テレビ以外でテレビ放送を見るに知っておきたいあれこれ

テレビ。



テレビ放送。



地上デジタル、BS、CS、有名どころはこの3つ。まあ、電波に乗って映像を視聴者の元へと届けてくれるテレビ放送は、昔では文字通りテレビそのものでしか見る事が出来なかったけれども、この21世紀、昔夢見た未来世紀になった今ではあらゆるデバイスでテレビ放送を見る事が出来る様になりました。

まあ、BS放送CS放送は衛星放送とよばれ、宇宙を飛ぶ衛星からの電波を大きなアンテナで受信するため、自宅でテレビで見るのが一般的です。このエントリで語るテレビ放送は主に地上デジタル放送のこととなります。



テレビ以外でテレビ放送を見る、何で見られるのか、それは具体的に言うと画面がついているデバイス。・・・まあ、テレビ放送、映像を見るんだから、画面がついてないことには・・・ね。気づけば、世の中にはいろいろと画面がついたデバイスが出回っています。


どんなものでテレビ放送が見られるか。もちろんテレビ以外で。


分かり易いところでは携帯電話。ワンセグ、なんて名前でテレビが映る機能が搭載されてる機種が日本では多く発売されています。どこでも持ち歩ける携帯電話にテレビ、これ最強とばかりに。職場や飲み屋、移動中なんかに携帯電話でテレビ見てる人、いますよね。

これが今ぐんぐん来てるスマートフォンとなると、標準機能としてワンセグを搭載している機種はちょっと減ります。その場合でも、外付けチューナーとか繋いだり、無線LANでデータ飛ばしたりすることで、テレビ放送を見られたりします。



カーナビ、車についてるナビゲーションシステム、あれもテレビが見られるものが多いですね。これはワンセグ、フルセグなど仕様がちょっと異なるものが混在してて、フルセグの方がワンセグよりも綺麗な画質で見る事ができます。ワンセグとフルセグの違いはまた後述します。



次に携帯ゲーム機。任天堂DSやPSP、あ、今最新のだと、3DSPSvitaですか。その辺の携帯ゲーム機でもテレビを見る事ができちゃったりします。もちろん外付けチューナは必要ですが。



そして、一人暮らしなんかで以外と多そうなのが、PCを使ってのテレビ視聴。一昔前、というか今でもあるんでしょうけど、テレビPCみたいなのがあって、PCの画面上でテレビ放送を見る事ができます。PCという高性能な機械なことを活用して、番組録画までできちゃったりする場合も。

PCだと、元からテレビ機能が搭載されているもの以外でも、外付けチューナーを繋ぐ、もしくはデータ飛ばすことで、やはりテレビ放送を見られるようになります。


ワンセグとフルセグって何?


携帯電話に付いてるテレビ機能は普通ワンセグと呼ばれています。そして、カーナビだとワンセグとフルセグってのが混在しています。



地上デジタル放送は1つのチャンネルの周波数帯域は13セグメント、まあ13個の部分に別れた構造となっています。このうち、1つのセグメントだけで受信・視聴できるのがワンセグ、そして12のセグメントを使って受信・視聴できるフルハイビジョン放送(HDTV)、4つのセグメントを使って受信・視聴できる標準画質放送、があります。


ワンセグは携帯電話などのモバイル端末の小さな画面で移動しながら見る事を想定して作られた規格で、データ量が小さいので受信し易い代わりに低い画質(QVGA、320×240/320×180、15fps)や音質となっています。12セグメントで見られるHDTV(1440×1080i(一部は1920×1080i))との画質の違いは圧倒的ですが、2〜3インチ程度の携帯電話の小さな画面ではそこまでは意味が無いという割り切りですね。

カーナビだと、1セグメントと12セグメントを電波受信状態により切り替えてみる事ができる機種があり、それがフルセグとよばれています。13セグメント、フルに使えるからという由来でしょう。カーナビの画面は5〜10インチ程度あってそこそこ大きいですから、ワンセグとフルセグの画質の違いが分かると思います。



これから紹介する様々な外付けテレビチューナーの類いは、ワンセグ受信か、12セグメント受信かで根本的な画質が違うってことを覚えておいてください。小さな画面で見る分には分かりませんが、ある程度以上大きな画面や小さくても高精細な画面(最近のスマートフォンや携帯ゲーム機)だと、ワンセグと12セグメントの違いはかなり分かるはず。


テレビ放送が見られないデバイスに与えられる外付けチューナーという道


さて、ワンセグと12セグメントの違いも理解してもらった所で次にいきます。

元々テレビ放送受信機能がついてないデバイスでも、外付けのテレビチューナーを接続したり、外付けテレビチューナーから映像をデータ配信させることで、テレビ放送をみることができるようになります。


■携帯ゲーム機なのにテレビまで!


まずは携帯ゲーム機から。



ワンセグ受信アダプタ DSテレビ

ワンセグ受信アダプタ DSテレビ

DSは任天堂から公式のワンセグ受信アンテナが出ていて、これは3DS/DSi LL/DSi/DS Lite/DSとDSシリーズで使うことができます。ただし、DSの画面サイズ3インチの解像度は256x192なので、ワンセグ放送の解像度よりも低く、まあ正直、テレビ放送がなんとか見られる、と言ったレベルです。字幕とか細かい部分はほとんど見えなさそう。定価は6800円。


次はPSP用のワンセグチューナー。こちらはPSP-2000/3000用で、初期型のPSP-1000には対応してないので注意。うちにあるのは・・・PSP-1000ですね、はい。いいんだ、テレビあるから・・・。PSPは画面サイズ4.3インチの解像度480×272ってことで、同じワンセグ放送でもDSで見るよりは綺麗に見えそうです。定価は6980円。



DSとPSPワンセグ受信については、こんな記事も見つけたので知りたい人はどうぞ。
参考記事:対決!DSテレビ v.s. PSPワンセグ − 使い勝手や画質、スタミナ性能などを徹底比較 - Phile-web

ちなみに、最新機種のPS vitaにはまだテレビチューナーはでていません。


スマートフォンといえばiPhone、ついでにiPadも!


