気づけばはてなが居場所だった

はてな使ったら負けかなと思っている2011 - mala's blog」を読んで。

これは「Hatena::Staff Advent Calendar 2011 : ATND」の12月14日分のエントリですね。


ネットでは何かを公開することで世界を作りあげてていくだけじゃなく、プログラミングが出来ればそのネットという世界のしくみを作ることができる。ネットも昔の話となると、自力でhtmlを書けるくらいじゃないと自分のサイトひとつ作れない頃があって、そんな頃の人々は自分の居場所を自力で作りあげながらそこに新しい世界を展開していっていた。今ではいろんな人がネットという世界のしくみを便利な様に作り上げてくれている。何も考えずに簡単にネットに参加できるようになってどれくらい経っただろう。



別にこの企画に参加してる訳ではないけれども、はてなと自分に関して語ってみようと思う。



パソコン通信を経て、インターネットを使い始めたのが1995年くらい。その頃のネットの上の世界の歩みは今よりずっと遅くて、やれ音が出た、動画が動いた、自分のサイトを無料で持てる分譲地が出来たらしいぞ、ととにかくいろんなしくみがじわじわと現れては広がっていく時代。新しく登場するさまざまなwebサービスを試しつつ、どこかに自分の居場所が欲しくて、htmlをちまちまエディタで書いて自分の城たるホームページを公開する所からスタートし、他にも良さそうな居場所(webサービス)があれば知人と連れ立ってその居心地を試しに出かけ、次から次へと新しいサービスを渡り歩く移民みたいなことをしてた。普通の人より、少しだけPCやネットに対する適性があって、自分でプログラミングして新しいしくみを作るほどでは無かったけれども、レンタルサーバーを借りてwikiを作って、そこにネットの知人を集めてコミュニティを作ってみたり、自宅鯖を建てて海外のCMSを試してみたり、といろいろと自分の居場所を作る方法を模索してたのが2000〜2005年くらいの話。そんな折りに、確かはてなアンテナを使い始めたのをきっかけにはてなユーザーになって、そしてここはてなダイアリーへとたどり着く。


最初はほんのお試しのつもりで書き始めたこのブログ。だからタイトルも「物欲日記」なんて付けちゃってるし、事実そのとおり物欲ネタだったり日々の食事だったり見たアニメの感想だったりを書く日々がしばらく続いた。ふと気づくと、はてなという会社は何やらいろんな風変わりなサービスを作ったり、普通じゃあり得ないような面白いやり方で会社組織を回してたりするのに気づく。ちょうどはてながいろんな新しいサービスをリリースしまくってた時期に入った頃だった。いろんな発想だったり、他のサービスの後追いだったり、これは!って感じたり、ああああ!と笑ったり、まあいろんなサービスがリリースされては消えていき、そのうちのいくつかはその後も使い続けるサービスとして残ってくれた。そんなはてなという遊び場にいるうちに、次第にブログに書くエントリの数も溜まり、書く内容もいろいろと多岐に渡るようになり、ちょっとお試しで使い始めたはずの場所がしっかりとネットの世界における自分の領土となってることに気づいた。ネットという場所は何か行動を起こして、何かを残して初めて他人に気づいてもらえる場。ただそこに居て見てるだけでは、何も残らない。自分が発言した内容が、公開した何かが、それを見る相手にとってのネットにおける自分を作り上げていくのだ。そして、気づけばブログに書き連ねたエントリは数千を超えて、ネットの向こう側に自分の分身を作り上げていた。これだけネットが普及して多くの人がものすごい量の発言をするようになった今でも、ブログでちょっとニッチなことを書いたりすると、後で自分がそれについて検索したときに検索結果から真っ先に行きつくのが自分の書いたエントリだったりすることがある。そんなときは、自分がネットの世界の端を少し広げたんだなというなんとも妙な気分になれる。ひとつのブログで多くのエントリを書き連ねて自分の居場所を確立することで、ずいぶんとネットの見え方が変わった。その場所としては、もしかしたら他のブログサービスでも良かったのかもしれないけれども、毎日何かを書いてみたくなるような好奇心をくすぐり続けてくれたはてなという居場所が自分には水にあっていたようだ。ふと気づけば、はてながネットで人々が幸せになれるような新しい世界のしくみをいろいろと模索しながら作り上げて行こうとしているように、自分もブログを通じてネットに何かを書く事はどんな書き方があるのか、どう書けばどう返ってくるのか、人々が何を知りたがってるのか、どんなチャレンジができるか、といろんなことを試してみる場となっていた。もちろん、新しい世界のしくみを作り出すのは素晴らしいことなんだろうけど、しくみだけでは世界はまわらない。それを使う人がいて初めて世界はまわる。はてなという居場所は、他のさまざまなwebサービスを使い続けていながらも、まだ自分の本拠地として使い続けようと思わせてくれる場所。



はてなを使い始めた2005年から、今2011年までの6年間というのは、現実の世界においての自分の状況はホントにめまぐるしく変化し続けた6年間だった。転職で札幌から東京に移り、東京では無理が祟って体調崩して仕事辞めてリタイアする羽目になり、地元に戻ってからはしばらく療養し、それまでとは全く別の仕事を始め、結婚もした。現実では激動の6年間だったけれども、一方のネットではその流れとは全く別にネットでの居場所を定めてそこでの自分の世界作りを続けられた。はてなを含むネットの世界は自分にとってのもう一つの確かな世界でもあり、たぶんそこが無かったら現実でいろいろとドツボにハマっていた時期からなかなか抜け出せなかっただろう。世の中の色んな事が変化していく時期に差し掛かって来た気がする昨今。ここを足がかりにもっともっと自分が出来る事を試してみようと思う2011年の終わり。



他人が回してるネットバトンを勝手に拾って来ちゃうようなこのエントリ。いや、ネットバトンでもなくてアドベントカレンダーなんですけど、まあコレを機会に勝手に自分語りしちゃいたい人は語ってみてもいいんじゃないかな。