんてこともあります。



自分と合う人を探すのは現実の場合と同じですが、最初に決められた立場が無いってのと、声が届く範囲は同じ言語を使ってる人達全体(あくまでも可能性的には、ですが)とで、現実の身の回りでは簡単に見つからないような相性のいい人達を見つけることができたりします。



実際にネット上で知人を作ろうと思ったら、積極的にいろんなことを発信したり、コミュニケーション取ったりする必要はありますが、場所・時間・立場を飛び越えて知り合いを作れるってことを考えたら、たいしたことのない労力。


万能ではないけど、道を開いてくれるネット


こうやって書くと、いかにもネットが万能な様にも見えますが、実際には、今までは身の回りの知人、知人の紹介くらいしか交遊範囲を広げる手段が無かったところに、ネットという新しい手段が一つ増えたよ、くらいな感じ。

ネットがすごいのは、あくまでも声が届く範囲が広い、読んでもらえる可能性がある、って部分であって、そこから先のどうやって人とコミュニケーションするか?って部分は現実でのそれと大差ありません。



よく「ネットでブログとかやっても、読者は増えないし、コメントももらえない、反応ないよ!」ってな声を見ますが、そういう人はどれくらい他人のブログを読んでますか?、コメントしてますか?、反応してますか?ってところを考えてみると分かると思います。コメントされる回数だけで見ても、ブログだと数百〜数千アクセスに一回、知人が多いSNSだと数〜数十アクセスに一回くらい。数字にするとそんな割合なんです。


自分からコメントするとか、他人のブログに反応するとか、たくさんのブログを読むとか、そういうアクションに出るとリターンも返ってきやすい。誰でも、自分からアクションを起こすのは抵抗があるんです。でも、声をかけられたら嬉しい。



ネットでいいな、すごいなって人を見つけたら、コメントするなり、はてなだったらブックマーク、スターをつけるなり、ブログで取り上げて紹介してみるなりで、自分からアクションを起こす。ネットで声が届く範囲は広いけれど、実際に何らかのアクションを起こして声を上げなければ相手には届かないんです。