最近、躍進著しいスマートフォンの流れを作ったiPhone、そして同じiOSを搭載したiPadでテレビを見るための外付けチューナーもあります。


amazon価格で4990円と手軽な値段で使え、録画したりwebを見ながらの利用も出来る様ですが、iPad2(iOS5)、iPhone4Sには対応していないようなので、買う時は自分の環境が対応してるか要チェック。


こちらはamazon価格で6278円とちょっと高くなりますが、受信した地上デジタル放送をワイアレスでiPhone/iPadに飛ばしてくれるので、物理的に接続する必要がないという優れもの。iPhone4SiOS5にも対応とあります。また、おまけ程度でしょうけど、外部バッテリとしても使える様です。

I-O DATA iPhone/Android対応 ワイヤレスワンセグチューナー GV-SC500/AI

I-O DATA iPhone/Android対応 ワイヤレスワンセグチューナー GV-SC500/AI

このチューナーはandroidにも対応したのもあります。



また、直近のニュースで自宅でテレビを見るというのなら、地上デジタル放送ならフルセグ対応、それ以外にもBSとCSも(もちろんアンテナは別途必要ですが)という3波に対応して、チューナーからワイアレスで映像を送り出してみるというiPhone/iPad用チューナが発売になりました。定価15800円。
参考記事:ソフトバンクBB、フルセグ対応のiPhone/iPad用チューナ -AV Watch

iPhone4以降やiPadはそもそも画面解像度がそれなりに高いので、ワンセグじゃなくてフルセグ対応してるチューナーの方が綺麗にテレビ放送をみられます。上述のチューナーはトランスコードといって受信したテレビ放送を一旦別の形式に変換してからiPhone/iPadへと映像を送り出す形で、変換後の解像度は1,024×576(ながら見モードだと768×432)になります。元放送よりは劣化していますが、ワンセグよりはずっと綺麗なはず。


■PCがあるなら、その画面でテレビを見ればいいじゃない


昔からあったテレビPCじゃなくても、外付けチューナーでPCでもテレビが見られます。ただ、PCの場合、画面は相当に大きいので、ワンセグチューナーではちょっと物足りないかもしれません。

自宅でテレビアンテナの受信口がある、なんて場合ならフルセグ対応のチューナーを買うと、HDTVを楽しむことができます。



自宅でテレビ放送をPC上で見るならフルセグ、外出時にノートPC等でテレビ放送を見たいならワンセグ、という住み分けでしょうか。



なお、PCだとテレビ放送を録画できたり、データ放送も楽しんだり、もちろん他の作業をしながらも、とかなり便利にテレビ放送を楽しむ事ができます。注意するとしたら、PCでテレビ放送を録画するときは、トランスコードと呼ばれるデータを変換して圧縮する機能を持たない装置の場合、かなり録画にHDD容量を使う点。1時間録画するのに7GBとか。



それから、PCでテレビを見るという程度なら特に大きな問題はなかったりしますが、録画しようとするといろいろと制約が出て来たりします。録画というのは大容量のデータをHDDに保存し続ける作業なので、同時にPCを他の作業にも使ってたりすると、録画が不安定になったり落ちたりする、そういうこと。

テレビ録画をばりばりしたいなら、そこはもうテレビ機能をうたっているPCを探すか、録画機能付きテレビかレコーダーを買う方がたぶん幸せになれます。お金はかかりますけど、やっぱ餅は餅屋、録画はレコーダー。



Macだとこの手のチューナーとかはそもそも選択肢が少ないですが、今月末に新製品もでるようです。Lionの32/64bitモード両方に対応とか。
新製品情報 2011年 | わたしのMacがテレビになる。 Mac専用地デジ対応テレビキャプチャー「m2TV」 | IODATA アイ・オー・データ機器



最近じゃ、テレビそのものも随分とお安くなりました。十数インチの小型液晶テレビなら、1万円台からあったりします。


19インチだけど、500GB HDD内蔵で録画できて、外付けHDDにも対応してるとか。それで4万円前後。安くなったもんだ。

東芝 19V型 液晶 テレビ 19RE1(K) ハイビジョン   2010年モデル

東芝 19V型 液晶 テレビ 19RE1(K) ハイビジョン 2010年モデル



うちのテレビは、テレビ放送見るよりもゲーム機モニタやBlu-rayやDVDを見るという用途に使われる方がずーっと多いんですけれども、それでも話題の番組を見たり、録画しておいた気になる番組チェックはします。

いろんなテレビ以外のデバイスでテレビ放送を見るのも便利ですが、ホントにテレビ放送を楽しみたいのなら、いっそテレビまで行ってしまう方が幸せになれるのかもしれません。値段が高くて、時期による変動も大きいので、買う時はいろいろ調査してからの方がいいですけど。録画機能あると、レコーダーいらずですしね。