ウェブ上で個人情報を取り扱うことの危険性


『斬(ざん)』:ネットでは、あえて知人という表現を使う」を読んで。


ウェブ上で個人情報を取り扱うことの話。


参照記事で紹介されている
われ思ふ ゆえに・・・ - 誰が読んでいるかわからないから。(前編)
われ思ふ ゆえに・・・ - 誰が読んでいるかわからないから。(中編)
われ思ふ ゆえに・・・ - 誰が読んでいるかわからないから。(後編)
を読んでみてから、このエントリを見ることをオススメします。


ウェブ上で個人情報を取り扱うこと


私もこのブログや他のブログ、サイトなどに文章を書くときは、個人情報に類する話に関しては気をつけながら書いています。具体的には、なるべく対象を特定できないような書き方をするようにしています。話の趣旨に関係のない部分の場合は、あえてぼかしたり、本当とは違う立場に変えて書いたりとかもしています。

自分で自分の個人情報をばらしてしまうのは自分のせいですが、自分のサイト経由で人の個人情報がばれてしまうってのは、ある程度アクセスがあるサイトを目指すのなら気をつけなければならない部分でしょう。

そういう意識が乏しい、主に初心者に自分のサイトを教える気が引けるってのは、無意識、意識的に自分や周りの人の個人情報をばらされるかもしれないって可能性を感じているから。

どこで、誰が読んでいるか分らないのが、ネットです。なので、細心の注意が必要なんですよ。Web やケータイでの個人情報の管理のしかたを知らない人に気付かれてしまったら、そこからほころびが生じます。自分の知らないところで、リアルばれなどの個人情報が漏洩することも有り得るのです。

北の大地から送る物欲日記 - ブログが知り合いにばれるとき」でも似たような話を書いていますが、それはどっちかというと自分の立場とネット上で見せている内面の問題でした。でも、個人情報みたいなセキュリティの観点でも、他人経由で自分の情報が漏れていくという可能性は今後より拡大していきそうな気がします。


個人情報がばれると?


別に個人情報がばれたからといってすぐに何か被害がある訳ではありませんが、逆に何があってもおかしくないというのも確かです。ウェブ上にはいろんな人がいて、ちょっと想像付かないような非常識なことを平気で行う人もたくさんいるってのをいくつも見てきました。別にウェブ上にそういう人が多い、ってのではなく、リアルにいるそういう人たちがウェブ上で情報を得てるだけなのですが。


今だって、ブログが炎上したりすると、2ちゃんねらーが個人情報を暴きまくって本人宅に突撃とかしてたりしますよね? どんなにその人が悪いことをしてたとしても、それを理由に個人情報を暴いて攻撃を加えることには正当性はありません。


アクセスコントロールの有効性


それでも、個人情報に関することをやりとりしたいとき(主に知り合いとの連絡やコミュニケーション用途ですね)、アクセスコントロールが効くサイトを利用することがあります。(ID、パスワードがあって、関係者しか見られない形のサイト)


例えば、オフ会を行ってそのときの写真を配りたいとか、感想を掲示板で語り合いたいとか、そういう目的だと、アクセスコントロールが効くサイトを使うのが安全です。でも、アクセスコントロールを使えば必ず安全なのか?と言われると、これまたそうでもないのが困ったところです。


具体的にどういうことかというと、いくらアクセスコントロールをかけて、関係者しか閲覧できない状態にしても、誰か一人が外にそのIDとパスワードを漏らしてしまったら最後、内部情報(=個人情報)が筒抜けになっちゃうってことです。


オフ会の写真の例で言えば、別に知り合いにそれを見せるのくらいはいいと思うんですよ。ただ、IDやパスワードを外部の非特定多数に見られる状態な場所に漏らされるのは非常に困ったことになります。誰しも、自分の情報は見られたくはないけれども、他人の個人情報や隠し事は見てみたいという欲求を持っているもんで、そういう情報にはものすごいアクセスが殺到します。


この内部情報を漏らしてしまうってのは、誰か一人が漏らしてしまったらおしまいなので非常に対応が難しいです。一番いいのは、個人別にID、パスワードを発行して、漏れた場合には漏れた場所を特定する、ってのですが、そういうサイトを構築するのは一般的にかなり困難です。

コミュニケーションとセキュリティのバランス

せっかくネットという便利なコミュニケーション手段を得たのに、それを悪用する人がいるがために、必要以上に自己防衛を取らなければならなくなったり、そもそもコミュニケーションを諦めなければならないってのは、非常につまらないことです。でも、そういう人がいるんだから、自分たちの身は自分たちで守らないとしょうがない。


コミュニケーションに夢中になりすぎるがあまり、セキュリティ(個人情報を守ること)がおろそかになってしまって人に個人情報を悪用されたら大変。かといって、セキュリティを気にしすぎるがあまりに、がちがちな規則をたくさんつけてしまうと、誰もコミュニケーションできないということにもなりかねない。うまいところ、コミュニケーションとセキュリティーのバランスを取る必要があるのでしょう。


そしてもう一つ、ネットを利用するときは、自分の個人情報を守ることを考えるのと同じくらいに人の個人情報を守ることについても意識を働かせる必要があります。自分の個人情報となると異常なほどに敏感なのに、他人の個人情報はなんとも思わずに漏らしてしまうような、人のことに注意が働かなくなってしまう人もかなり見受けます。自分だけじゃなく、他人の個人情報も守るってことを、気をつけたいものです。