ダイヤルアップという儀式でネット接続してた時代

僕らは昔、ダイヤルアップだった」を読んで。

ネット昔話シリーズ、第7話。(いや、数字は適当ですがw)


ピーヒョロー(ダイヤルアップ接続音)


今は、自宅でインターネットと言ってもそのほとんどが常時接続になってて、いちいちネットを使うためにネット接続を行う、という行為を行わなくてもいい時代になってますが、昔はモデムを使ってダイヤルアップ接続でパソコン通信やインターネットを利用してました。


FAXを送るときにピーピーガーガー言ってるのを聞いたことある人は、あんな感じです。

実際の接続中はうるさいから通信音はオフにしてますが、接続時はちゃんとトラブル無く接続できてるかどうかを確認するために、安定接続するまではモデムから音を出してる人も多かったので、ダイヤルアップ世代の人はその接続音を聞くと懐かしくて泣けてきますw

(追記:コメント欄でid:boyasanが教えてくれたダイヤルアップ接続音ネタw)
The Dial Up Kid


ダイヤルアップ接続でのパソコン通信スタイル


そんなダイヤルアップでネット接続してた頃のネット閲覧は、今とは全然違うスタイルでした。



パソコン通信ニフティサーブ)時代は、オートパイロットソフトを使って巡回してるフォーラムなどのログを一気に全て落としてきます。読んでる範囲、量にもよるけどだいたい数分程度。ログを落とし終わったら、ダイヤルアップ接続は切断。なんせ電話通話にてデータをやりとりしてるので、時間かかったらその分、電話通話料がかかりますしね。

そして、次に落として来たログをログ整形ツールなどで自動処理し、閲覧用のソフトで読んでました。当時(1995年頃)はMacを使っててComNifty(オートパイロットソフト)、魔法のナイフ、まな板、ぞうさん(ログ整形ソフト、テンプレート)、Nifty専用ブラウザ「茄子R」などと言ったソフトを使って、日々巡回してました。



今で言うと、2ch専用ブラウザで見るのに結構似ていますが、「全員IDとハンドル名を持っており、全発言にそれが明記されていること(匿名は不可能)」という大きな違いがありました。あと、シスオペと呼ばれるフォーラム(テーマごとの会議室みたいなもの)ごとの管理人の存在とか。



上述したように、ダイヤルアップ接続で未読ログをダウンロードしてきてそれを整形処理するってのは数分くらいの時間がかかります。そして、それから未読発言をもくもくと読みつつ、気になる発言があったら、それに対してレス(返信)を書きます。当然、このレスを書くという作業はオフライン(ネット接続していない状態)で行ってるので、このレスのテキスト内容はソフト側でストックしておいて、それをアップロードするためにまたダイヤルアップ接続します。

本当は、いちいちコマンドを入れて掲示板に入ったりしながらコメントへのレス作業などを行わなくてはならなかったのですが、さすがにそれはめちゃくちゃ面倒くさいことなので、上述したようなソフト群を使うことで自動巡回(ログのダウンロード、アップロード等を全て自動巡回してくれる)してた、というわけです。



一連の流れを見てもらうと分かると思いますが、ログを落として、処理して、読んで、レス書いて、とやってると軽く一時間くらい経過してたりします。そして、書いたレスをアップロードするために再接続すると、前に接続したときから後にアップされた新たなログをいっしょにダウンロードしてきてしまいます。もちろん、それらは最新発言なので、気になってついついまた読んでしまい、またレスを書いてしまう。

ああ、またレスをアップロードしないとな、と再再接続すると、なんとまあ、さきほどアップロードしたばかりの発言にもうレスが帰って来てるではありませんか! これはまたレスを書かなくては!



以下、エンドレス(笑)


ってな具合に、夜な夜な、何度もダイヤルアップ接続を繰り返す日々でした。


庶民の味方、テレホーダイ


ダイヤルアップ接続でネットに接続していた当時の問題は、とにかく電話料金。なんせ、ダイヤルアップ接続してるってのは、普通に電話通話しているのと変わらない状況ですから、何度も何度も接続してれば、その分お金がかかります。

毎晩、何度も何度もエンドレスでダイヤルアップ接続してる人達、長時間繋ぎっ放しな人達は、NTTから送られてくる電話料金の請求に恐怖したものでした。



そんな風に膨れ上がる電話料金を押さえてくれる素晴らしいサービスが「テレホーダイ」でした。具体的には、あらかじめ登録したふたつまでの電話番号に対して、23時〜8時までの通話が月1800円定額になるというもの。



パソコン通信だと、オートパイロットなどが発達してたためにそれほど電話料金爆発にはなりにくかったのですが、パソコン通信でもリアルタイムチャット(要はずっと繋ぎっぱなし)や、その後のダイヤルアップ接続でのインターネット接続(こちらもあちこち見るためにずっと繋ぎっぱなしに)には絶大な効果(節約効果)を発揮しました。

このせいもあって、23時をすぎるとパソコン通信会社やインターネットプロバイダの接続用電話番号が非常に混み合ってなかなか繋がらない現象が起こったりしてて、22時55分くらいの23時ちょっと前から前もって混み合う直前にダイヤルアップ接続してしまう、という裏技っぽいのもあったりしました。23時以前の数分間の電話料金はかかるものの、テレホーダイ適用時間前なので非常に繋がりやすいという。



1998年に発売され、発売が早すぎたゲームハードと言われたセガドリームキャストにはモデムが内蔵されていて、これを用いてネット回線を使ったネットゲームが数多く発売されており、その頃からネットゲーム(ネット接続による対戦、協力プレイができるゲーム)をよくプレイしていましたが、このときもテレホーダイは非常に重要で、23時〜8時までがどのネットゲームでもコアタイムとなっていました。


ダイヤルアップという接続の儀式


大学では1994年くらいからずっと、自宅でも2000年くらいから、インターネットを常時接続で使うのがごくごく当たり前の環境になっているのですが、1995年〜2000年くらいの自宅や出先でパソコン通信〜インターネットするときにダイヤルアップ接続してたというのは、いまの若い人達だともう知らない人達も結構いるんでしょうが、未知の世界に繋ぐ儀式みたいでなんかワクワクする儀式でした。



自宅でも出先でもほぼ常時接続になって、ネットというものが日常的に当たり前に存在してる時代な今では、懐かしい昔の思い出です。