ブログでメシを食う未来を考えてみる

ブログでメシが食えるか、Publickeyの2011年 − Publickey」を読んで。

「ブログでメシを食えるか」ってのは、ブログをやってる人なら誰でも少しは気にかけたことがあるであろうお題。私もしばらく休みがちだったブログをここ最近更新頻度を上げてきてるのは、将来的にブログを自分の収入の一部を担うものにしようと準備しだしたってのもあって、こういう先行事例はタメになります。

2011年1月から12月まで年間を通じてのPublickeyのバナー広告、テキスト広告、タイアップ記事広告などによる売り上げは400万7300円でした。加えてアドセンスの売り上げが71万9571円、アマゾンのアフィリエイト売り上げは6万4514円でした。
合計すると、Publickeyによる2011年の広告売り上げは、479万1385円となりました。

ブログでメシが食えるか、Publickeyの2011年 - Publickey

記事にあるページビューのグラフを見ると、だいたい月30万PV程度なので年だと12倍で360万PV。アドセンスの売り上げ計は72万円ほどで、PVあたりで見ると72万円/360万PV = 0.2円/PV。


このブログでも、以前に「Google AdSenseでどれくらい収益があるのか? - 北の大地から送る物欲日記」というエントリを書いたことがありましたが、その中で出した2007年頃のこのブログの収益率も0.207〜0.313円/PVで、だいたい同じ数字になっています。



アマゾンのアフィリエイト売り上げは、アマゾン商品を紹介している量や紹介スタイルにもよるのであまり一般的な数値はないのでしょうが、バナー広告、テキスト広告、タイアップ記事広告などによる売り上げが400万7300円というのはすごい。自身のブログをマネタイズするための手段をしっかり用意して提供してる故の金額で、一定数以上のアクセスが見込めて、ブログの方向性がはっきりしている場合には、自らで広告を募集するという形の方がより確実に収益になるというのは参考になります。


ブログの収益+α

2011年は、前述のブログ広告の売り上げよりも、まだ執筆や講演などフリーランスライターとしての活動による売り上げの方が上回っています。

ブログでメシが食えるか、Publickeyの2011年 - Publickey

ブログからの収益もありますが、それ以外のフリーランスとしての仕事への貢献(ブログからの知名度アップによる派生効果)も大きいようですね。

この辺、ブログで食べて行けている人々は、「ブログからの収益そのもの」+「ブログによる知名度アップ効果が本業や他の仕事に好影響」という二点をうまく活用しているように感じます。ブログだけでなく、ブログから得た知名度を活用できる他の収入源があるってこと。


ブログで食べようって人は、このαの部分も合わせて考えると、収益の幅が広がって実現の可能性が高まりそうです。


ブログそのものの収益スタイル


ブログからの収益そのものは、今の所、アドセンスamazonアソシエイトのような広告が中心的で、記事閲覧が直接収益に結びつくような形はまだ実現していません。

近い所だと、有料メールマガジン辺りがここ最近よく見かける様になった形。ブログ記事をまとめて書籍化できるようなジャンルだと、書籍化の方向もあって、これも最近では電子書籍化なら個人でも実現可能な状況が整ってきています。投げ銭のような形で記事ごとに収益を得るスタイルも一部のブログやニコニコ動画のようなサービスで登場し始めていますが、根付くにはまだしばらくの時間がかかりそうです。



「ブログでメシが食えるか」ってお題ですが、ブログの様な形で個人が情報発信出来る様になってから、まだ10年も経っていないんですよね。それでも、ネットが普及するにつれ「ブログでメシを食う」人々が増えていくのは間違いないだろう、と感じています。急激に広まることはなく、じわじわと増えていくのでしょうけど。


ブロガーという肩書きが職業になりうる未来


ネットにおける表現手段のさまざまな形は、ブログによる個人発信の場、SNSによるクローズドな交流の場、twitterによるリアルタイムで断片的な情報発信の場、という所まできて、次があるとしたらセンサーなどによるライフログ自動記録的な場、で情報発信区分的にはだいたい出そろったように感じています。

情報発信の場がいろいろと用意されたことで、改めてこの時期にブログで情報発信する人々は、ブログという場に応じた形なり量なりスタイルなりで発信することを選択した人達、ということになります。



昔から、ホームページなりブログなりで自ら情報発信し続けるような人ってのは、時代が変わってもだいたい百人に一人くらいの割合だと言うのが自分の実感としてあって、ブログである程度の収益を得られる人ってのは更にそのうちの百人に一人くらい。ここまでですでに一万人に一人。

そして、ブログで収益がある人の中でも、それで食べて行けるほど、数百万円レベルの収入がある人ってのは、やはりその百人の一人くらい? この大雑把な予想で該当する人数は日本でだいたい120人くらい? ものすごい大雑把な予想だけれども、そんな所かな?という気もする。



今、自らの職業の肩書きとしてブロガーを名乗ってる人ってほとんど居ないと思いますが、ブログで食べていける人々が増えて行けば、ブロガーという新たな職業が一般にも認識される未来ってのも十分ありうる話だと思います。