仕事のための仕事を無くせたらいいのに

11の「やめたこと」で実現した1000万ダウンロード突破【スマホ2011冬】 - デジタル - 日経トレンディネット」を読んで。

スマートフォンのゲームアプリ開発において、普通の職場で行われているような11のことをあえてやめることが大きな成功へと繋がったという記事。


そこで挙げられていた11のことは次のとおり。

1.「組織の細分化、階層化をやめる」
2.「職種別の目標設定をやめる」
3.「作業量の見積もりをやめる」
4.「スケジュール管理をやめる」
5.「データ分析をやめる」
6.「お客様のご意見どおりのアプリ変更はやめる」
7.「メンバーの教育はやめる」
8.「承認はやめる」
9.「アドバイス/助け合いはやめる」
10.「会議をやめる」
11.「報告書をやめる」

まあ、今回の記事の対象となっていた仕事が「4月から開発に着手し、7月末までに70タイトルそろえる」「開発スタッフは既に決まっている人間で進める」「8月にTVCMなど大々的なPRを行うため遅延は許されない」という、これ自体が相当の無茶振りな仕事だってのもあって、普通の仕事のやり方ではダメだったってのは容易に想像できます。



後は、仕事の作業環境のための行動は一切やめて、とにかく実作業に徹したということ。



大きな会社、人が多い会社になればなるほど、仕事のための仕事が多くなります。「組織は細分化、階層化」されるし、大勢が関わる仕事になると「職種別で目標設定」され、「作業量を見積もった」上で「スケジュール管理」することに。なにかにつけ「データ分析」を行い、「お客様のご意見」を取り入れ。いくつ判子をつく欄があるんだ?と思うほどの「承認」が続き、スケジュールは「会議」で埋まり、「報告書」を要求される日々。


確かに、上の文章で入れこんだような要素は、本来の仕事の要素ではなく、大勢で仕事を回すための仕事のための仕事な部分であることがほとんど。大人数が必要とされない仕事ならそもそも管理は必要最低限で十分だし、情報共有がうまく行われることで削減できる行動がたくさんあります。



組織に人が増えるほど、こうした仕事のための仕事、本来は無くてもよかったもの、がどんどんと増えていきます。それを無くせば生産性が上がるのは間違いないんだけど、生産性が上がるとそれを理由に人員カットが行われるために自分からそれを辞めることができないという構図。



恐ろしいのは、仕事のための仕事に夢中になって、本来の仕事がおろそかになってしまうこと。